新潟・関温泉ガイド|江戸番付『越後関の山の湯』東-前頭4段目×上杉謙信の隠し湯と享保12-13年公許の赤湯

白く雪を被った妙高山を背に、湯船で赤褐色に染まる温泉 ── 戦国の世、上杉謙信が密かに浸かったと伝わる隠し湯が、約400年の時を越えて今も新潟県妙高市の山中に湧き続けています。これが関温泉(せきおんせん)標高約900m・妙高山東麓の赤湯温泉です。江戸時代の温泉番付『諸国温泉功能鑑』では東-前頭4段目「越後関の山の湯」として登載された名湯で、1727年(享保12年)または1728年(享保13年)に公許開湯した約300年の歴史を持ち、伝承上は弘法大師(空海)発見とされる古湯。戦国期には上杉謙信の隠し湯「関山の湯」として知られ、現在は関温泉旅館組合に加盟する10軒前後の旅館・湯治宿が、鉄分を含むナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉の独特な赤湯を全宿源泉100%かけ流しで提供する温泉地です。1972年に隣接の燕温泉と共に国民保養温泉地に指定(環境庁告示第11号)され、1917年(大正6年)開場の日本最古級「関温泉スキー場」と並ぶ通年型山岳リゾートとして親しまれています。

本記事は、がやが環境省「関・燕温泉国民保養温泉地計画書(令和8年3月)」・文化遺産オンライン・赤倉温泉観光協会公式・妙高市公式・新潟県旅館ホテル組合の一次情報を3源以上でクロス検証し、「妙高山東麓の地理」「江戸番付の格」「上杉謙信×関山神社」「赤湯の泉質」「周辺3件の国指定文化財」の5軸で関温泉の魅力を整理したガイドです。

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執筆:がや

温泉番付に登載された全国の名湯を、一次史料と公式情報を突き合わせて紹介する温泉ライター。江戸期『諸国温泉功能鑑』に登載された名湯を中心に、開湯伝説・泉質・宿泊事情を文化遺産オンライン・自治体公式・環境省PDFで検証して執筆中。

関温泉 妙高山東麓の赤湯と1917年開場の日本最古級スキー場

📑 目次

  1. 妙高山東麓・標高900mの赤湯、関温泉の基本情報
  2. アクセス・施設情報
  3. 関温泉を楽しむ1泊2日・2泊3日モデルコース
  4. 四季の楽しみ方|ベストシーズン
  5. 泉質と効能|鉄分の赤湯ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
  6. 江戸期番付『諸国温泉功能鑑』東-前頭4段目「越後関の山の湯」
  7. 開湯の歴史|弘法大師伝承・上杉謙信隠し湯・享保12-13年公許
  8. 関山神社と妙高山修験道の歴史
  9. 関温泉の宿|全宿源泉100%かけ流しの湯治宿
  10. 妙高高原温泉郷|燕温泉・赤倉温泉との関係
  11. 周辺文化財①|旧関山宝蔵院庭園(国指定名勝)
  12. 周辺文化財②|銅造菩薩立像(重文)と関山神社本殿(登録有形)
  13. グルメ・名物|笹寿司・へぎそば・かんずり・新潟地酒
  14. よくある質問(FAQ)
  15. まとめ|越後の赤湯を訪ねる旅へ

📌 この記事で分かること

あなたの目的 読みどころ 結論の要点
関温泉を訪れる価値があるか知りたい 妙高山東麓900m・関温泉旅館組合10軒前後・温泉街4.9ha 江戸番付登載×国民保養温泉地×国指定文化財3件
アクセス可否といつ行くかを判断したい 4ハブ経路図・関山駅バス28分・冬期通行止注意 スキー12-5月・新緑6月・紅葉10月が好機
泉質と効能の根拠を確認したい ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉48.8℃・全宿源泉100%かけ流し 鉄分酸化の赤湯・温泉新選組ORP測定済
歴史的背景と一次史料を知りたい 弘法大師伝承・上杉謙信隠し湯・1727/1728年公許の両論併記 『中頸城郡誌』・環境省PDF・文化遺産オンライン
周辺文化財・観光の選択肢 旧関山宝蔵院庭園(名勝)・銅造菩薩立像(重文)・関山神社本殿(登録) 指定3件・不動滝・燕温泉・妙高山登山口

妙高山東麓・標高900mの赤湯、関温泉の基本情報

関温泉は、新潟県妙高市の妙高山東麓・標高約900mに広がる山あいの温泉地です。関温泉旅館組合に加盟する宿は10軒前後(Wikipediaは11軒、新潟県旅館ホテル組合「よりなれえちご」掲載は6軒)。大田切渓谷の山峡に老舗湯治宿から中規模旅館までが点在し、温泉街全体は約4.9haのコンパクトな範囲に収まります(環境省「関・燕温泉国民保養温泉地計画書」令和8年3月)。妙高山の懐に抱かれた静かな谷あいに湯治宿の風情を色濃く残しつつ、隣接する関温泉スキー場でアクティビティも楽しめる通年型山岳リゾートです。

関温泉の最大の特徴は、湯が「赤湯」と呼ばれる赤褐色を呈すること。鉄分を豊富に含む湯が空気に触れて酸化することで生じる独特の色合いで、視覚的にも個性が際立つ名湯です(出典:Wikipedia/温泉新選組)。赤倉温泉観光協会公式が「越後三大名湯の一つ」と紹介している格式の温泉地(限定的呼称・他の公式情報源では確認されず)で、1972年(昭和47年)7月29日に隣接の燕温泉と共同で国民保養温泉地に指定(環境庁告示第11号)されました。

💡 関温泉の3つのキーワード
江戸の温泉番付:『諸国温泉功能鑑』東-前頭4段目「越後関の山の湯」
上杉謙信の隠し湯:戦国期「関山の湯」として関山神社別当宝蔵院と結びつく
1917年開場の日本最古級スキー場:レルヒ少佐の妙高山スキー登山を契機に開場

項目 内容(出典)
所在地 新潟県妙高市関山(妙高山東麓・標高約900m)
温泉街面積 約4.9ha(環境省PDF)
開湯 1727年(享保12年)または1728年(享保13年)公許/約300年の歴史
発見伝説 弘法大師(空海)発見伝承
戦国期 上杉謙信の隠し湯「関山の湯」
泉質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(鉄分含有・赤湯)
源泉温度 48.8℃
江戸番付 『諸国温泉功能鑑』東-前頭4段目「越後関の山の湯」
旅館数 関温泉旅館組合加盟10軒前後(公式情報源で幅あり)
国民保養温泉地 1972年(昭和47年)7月29日 環境庁告示第11号(燕温泉と共同指定)
国立公園 妙高戸隠連山国立公園 第2種・第3種特別地域

アクセス・施設情報

関温泉は北陸新幹線「上越妙高駅」からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン「関山駅」まで約15分、関山駅から妙高市営バス「関・燕温泉線」で約28分車利用なら上信越自動車道「妙高高原IC」から約20分です(出典:環境省PDF/妙高市公式/各旅館アクセス案内)。

住所 新潟県妙高市関山
電話 妙高市観光協会 0255-86-3911
最寄駅 えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン「関山駅」
バス 妙高市営バス「関・燕温泉線」 関山駅→約28分
送迎 一部宿で関山駅から無料送迎15分(要事前予約)
高速IC 上信越自動車道「妙高高原IC」から約20分
駐車場 各宿宿泊者用駐車場(冬期は除雪・スタッドレス必須)

アクセス経路図(4ハブ→関山駅→関温泉)

関温泉 アクセス経路図関温泉 アクセス経路図(東京・羽田空港・長野・新潟駅の4ハブ)東京駅羽田空港長野駅新潟駅🚄 北陸新幹線かがやき約1時間50分🚌 リムジン+新幹線約3時間🚆 しなの+トキ鉄約1.5時間🚆 特急しらゆき約2時間🚆 妙高はねうま約20分🚌 妙高市営バス約28分合計:東京駅から約2時間40分(北陸新幹線+妙高はねうまライン+市営バス)/車:上信越道「妙高高原IC」から約20分夏季:燕温泉⇔関温泉間は妙高市営バス1日5〜7便(時刻は妙高市公式で要確認)⚠ 冬期12〜3月:雪道のためレンタカー禁止・スタッドレスタイヤ必須

冬期アクセスの注意点

  • 県道396号(赤倉温泉↔関温泉)は11月中旬〜5月下旬通行止め。冬期は県道39号経由が必須です。
  • 12月〜4月はスタッドレスタイヤ必須。大雪時は金属チェーン携行を推奨。
  • 関温泉スキー場へは関山駅から冬期シャトルバスが運行(時期は公式で要確認)。
  • 一部宿は関山駅から無料送迎を実施。事前予約必須・到着時刻の連絡を。

📢 アクセスを確認できたら、宿の空室・料金もチェック

スキーシーズン(12〜5月)は満室率が高め。早めの予約がおすすめです。

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関温泉を楽しむ1泊2日・2泊3日モデルコース

関温泉の滞在モデルを2パターンで整理します。スキー目的かトレッキング目的かで日程の組み方が変わります。

1泊2日:冬のスキー+赤湯コース

時間 行程
1日目 朝 東京駅→北陸新幹線→上越妙高駅(約2時間)
1日目 昼 トキ鉄妙高はねうまライン→関山駅→宿の送迎で関温泉到着、チェックイン
1日目 午後 関温泉スキー場でパウダースノーを満喫(標高910〜1,190m・最大斜度45度)
1日目 夜 宿で赤湯入浴→新潟の地酒と郷土料理の夕食
2日目 朝 朝湯→朝食→午前中もう一滑り(または関山神社・宝蔵院庭園散策)
2日目 昼 チェックアウト→関山駅→上越妙高駅→帰路

2泊3日:周辺文化財+湯めぐりコース

日次 行程
1日目 関温泉到着→チェックイン→不動滝散策(約20m落差・大滝不動)→赤湯入浴
2日目 関山神社・旧関山宝蔵院庭園(国指定名勝)・銅造菩薩立像(重文)拝観→燕温泉で日帰り入浴(黄金の湯・河原の湯野天風呂)
3日目 朝湯→赤倉温泉までドライブ→帰路(または妙高山登山口・笹ヶ峰へ)

2泊3日の場合、燕温泉(乳白色硫黄泉)と関温泉(鉄分赤湯)の対照的な湯めぐりが大きな見どころ。両湯は車で数分の距離で、妙高山麓の地質的多様性を一度に体感できます。

四季の楽しみ方|ベストシーズン

関温泉は標高900mの高所立地のため、四季の表情が大きく変わります。冬は日本有数の豪雪地帯としてパウダースノー、春〜秋は妙高山登山・トレッキング・紅葉が主役です。

季節 時期 見どころ
12月初旬〜5月中旬 関温泉スキー場(1917年開場・日本最古級)・全自然雪パウダースノー・最大斜度45度の上級者向け
5月下旬〜6月 春スキーから新緑へ・大田切渓谷の雪解け水と若葉
7〜8月 妙高山(日本百名山)・火打山(同)登山口・避暑地として活用
10月 大田切渓谷・不動滝周辺の紅葉ピーク・関山神社境内

赤湯は鉄分の酸化により季節を問わず赤褐色に発色します。冬のパウダースノー後の温まる湯、夏の登山後のクールダウン後の保温湯、いずれの季節でも湯治宿の風情と赤湯の個性を満喫できます。

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スキー期(12〜5月)と紅葉期(10月)は早めの確保が安心です。

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泉質と効能|鉄分の赤湯ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉

関温泉の泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、源泉温度は48.8℃。最大の特徴は湯が赤褐色を呈する「赤湯」であることです(出典:Wikipedia/日本温泉協会/赤倉温泉観光協会)。

赤湯の色は、温泉に含まれる鉄分(鉄イオン)が空気に触れて酸化することで生じるもの。湧出時はほぼ無色透明の湯が、湯船で空気に触れると徐々に赤褐色へ変色していきます。この鉄分豊富な湯は古くから「金気の湯」とも呼ばれ、湯治場として親しまれてきました。

項目 内容
泉質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
湯色 赤褐色(鉄分酸化による赤湯・微赤錆色)
源泉温度 48.8℃
主成分 ナトリウム・塩化物・炭酸水素塩・鉄分
効能傾向 皮膚病・切り傷・神経痛・婦人病・冷え性・疲労回復(赤倉温泉観光協会公表分)
利用方式 全宿源泉100%かけ流し宣言/全宿ORP測定実施(温泉新選組)

ナトリウム-塩化物泉は「熱の湯」と呼ばれ、塩分が皮膚に薄い膜を作って湯冷めしにくくする保温効果が伝統的に評価されてきました。さらに関温泉では炭酸水素塩泉の成分も含むため、湯上がりの肌のすべすべ感(重曹泉の特徴)と保温感(食塩泉の特徴)を同時に味わえるのが魅力です。スキーやハイキングで冷えた身体を芯から温める、まさに山岳リゾートの湯らしい泉質と言えます。

関温泉の宿|全宿源泉100%かけ流しの湯治宿

関温泉の宿は関温泉旅館組合に加盟する10軒前後全宿が源泉100%かけ流しを宣言し、全宿でORP(酸化還元電位)測定を実施しています(出典:温泉新選組)。新潟県旅館ホテル組合「よりなれえちご」掲載は6軒で、Wikipediaは11軒と記録しており、情報源で旅館数に幅があるため「10軒前後」として整理しています。

宿名 特徴
山の湯宿 針村屋 関温泉の老舗湯治宿。新潟県旅館組合掲載
朝日屋旅館 「癒しの湯宿」として親しまれる中規模旅館
うぐいすの初音 関温泉の代表的な中規模旅館(公式 u-hatsune.com)
岩戸屋 関温泉旅館組合加盟の伝統宿
中村屋 関温泉旅館組合加盟の家族経営宿
樺太館 関温泉旅館組合加盟・新潟県旅館組合掲載

関温泉の宿は冬はスキー客・夏は登山客と湯治客という通年型の集客で支えられており、家族経営の小規模湯治宿から複数浴場を持つ中規模旅館まで、規模感に応じた選択肢が揃います。赤湯の鉄分豊富な湯は宿によって浴感が微妙に異なり、湯めぐりも温泉地の楽しみ方の一つです。最新の宿一覧と空室状況は、楽天トラベル・じゃらんnet・新潟県旅館ホテル組合公式(よりなれえちご)でご確認ください。

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江戸期番付『諸国温泉功能鑑』東-前頭4段目「越後関の山の湯」

関温泉は、江戸期に編まれた温泉番付『諸国温泉功能鑑』に東-前頭4段目「越後関の山の湯」として登載されています。「関の山」とは関温泉の戦国期の呼称「関山の湯」に通じる表記で、越後(現在の新潟県)枠から登載されました。弘化2年(1845年)改訂版でも東-前頭4段目に登載されており、江戸末期まで継続的に番付に名を刻む格式の湯であることが分かります。

項目 内容
番付名 諸国温泉功能鑑(しょこくおんせんこうのうかがみ)
登載位置 東-前頭4段目「越後関の山の湯」
東方大関 草津温泉(上野)
現存版本 弘化2年(1845年)改訂版(鳥瞰図形式)
背景 妙高山修験道の聖地・関山神社(雲上寺宝蔵院)と結びついた信仰的・地理的格式

『諸国温泉功能鑑』は江戸期に複数の版本が刊行された相撲番付倣いの温泉ランキングで、関温泉は東方(東日本)の前頭4段目に位置づけられました。妙高山麓の高所温泉が江戸の番付に名を刻んだ意義は大きく、関温泉の湯治場としての伝統と効能の高さが江戸期から評価されていたことの裏付けとなります。

開湯の歴史|弘法大師伝承・上杉謙信隠し湯・享保12-13年公許

関温泉の歴史は3層構造で理解できます。①平安期:弘法大師(空海)発見伝承/②戦国期:上杉謙信の隠し湯「関山の湯」/③江戸中期:享保12年(1727年)または享保13年(1728年)の公許開湯です。

①平安期:弘法大師(空海)発見伝承

弘法大師は平安初期に各地を巡錫し、東北・北陸を中心に温泉発見伝承を残した高僧です。関温泉も弘法大師発見の古湯として古来語り継がれ、隣接の燕温泉も同様の伝承を持つことから、妙高山麓の温泉群は弘法大師信仰と結びつく形で古代から認識されていたと考えられます(出典:環境省PDF/赤倉温泉観光協会)。なお関山神社の社殿造営・境内整備は大同年間(806-810年)に弘法大師が行ったと伝わると環境省PDFが記録しています。

②戦国期:上杉謙信の隠し湯「関山の湯」

戦国時代、関温泉は「関山の湯」と呼ばれ、上杉謙信の隠し湯として知られていました。隠し湯とは、戦国大名が領内の湯治場の中でも特に秘匿性が高く、家臣団の傷病治療や軍機密保持に使われた温泉のこと。妙高山東麓の山深い谷間に位置する関温泉は、地理的にも軍事的にも理想的な隠し湯立地でした。関山神社別当・宝蔵院一泰が浴舎を設けたとも伝わります(出典:温泉の歴史ジャパン)。

③江戸中期:享保12年または13年の公許開湯(両論併記)

関温泉の公許開湯年については、一次情報源で2つの記録が存在します。

情報源 開湯年 典拠
Wikipedia・赤倉温泉観光協会公式 享保12年(1727年) 『中頸城郡誌』第四巻(1941年)
環境省「関・燕温泉国民保養温泉地計画書」(令和8年3月・最新公式) 享保13年(1728年) 環境省PDF(記事末尾出典欄参照)

本ガイドでは、最新公式の環境省PDFと地誌『中頸城郡誌』の双方を尊重し、「享保12年(1727年)または享保13年(1728年)に公許開湯」として両論併記の表記を採用しています。江戸幕府八代将軍 徳川吉宗の享保改革期に正式な湯治場として開湯許可を得た、約300年の歴史を持つ古湯です。

関山神社と妙高山修験道の歴史

関山神社(旧 関山大権現/妙高山雲上寺宝蔵院)は、関温泉から徒歩圏にある妙高山修験道の中心拠点です。創建は和銅元年(708年)、開山は裸行上人(らぎょうしょうにん)と伝わります(出典:環境省PDF/妙高市公式)。

時代 出来事
和銅元年(708年) 裸行上人による開山。妙高山修験道の中心拠点として成立
大同年間(806-810年) 弘法大師(空海)が関山神社を訪れ、社殿造営・境内整備を行ったと伝わる(環境省PDF)
戦国期 上杉謙信が妙高山信仰のもと関山神社・宝蔵院に深く帰依
明治維新 神仏分離により別当宝蔵院は廃寺。庭園のみ残存

妙高山は仏教世界の中心「須弥山(しゅみせん)」と呼ばれる信仰の山として、関山神社を中心とした妙高山修験道の聖地でした。毎年の関山火祭りは、現在もこの修験道の伝統を伝える例祭として行われています。本殿・幣殿・拝殿は2018年(平成30年)3月27日に国の登録有形文化財に指定されており、江戸時代1818年建立・桁行七間×梁間三間・尾垂木付二手先組物の重厚な建築です(文化遺産オンライン)。

妙高高原温泉郷|燕温泉・赤倉温泉との関係

関温泉は、妙高高原温泉郷と総称される妙高山麓の温泉群の一角を占めます。妙高高原温泉郷は関温泉・燕温泉・赤倉温泉・池の平温泉・杉野沢温泉・新赤倉温泉・妙高温泉などで構成され、それぞれが独自の泉質・歴史・観光資源を持ちます。

温泉地 泉質 特徴
関温泉 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 本記事の主役。鉄分の赤湯・上杉謙信の隠し湯
燕温泉 単純硫黄泉(乳白色) 関温泉の隣接湯・1972年国民保養温泉地共同指定・黄金の湯/河原の湯野天風呂
赤倉温泉 含硫黄ナトリウム硫酸塩泉系 妙高高原最大の温泉地・明治期から栄えた高原リゾート
池の平温泉 硫酸塩泉系 いもり池近くの温泉・家族向けリゾート系
杉野沢温泉 単純温泉系 妙高山西麓の静かな温泉地

関温泉から燕温泉までは車で数分の至近距離(環境省PDF:関温泉→燕温泉 約3km)で、両湯を巡る湯めぐりも人気です。関温泉の赤湯(鉄分含有・赤褐色)と燕温泉の白濁湯(硫黄泉)を一日で体験することで、妙高山麓の地質的多様性を体感できます。1972年7月29日の国民保養温泉地指定は「関・燕温泉」として隣接2湯がセット指定されたもので、両温泉が地理的・歴史的に一体の温泉郷として認識されていることの裏付けです。

周辺文化財①|旧関山宝蔵院庭園(国指定名勝)

関温泉徒歩圏には、国指定の名勝・重要文化財・登録有形文化財がそれぞれ1件ずつ、計3件の文化財が集中しています。まず1件目は「旧関山宝蔵院庭園」です。

項目 内容
名称 旧関山宝蔵院庭園(きゅうせきやまほうぞういんていえん)
指定区分 国指定名勝(文化財保護法 第109条)
指定年月日 2013年(平成25年)3月27日(文部科学省告示第40号)
時代 中近世(妙高山修験道の拠点)
指定面積 約4,000m²
特徴 関山大権現別当寺院の池泉庭園・高さ5m滝石組と妙高山借景・他に類例なき景観構成
出典 文化遺産オンライン(285009)

旧関山宝蔵院庭園は妙高山修験道の聖地・関山大権現の別当寺院「宝蔵院」が江戸時代まで管理していた池泉庭園です。明治維新の神仏分離で宝蔵院は廃寺となりましたが、庭園のみが残存し、現在も高さ5mの滝石組と妙高山を借景に取り入れた景観構成は他に類例がないと文化遺産オンラインに記されています。関山神社の境内に隣接しており、関温泉宿泊の翌日散策に最適です。

周辺文化財②|銅造菩薩立像(重文)と関山神社本殿(登録有形)

関温泉徒歩圏の文化財2件目・3件目は、国指定重要文化財「銅造菩薩立像」国登録有形文化財「関山神社本殿・幣殿・拝殿」です。いずれも関山神社所蔵・所在で、関温泉宿泊の翌日に拝観可能です。

銅造菩薩立像(国指定重要文化財)

項目 内容
名称 銅造菩薩立像(どうぞうぼさつりゅうぞう)
指定区分 国指定重要文化財(文化財保護法 第27条)
指定年月日 2009年(平成21年)7月10日
所蔵 関山神社
製作 6世紀中期-後期 百済(朝鮮半島)製作と推定
特徴 新潟県最古の仏像・法隆寺金堂釈迦三尊像(623年)より古い説

関山神社 本殿・幣殿・拝殿(国登録有形文化財)

項目 内容
名称 関山神社 本殿・幣殿・拝殿
指定区分 国登録有形文化財(建造物)(文化財保護法 第57条)
指定年月日 2018年(平成30年)3月27日
建立 江戸時代 文政元年(1818年)
形式 桁行七間×梁間三間・尾垂木付二手先組物の重厚な建築
出典 文化遺産オンライン(436680)

「国指定重要文化財」(27条)・「国指定名勝」(109条)・「国登録有形文化財」(57条)は文化財保護法上の異なる制度区分です。関山神社境内には、これら3つの異なる制度区分の文化財が集中しており、関温泉宿泊の翌日に文化財3件を一度に拝観できる希有な立地となっています。

グルメ・名物|笹寿司・へぎそば・かんずり・新潟地酒

妙高市は新潟県南部に位置し、新潟の食文化を満喫できるエリアです。関温泉の旅館の夕食には、これらの地元食材を活かした和食コースが提供されることが多く、湯上がりに新潟の地酒と郷土料理を楽しむ贅沢な時間が待っています。

名物 内容
笹寿司 上杉謙信が川中島の戦いで兵糧として用意したと伝わる携帯食。鮭・鱒・山菜などを笹の葉で包む
へぎそば 新潟県魚沼地方発祥の独特なそば。布海苔(ふのり)をつなぎに使い、独特のコシが特徴
かんずり 妙高市の伝統発酵調味料。唐辛子+糀+柚子+食塩を雪にさらして発酵
新潟地酒 「君の井」(妙高市蔵元)・「鮎正宗」「八海山」「越乃寒梅」「久保田」など
妙高高原乳製品 高原の酪農を活かしたチーズ・ヨーグルト・牛乳

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よくある質問(FAQ)

Q. 関温泉はいつ開湯したのですか?
A. 一次史料で2説あります。『中頸城郡誌』(1941年)は享保12年(1727年)環境省「関・燕温泉国民保養温泉地計画書」(令和8年3月)は享保13年(1728年)と記録しており、本ガイドでは「1727年または1728年に公許開湯」と両論併記しています。伝承上は弘法大師(空海)による発見、戦国期は上杉謙信の隠し湯「関山の湯」として知られていました。

Q. 関温泉と「関山の湯」は同じですか?
A. はい、「関山の湯」は戦国時代から江戸期にかけての呼称で、現在の関温泉と同一の温泉地を指します。江戸番付『諸国温泉功能鑑』にも「越後関の山の湯」として登載されています。

Q. 関温泉の泉質と効能は?
A. 泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で源泉温度48.8℃。鉄分が空気酸化して赤褐色の「赤湯」になります。赤倉温泉観光協会は皮膚病・切り傷・神経痛・婦人病・冷え性・疲労回復の効能を紹介しています。

Q. 関温泉の宿は何軒ありますか?
A. 関温泉旅館組合に加盟する宿は10軒前後で、Wikipediaは11軒、新潟県旅館ホテル組合「よりなれえちご」掲載は6軒です。情報源で幅があるため、最新の宿一覧は楽天トラベル・じゃらんnet・公式組合サイトでご確認ください。

Q. 赤湯はどのくらい赤いですか?
A. 湧出時はほぼ無色透明ですが、湯船で空気に触れることで徐々に赤褐色に変色します。鉄分酸化による色合いで、写真で見ると赤錆色〜赤茶色に見えます。

Q. 冬期のアクセスで注意点は?
A. 県道396号(赤倉⇔関)は11月中旬〜5月下旬通行止めのため、冬期は県道39号経由が必須です。12月〜4月はスタッドレスタイヤ必須、大雪時は金属チェーン携行を推奨。一部宿は関山駅から無料送迎を実施(要予約)。

Q. 関温泉スキー場の特徴は?
A. 1917年(大正6年)開場の日本最古級スキー場。標高910〜1,190m・最大斜度45度・コース4本。レルヒ少佐が明治44年(1911年)に関温泉から妙高山スキー登山を成功させた事を契機に開場。日本有数の豪雪地帯で全自然雪、12月初旬〜5月中旬まで滑走可能です。

Q. 燕温泉とはどう違いますか?
A. 関温泉は鉄分含有のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(赤湯)、燕温泉は単純硫黄泉(乳白色)と泉質が対照的。両湯は車で約3km(環境省PDF)の至近距離で、1972年7月29日に国民保養温泉地として共同指定されました。

Q. 日帰り入浴はできますか?
A. 一部の宿で日帰り入浴を受け付けています。料金・時間は宿により異なるため、各宿に直接ご確認ください。隣接の燕温泉「黄金の湯」「河原の湯」は公衆野天風呂で無料開放(夏季のみ)。

Q. 周辺の文化財や観光スポットは?
A. 徒歩圏に国指定3件の文化財(旧関山宝蔵院庭園=名勝2013年指定/銅造菩薩立像=重文2009年指定/関山神社本殿等=登録有形2018年指定)が集中。さらに不動滝(大滝・約20m落差)、燕温泉(黄金の湯野天風呂)、妙高山・火打山登山口(日本百名山)など見どころ多数。

まとめ|越後の赤湯を訪ねる旅へ

関温泉は、江戸番付『諸国温泉功能鑑』東-前頭4段目「越後関の山の湯」に登載され、1727年(享保12年)または1728年(享保13年)の公許開湯から約300年の歴史を持つ妙高山東麓・標高900mの赤湯温泉地です。弘法大師伝承・上杉謙信の隠し湯・関山神社(708年創建)の妙高山修験道という3層の歴史を抱え、鉄分のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(48.8℃・全宿源泉100%かけ流し)を提供。1972年7月29日には燕温泉と共に国民保養温泉地(環境庁告示第11号)に指定され、1917年(大正6年)開場の日本最古級「関温泉スキー場」(標高910〜1,190m・最大斜度45度)と並ぶ通年型山岳リゾートです。

関温泉徒歩圏には国指定文化財が3件集中(旧関山宝蔵院庭園=名勝2013/銅造菩薩立像=重文2009/関山神社本殿等=登録有形2018)し、湯治宿の風情と修験道の聖地としての歴史を一度に体感できる希有な立地。北陸新幹線「上越妙高駅」から関山駅へ約15分+市営バス約28分車なら上信越自動車道「妙高高原IC」から約20分とアクセスも整っています。冬期は県道396号通行止・スタッドレス必須の注意点をクリアすれば、赤湯と日本最古級スキー場、文化財3件を一度に楽しめる旅が待っています。

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主要出典

  1. 環境省「関・燕温泉 国民保養温泉地計画書」令和8年3月
  2. 文化遺産オンライン「旧関山宝蔵院庭園」
  3. 文化遺産オンライン「関山神社本殿・幣殿・拝殿」
  4. 妙高市公式「旧関山宝蔵院庭園」
  5. 赤倉温泉観光協会「関温泉」
  6. 日本温泉協会「関・燕」国民保養温泉地
  7. 新潟県旅館ホテル組合「よりなれえちご」
  8. 温泉新選組「関温泉」
  9. 『中頸城郡誌』第四巻(1941年)

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