中宮温泉ガイド|江戸番付『加州白山の杦の湯』・霊峰白山の山岳秘湯

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石川県白山市中宮、霊峰白山の中腹・標高約700mの中ノ川渓谷沿いに、🔥江戸番付『諸国温泉功能鑑』西-前頭2段目「加州|白山の杦(すぎ)の湯」として登載された奈良時代1200年の霊泉、中宮温泉(なかのみやおんせん)があります。

奈良時代、白山開山の祖・泰澄大師が傷ついた白鳩が谷川で羽を癒す光景を目撃し、川底から湯が湧いていることを発見したと伝わる「鳩の湯」「鳩谷の湯」。1574年(天正2年)に初めて浴室が設けられ、1961年(昭和36年)4月1日には白山温泉郷として国民保養温泉地に指定された、白山修験道・加賀馬場禅定道沿いの歴史的な湯治場です。

しかし、現代の中宮温泉は稼働中の宿泊施設が「にしやま旅館」1軒のみという極小秘湯。湯宿くろゆりは斜面崩落の影響で休館中(再開未定)、隣接の岩間温泉も引湯管崩落で源泉停止中。さらに、🔥白山白川郷ホワイトロード石川県側無料区間は2025年11月25日〜2026年4月28日 10:00 完全閉鎖、にしやま旅館の営業期間も4月末〜11月下旬と、冬季はアクセス道路自体が閉鎖されるため宿泊不可。営業期間は1年のうち約7ヶ月限定という、典型的な「秘湯」要件を満たす温泉地です。

宿数は1軒に縮減しましたが、お湯の質と歴史的格式は健在です。ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(旧称:含重曹弱食塩泉)の自噴源泉が、61〜65℃で湧出し、湧出時は無色透明 → 空気に触れて酸化し黄褐色に変色する独自性、そして古来「胃腸の霊泉」「胃腸の名湯」として湯治客が集まる飲泉可能な湯です。

がやが一次史料と公式情報を読み解きながら、白山温泉郷全体ではなく「中宮温泉」に特化して、「江戸番付×秘湯×期間限定営業」の三位一体で本来の魅力を整理します。番付の段位、泰澄大師伝承、稼働宿1軒の現状、ホワイトロード冬季閉鎖、泉質の独自性まで、判断に必要な数字とリストで整理してお届けします。

執筆:がや

温泉番付に登載された全国の名湯を、一次史料と公式情報を突き合わせて紹介する温泉ライター。江戸期『諸国温泉功能鑑』に登載された名湯を中心に、開湯伝説・泉質・宿泊事情を実地と公式情報で検証して執筆中(中宮温泉は白山中腹の極小秘湯として、公式情報・一次史料を多角的に交差検証)。本記事はマザー記事「温泉番付(江戸時代)を今の温泉名にして地図に表記!」から派生した石川県の温泉地紹介記事で、江戸番付西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」の比定地としてまとめました。


🔍 この記事で分かること(読者ベネフィット一覧)

あなたの目的 読みどころ 結論の要点
行く価値があるか即判定したい 基本情報 稼働宿1軒・江戸番付西-前頭2段目・冬季閉鎖あり
最速で行きたい アクセス・施設情報 金沢駅から公共交通約2時間20分/白山IC車約100分
冬に行けるか アクセス・施設情報 行けません(11月下旬〜4月下旬は道路閉鎖・宿も休業)
1泊2日の旅程を組みたい モデル旅程 にしやま旅館+薬師の湯+白山ジオパーク
いつ行くべきか 四季の楽しみ方 営業期間は約7ヶ月(4月末〜11月下旬)
お湯の質を理解したい 泉質と効能 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉・湧出時無色→酸化で黄褐色
江戸番付の位置 江戸期温泉番付 西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」(自社p169+onsen360 2源クロス)
開湯伝承 奈良時代の開湯伝承 泰澄大師の白鳩発見譚・1200年の霊泉
稼働宿1軒の現状 現代の現状 にしやま旅館のみ・くろゆり休館中・岩間源泉停止中
周辺温泉地 関連温泉地 白山温泉郷11温泉地の構成と現況
老舗旅館に泊まりたい にしやま旅館 全7室・日本秘湯を守る会・1泊2食付17,750円〜
公的指定 白山国立公園と国民保養温泉地 1961年保養温泉地・1962年国立公園指定
「秘湯」の意味 「秘湯」の根拠 6要件すべて満たす典型的秘湯
自然・歴史を学びたい ビジターセンター 白山自然保護センター運営(夏季)
細かい疑問 よくある質問 10問即答(冬季閉鎖・湧出量幅・飲泉等)

結論を最短で知りたい方は、本ガイドの最後のまとめから逆引きでも構いません。


中宮温泉(石川県白山市)完全ガイド・江戸番付『加州 白山の杦の湯』西-前頭2段目・奈良時代1200年の霊泉
石川県白山市中宮・霊峰白山中腹の中ノ川渓谷沿いに湧く奈良時代1200年の霊泉。江戸番付『加州 白山の杦の湯』西-前頭2段目に登載された日本秘湯を守る会加盟の隠れ宿温泉

白山中腹の極小秘湯 ── 奈良時代1200年の霊泉・稼働宿1軒・期間限定営業

霊峰白山の主峰・御前峰から望む大汝峰と剣ヶ峰
霊峰白山の主峰・御前峰から望む大汝峰と剣ヶ峰。中宮温泉はこの白山中腹・標高約700mの中ノ川渓谷沿いに湧く奈良時代1200年の霊泉です(写真:ほっきー/CC0・Wikimedia Commons)

中宮温泉は、石川県白山市中宮の中ノ川渓谷沿い・標高約700mに位置する白山中腹の極小秘湯です。江戸番付『諸国温泉功能鑑』西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」に登載され、奈良時代の泰澄大師白鳩発見譚を伝える1200年の霊泉でありながら、現代は稼働宿1軒(にしやま旅館)・冬季完全閉鎖・営業期間約7ヶ月という、典型的な「秘湯」要件を満たす温泉地です。

霊峰白山の中腹・中ノ川渓谷沿いの杉林に旅館がぽつんと建つ「孤峰型」のため、温泉街と呼べる商店街・湯巡り回廊は無く、深山幽谷の趣が現代まで色濃く残ります。

以下、訪問判断のための4要素を整理します。

訪問判断のための4要素

観点 数値・状況 コメント
① 旅館組合加盟数 中宮温泉単独の旅館組合は存在せず、白山温泉郷(国民保養温泉地・1961年指定)の構成温泉地 稼働中の宿泊施設はにしやま旅館1軒のみ(湯宿くろゆりは休館中・薬師の湯は共同浴場のみ)
② 地理 石川県白山市中宮・標高約700m・中ノ川渓谷沿い・白山国立公園内(1962年指定) 霊峰白山の中腹・加賀馬場禅定道沿いの修験道の地
③ 宿の多様性 宿泊1軒+共同浴場1軒+休館中1軒 1泊2食付17,750円〜19,950円・客室7室・全室トイレ付(露天風呂付なし)
④ 温泉街の規模感 温泉街・商店街・湯巡り回廊なし 中ノ川渓谷の杉林に旅館がぽつんと建つ「孤峰型」

🔥 営業期間と冬季完全閉鎖(最重要)

⚠ 中宮温泉は冬季完全閉鎖・営業期間限定の秘湯です

  • にしやま旅館の営業期間:4月末〜11月下旬(冬季休業)
  • 白山白川郷ホワイトロード本線(中宮料金所〜馬狩料金所):2025年11月11日〜2026年6月中旬予定 冬期閉鎖
  • 石川県側無料区間(尾添〜中宮料金所=中宮温泉まで):2025年11月25日〜2026年4月28日 10:00 完全閉鎖
  • 冬季はアクセス道路自体が閉鎖されるため、宿泊・日帰り入浴ともに不可

→ 2026年4月28日 10:00 に石川県側無料区間(中宮温泉まで)開通済。本線(岐阜方面通り抜け)は2026年6月中旬予定。

規模感 ── 数字で見る中宮温泉

指標 数値 出典
江戸番付登載位置 西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」 自社既存記事p169onsen360の2源クロス
標高 約700m Wikipedia・複数公式
主泉質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(旧称:含重曹弱食塩泉) Wikipedia・日本秘湯を守る会・にしやま旅館公式
源泉温度 61〜65℃(入浴43℃調整) Wikipedia 61℃/にしやま旅館 65℃
湧出量 30L〜130L/分(資料により幅あり) Wikipedia 130L/分自噴/日本秘湯を守る会 30L/分
開湯(伝承) 奈良時代(泰澄大師白鳩発見譚) にしやま旅館公式・くろゆり公式・Wikipedia・ほっと石川
公式浴場化 1574年(天正2年) Wikipedia
国民保養温泉地指定 1961年4月1日(白山温泉郷として) Wikipedia・環境省
白山国立公園指定 1962年11月12日 白山自然保護センター
稼働宿泊施設数 1軒(にしやま旅館) にしやま旅館公式
営業期間 4月末〜11月下旬(冬季休業) にしやま旅館公式・日本秘湯を守る会
客室数(にしやま旅館) 全7室 にしやま旅館公式
加盟団体 日本秘湯を守る会(providerId 652) 日本秘湯を守る会
湯色 湧出時無色透明 → 酸化により黄褐色 Wikipedia・Tripadvisor
飲泉 可(宿の指示・分析書に従う) にしやま旅館公式・くろゆり公式

🎯 数字で見るポイント:江戸番付西-前頭2段目という格式と、現代の稼働宿1軒・冬季完全閉鎖・営業期間約7ヶ月という秘湯要件のギャップが、中宮温泉の最大の独自性。湧出量は資料により30〜130L/分と幅があり(更新時期や対象源泉が不明)、誠実に両論併記しています。

引用ボックス(江戸期番付)

西方|前頭二段目|加州|白山の杦の湯
── 『諸国温泉功能鑑』鳥瞰図形式(文化9-14年/1812-1817年成立・弘化2年/1845年改訂版/嘉永4年/1851年再版)

⚠ 「724年(神亀元年)」開湯表記について

ネット上で「中宮温泉は724年(神亀元年)開湯」という表記が散見されますが、本記事執筆時点(2026年5月)で「724年」を明記する一次史料は確認できておりません。複数公式(にしやま旅館・くろゆり・Wikipedia・ほっと石川旅ねっと)はいずれも「奈良時代の末」「奈良時代」「1200年以上」「泰澄大師伝承」と記述するにとどまります。

泰澄大師の白山開山は養老元年(717年)が定説(Wikipedia 泰澄)。724年は神亀元年で泰澄の活動期(682-767年)と整合するため伝承上は矛盾なしですが、本記事では誠実に「奈良時代の伝承」と表現します。


アクセス・施設情報(冬季完全閉鎖期間あり)

金沢駅から公共交通で約2時間20分、白山ICから車で約80〜100分。ただし、冬季(11月下旬〜4月下旬)はアクセス道路自体が閉鎖されます

項目 内容
住所 石川県白山市中宮(〒920-2324)/にしやま旅館:石川県白山市中宮
電話 にしやま旅館:076-256-7219
最寄駅 JR金沢駅/北陸鉄道石川線 鶴来駅(バス乗継)
バス 鶴来駅→北鉄白山バス「瀬女行き」で瀬女下車(約42分)→宿の無料送迎(要事前予約)
駐車場 にしやま旅館:あり(無料)
標高 約700m

🚉 4ハブ・マルチハブアクセス経路図


中宮温泉 アクセス経路図(東京・大阪・金沢駅の3ハブ)中宮温泉 アクセス経路図(東京・大阪・金沢駅の3ハブ)東京駅大阪駅金沢駅🚄 北陸新幹線かがやき約2時間30分🚄 特急サンダーバード約2時間40分🚆 北陸鉄道石川線約30分🚌 北鉄バス約42分🚐 旅館の無料送迎要事前予約合計:金沢駅から約2時間20分(北陸鉄道+北鉄バス+旅館送迎)/車:北陸自動車道「白山IC」→国道157号で約80分夏季のみ:白川郷→白山白川郷ホワイトロード経由で約50分(6月中旬〜11月10日頃)⚠ 冬期閉鎖期間あり:石川県側無料区間(尾添〜中宮温泉)2025/11/25〜2026/4/28まで通行止め本線(中宮料金所〜馬狩料金所)は2025/11/11〜2026/6月中旬まで閉鎖/積雪期は旅館も営業休止=宿泊不可

図:金沢駅・白山IC・白川郷・小松空港の4ハブから、北陸鉄道+北鉄白山バス+宿の無料送迎、または車(白山IC・ホワイトロード)で中宮温泉へ。冬季はアクセス道路閉鎖のためアクセス不可。

🚖 4ハブ別 所要時間・料金比較表

ハブ 推奨ルート 所要時間 料金(片道・大人) 通年/季節
金沢駅 北鉄電車(鶴来)→北鉄白山バス(瀬女)→宿送迎 約2時間20分 約 1,500〜2,000円+送迎 冬季不可
白山IC 車(国道157号南下) 約80〜100分 冬季不可
白川郷 車(白山白川郷ホワイトロード経由) 約50分 ホワイトロード通行料 6月中旬〜11月10日のみ
小松空港 車(白山IC経由)or レンタカー 約110分 冬季不可

🔥 白山白川郷ホワイトロード 冬季閉鎖詳細(2025-2026シーズン)

区分 区間 冬季閉鎖期間
有料区間(本線) 中宮料金所〜馬狩料金所 2025年11月11日〜2026年6月中旬予定
石川県側無料区間 白山市尾添〜中宮料金所(中宮温泉まで) 2025年11月25日〜2026年4月28日 10:00
岐阜県側無料区間 トヨタ自然学校まで 通年通行可

2026年4月28日(火)10:00 に石川県側無料区間(中宮温泉まで)開通済
本線(岐阜方面通り抜け)は2026年6月中旬予定
冬季(12月〜4月)は中宮温泉までの道路自体が閉鎖=にしやま旅館も冬季休業(11月下旬〜4月下旬)と完全連動。

出典:白山白川郷ホワイトロード 冬期閉鎖のお知らせ

公共交通アクセス(鶴来駅→瀬女→宿の無料送迎)

  1. JR金沢駅 → 北陸本線 → 西金沢駅
  2. 北陸鉄道石川線 新西金沢駅鶴来駅(約30分)
  3. 鶴来駅から北鉄白山バス「瀬女行き」乗車 → 瀬女下車(約42分)
  4. 瀬女からにしやま旅館の無料送迎(要事前予約)

参考時刻(瀬女→鶴来駅方面・複数便):06:30→07:12、07:26→08:10、08:30→09:12(駅探)。便数が少ないため、事前に最新の時刻表を必ず確認してください

用途別チェックリスト

  • 公共交通利用 → 金沢駅から鶴来→瀬女→宿の無料送迎(約2時間20分)
  • 車利用(北陸方面から) → 白山ICから国道157号南下 約80〜100分
  • 白川郷とセット → ホワイトロード経由 約50分(6月中旬〜11月10日のみ
  • 小松空港から → レンタカーで白山IC経由 約110分

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アクセスが確認できたら、宿の空室・料金もチェック。江戸番付「西-前頭2段目」・日本秘湯を守る会加盟のにしやま旅館です。冬季は休業期間(11月下旬〜4月下旬)にご注意ください

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1泊2日モデル旅程と周辺観光

白山中腹の渓谷を彩る秋のススキと色づく山肌
白山国立公園・中腹の渓谷を彩る秋のススキと色づく山肌。中宮温泉周辺は白山白川郷ホワイトロードや白山連峰の自然景観が広がります(写真:Alexey Komarov/CC BY 4.0・Wikimedia Commons)

中宮温泉単独では宿でゆっくり過ごす1泊2日コースが基本ですが、白山ジオパーク・白山自然保護センター・薬師の湯などを組み合わせると、白山中腹の自然と文化を深く味わえます。

モデル旅程:1泊2日 ── 白鳩伝説の薬師の湯と霊峰白山を巡る

時刻 行動 場所 滞在時間
1日目 09:00 金沢駅発(北陸鉄道石川線 新西金沢→鶴来駅) 30分
09:50 鶴来駅着・北鉄白山バス「瀬女行き」乗車 42分
11:00 瀬女下車・にしやま旅館の無料送迎で中宮温泉へ 30分
11:30 中宮温泉ビジターセンター(夏季)で白山ジオパーク情報インプット 30分
13:00 にしやま旅館チェックイン → 内湯「御前の湯」 旅館 90分
14:30 共同浴場「薬師の湯(露天)」(500円・冬季休業) にしやま管理 60分
16:30 杉林の中の散策(足湯あり) 中ノ川渓谷沿い 60分
18:30 夕食(山菜・川魚・きのこ等「白山の山のもん」郷土料理) 旅館 90分
21:00 内湯「女汝の湯」/飲泉 旅館 60分
22:00 就寝
2日目 07:00 朝湯(露天)→ 白山ブナ林を望む 60分
08:00 朝食 旅館 60分
09:30 チェックアウト → 白山白川郷ホワイトロード経由で白川郷へ(6/中旬〜11/10のみ 50分
12:00 白川郷散策または金沢ランチ 90分
13:00 帰路

周辺観光詳細(白山温泉郷・国民保養温泉地)

スポット 見学料 所要 文化財/公的指定
薬師の湯(共同浴場・露天) 500円(冬季休業・10:30〜14:30) 60分 にしやま旅館管理(2017年8月開設・2021年「温泉床」設置)
中宮温泉ビジターセンター 無料(夏季のみ) 30分 白山自然保護センター運営
白山白川郷ホワイトロード 通行料あり(軽・普通車3,400円) 通り抜け約60分 国道360号バイパス・6月中旬〜11月10日のみ通行可
白山ジオパーク(白山手取川ジオパーク) 無料 30分〜 2023年UNESCOグローバルジオパーク認定(要再確認)
新岩間温泉 標高800m・一軒宿・山道アクセス

ジオパーク制度の位置づけ:白山手取川ジオパークは、文化財保護法でも自然公園法でもない第三のフレームワーク。「文化財」と混同しないこと。


四季の楽しみ方(営業期間は約7ヶ月)

10月下旬、白山連峰を染める紅葉
10月下旬、白山連峰を染める紅葉。中宮温泉の営業期間(春〜晩秋の約7ヶ月)は四季折々の山岳景観が楽しめます(写真:Alexey Komarov/CC BY 4.0・Wikimedia Commons)

中宮温泉は4月末〜11月下旬の約7ヶ月しか営業していません。冬季(12月〜4月)はアクセス道路自体が閉鎖されるため、季節カレンダーに沿った計画が必須です。

季節 見どころ 一言
春(4-5月) ホワイトロード石川県側 4月28日 10:00 開通・残雪と新緑のコントラスト・山菜の旬 営業再開直後で最も静か
夏(6-8月) ホワイトロード本線開通(6月中旬〜)・標高700mの避暑・川魚と渓流 白川郷との周遊が可能
秋(9-11月) 霊峰白山の紅葉(10月中旬〜11月上旬)・きのこの旬・ブナ林の黄葉 紅葉期は予約困難・最繁忙期
冬(12-3月) 冬季完全閉鎖(11月25日〜4月28日)・宿泊不可 アクセス道路自体が閉鎖

営業カレンダーの目安

  • 4月28日 10:00 石川県側無料区間(中宮温泉まで)開通/にしやま旅館 営業再開(4月末頃)
  • 6月中旬 ホワイトロード本線開通・白川郷へ通り抜け可能に
  • 10月中旬〜11月上旬 霊峰白山の紅葉ピーク
  • 11月10日頃 ホワイトロード本線 冬期閉鎖開始
  • 11月下旬 にしやま旅館 冬期休業/11月25日 石川県側無料区間 完全閉鎖
  • 12月〜4月 完全休業期間

訪問計画は5月の連休明け・8月の避暑・10月の紅葉期の3ピークを狙うのが定石です。

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霊峰白山の紅葉・標高700mの避暑・山菜と川魚の郷土料理。営業期間が約7ヶ月限定の希少な秘湯を、にしやま旅館で。

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ふるさと納税で中宮温泉エリアを応援する

白山市は楽天ふるさと納税・さとふる等で「白山温泉郷」を含む宿泊券・体験返礼品を提供しています。江戸番付西-前頭2段目「白山の杦の湯」と泰澄大師の霊泉を守る白山市の温泉文化を、ふるさと納税で応援できます。返礼品は時期により変動します。



泉質と効能 ── ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉・湧出量30〜130L/分

中宮温泉の泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(旧称:含重曹弱食塩泉)で、低張性中性高温泉に分類されます。自然湧出・天然掛け流しで、湧出時は無色透明、空気接触により酸化して黄褐色に変色するのが大きな視覚的特徴です。

地区基本データ(公式・複数源クロス)

項目 数値 出典
泉質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)/旧称:含重曹弱食塩泉 Wikipedia日本秘湯を守る会にしやま旅館公式
源泉温度 61〜65℃(入浴43℃調整) Wikipedia 61℃/にしやま旅館 65℃
湧出量 30L〜130L/分(資料により幅あり) Wikipedia 130L/分自噴/日本秘湯を守る会 30L/分
pH 中性 Wikipedia
湯色 湧出時無色透明 → 酸化により黄褐色 Wikipedia/Tripadvisor
飲泉 (宿の指示・分析書に従う) にしやま旅館公式/湯宿くろゆり公式

湧出量に資料間で大きな差(Wikipedia「130L/分自噴」 vs 日本秘湯を守る会「30L/分」)があります。情報源の更新時期・対象(旧源泉/新源泉)が不明のため、本記事では両論併記としています。最新の正確な数値は、にしやま旅館に直接お問い合わせください。

施設別 加水・加温・循環・消毒の処理一覧

施設 源泉 泉温 加水 加温 循環 消毒
にしやま旅館(内湯・露天) 中宮温泉源泉(自噴) 61〜65℃(入浴43℃調整) △(高温対策) × × × 掛け流し
薬師の湯(共同浴場・露天) 同源泉系統 同上 △(高温対策) × × × 掛け流し

→ いずれも自然湧出・天然掛け流し。高温源泉のため水で温度調整する場合はありますが、加温・循環・消毒は基本なしの本格的な掛け流し湯です。

効能(療養泉適応症・薬機法注意)

浴用適応症(複数公式の共通)

  • 胃腸機能低下(古来「胃腸の名湯」「胃腸の霊泉」と称される)
  • 神経痛・筋肉痛・関節痛
  • 冷え性/きりきず/末梢循環障害
  • 皮膚乾燥症・美肌
  • うつ状態

飲用適応症(にしやま旅館公式・くろゆり公式)

  • 胃腸病・糖尿病・痛風・肝臓病

飲泉は施設の指示・分析書に従ってください。本記事の記述は「療養泉適応症として一般的に〜とされる」「期待できる」表現であり、医療効果を断定するものではありません

湯の特徴(独自性ポイント)

  • 湧出当初は無色透明、空気接触により酸化して黄褐色に変色:肉眼で確認できる視覚的独自性(Wikipedia・Tripadvisor)
  • とろみのある湯(湯触り)
  • 自然湧出・天然掛け流し:にしやま旅館・薬師の湯ともに本格的な掛け流し方式
  • 飲泉可能:古来「胃腸の霊泉」として湯治客が集まる伝統

共同浴場「薬師の湯(露天)」の概要

  • 中宮温泉と同源泉系統・にしやま旅館管理
  • 2017年8月開設・500円・冬季休業
  • 2021年に男湯に無料「温泉床(温泉蒸気で温まる設備)」設置北陸中日新聞
  • 営業時間:10:30〜14:30

📢 「胃腸の霊泉」中宮温泉源泉を体験できる宿

ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉の自噴源泉を飲泉でき、湧出時無色透明→酸化で黄褐色に変色する独自性。にしやま旅館で「胃腸の霊泉」を体感してください。

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歴史と伝承 ── 泰澄大師の開湯から江戸の温泉番付まで

中宮温泉の歴史は、奈良時代に白山開山の祖・泰澄大師が傷ついた白鳩を見て発見したという開湯伝承に始まり、江戸時代には温泉番付『諸国温泉功能鑑西-前頭2段目「加州|白山の杦(すぎ)の湯」として登載されるまで、1200年にわたり霊峰白山の霊泉として歩んできました。ここでは開湯から江戸番付までを時系列でたどります。

開湯伝承 ── 奈良時代・泰澄大師・白鳩発見譚

中宮温泉の歴史を語るうえで最も重要なのが、奈良時代に白山開山の祖・泰澄大師が傷ついた白鳩を見て発見したという開湯伝承です。これにより中宮温泉は「鳩の湯」「鳩谷の湯」「胃腸の霊泉」として古来霊性を帯びた湯治場となりました。

出典 開湯年表記 伝承内容
にしやま旅館公式 「はるか千三百余年前の奈良時代の末」 白山の開祖・泰澄大師が、傷ついた白鳩が谷川で羽を癒す光景を目撃し、川底から湯が湧いていることを発見
湯宿くろゆり公式 「遠く奈良時代」 白山を開いたといわれる泰澄大師が、白鳩が憩うのを見て湯のあるのを発見
Wikipedia「中宮温泉」 「開湯から1200年の歴史」 白山開山の祖・泰澄大師が、傷ついた白鳩を見て発見(奈良時代)
ほっと石川旅ねっと 「奈良時代」 同上

共通項:奈良時代・泰澄大師・白鳩発見譚。なお、ネット上で散見される「724年(神亀元年)開湯」という表記は、本記事執筆時点で「724年」を明記する一次史料が確認できておりません。複数公式は「奈良時代の末」「1200年以上」と記述するにとどまります。ただし、泰澄大師の白山開山は養老元年(717年)が定説であり、724年は神亀元年で泰澄の活動期(682-767年)と矛盾しないため伝承上は整合します。本記事では誠実に「奈良時代の伝承」と両論併記する立場を取ります。

泰澄大師(白山開山の祖)の背景

  • 泰澄(682年7月20日 – 767年4月20日):奈良時代の修験道の僧・加賀国出身
  • 養老元年(717年):白山主峰御前峰に登り、緑碧池から十一面観音の垂迹・九頭龍王(白山明神・妙理大菩薩)を感得 → 白山修験場開創
  • 同717年に平泉寺(越前馬場)建立
  • 三馬場:加賀=白山比咩神社/越前=平泉寺白山神社/美濃=長瀧白山神社
  • 中宮温泉は加賀馬場の禅定道沿いに位置する「白山禅定道の中継地」的存在

泰澄大師の白山開山伝承は、養老元年(717年)の御前峰登拝・妙理大菩薩感得が中核です。平泉寺(越前馬場)・白山比咩神社(加賀馬場)・長瀧白山神社(美濃馬場)の三馬場体制を確立し、日本三霊山の一つ「白山」の修験道を体系化しました。中宮温泉の白鳩発見譚は加賀馬場禅定道沿いの逸話として位置づけられ、「鳩の湯」「鳩谷の湯」の古称、「胃腸の霊泉」の宗教的呼称はすべてこの泰澄伝承に連なります。詳細は石川県白山自然保護センター 白山の自然誌44(PDF)等を参照してください。

歴史年表(確認できた一次・準一次情報)

出来事 出典
奈良時代(伝) 泰澄大師により発見 にしやま旅館公式・くろゆり公式・Wikipedia
717年(養老元年) 泰澄、白山御前峰登拝(背景) Wikipedia 泰澄
1574年(天正2年) 初めて浴室が設けられる(公式浴場化) Wikipedia
1961年(昭和36年)4月1日 「白山温泉郷」として国民保養温泉地指定 Wikipedia・環境省
1962年(昭和37年)11月12日 白山国立公園指定 白山自然保護センター
2017年8月 共同浴場「薬師の湯(露天)」開設 ゆる~と
2021年 男湯に無料「温泉床」設置 北陸中日新聞
2020年・2022年 地滑り発生 → くろゆり休館の遠因 Wikipedia

別称・通称

  • 「鳩の湯」「鳩谷の湯」:白鳩発見譚に由来する古称(onsen360)
  • 「胃腸の湯」「胃腸の名湯」:効能に由来する近現代の通称
  • 「霊泉」「胃腸の霊泉」:泰澄大師霊感由来の宗教的呼称(複数公式)

江戸期温泉番付『諸国温泉功能鑑』── 西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」

中宮温泉は、江戸時代の温泉番付の代表格『諸国温泉功能鑑』に西-前頭2段目「加州|白山の杦(すぎ)の湯」として登載されました。これは加賀国(現・石川県)からの西方ランクインのなかでも高位の評価です。原版は文化9〜14年(1812-1817年)鳥瞰図形式で京都成立。弘化2年(1845年)改訂版(鳥瞰図形式・31×49cm)、嘉永4年(1851年)ほか複数回再刻されました。

段位 表記 比定地
西-前頭2段目 加州|白山の杦の湯 中宮温泉(本記事)

「杦」は「杉」の異体字=読み「すぎ」。「白山の杦の湯」=霊峰白山の杉湯。中宮温泉は中ノ川渓谷沿いの杉林に囲まれた湯場で、地形と号名が完全に整合します。比定根拠は次の2源クロスです。

出典 表記 段位
自社既存記事 p169( 弘化2年/1845年改訂版『諸国温泉鑑』ベース) 「加州|白山の杦の湯」 西-前頭2段目
onsen360(1851年版『諸国温泉功能鑑』ベース) 「加州|白山の杦の湯」 西-前頭2段目

2源で完全一致。「白山の杦の湯=石川県中宮温泉」の比定は確度高です。

「白山の杦の湯」の地理的解釈

「白山の杦の湯」という号名は、地名(中宮)よりも地形(霊峰白山中腹の杉林の湯)を強調しています。これは江戸期の番付制作者が、中宮温泉を「白山という霊峰の山懐に湧く杉の湯」として霊性とともに評価したことを示唆します。

実際、中宮温泉は加賀馬場禅定道沿い・白山修験道の重要拠点であり、泰澄大師の白鳩発見譚に始まる宗教的な「霊泉」として古来扱われてきました。番付の号名がこの宗教的・地理的特徴を凝縮した表現になっているわけです。


現代の現状 ── 稼働宿はにしやま旅館1軒のみ・湯宿くろゆり休館中

中宮温泉の現代(2026年5月時点)の最重要事実は、稼働中の宿泊施設が「にしやま旅館」1軒のみであることです。湯宿くろゆりは斜面崩落の影響により休館中(再開未定)、隣接の岩間温泉も引湯管崩落により源泉停止中、という厳しい状況にあります。

現存宿一覧(2026年5月時点)

施設名 営業状況 タイプ 客室数 冬季営業 加盟団体
にしやま旅館 営業中(期間限定) 旅館・宿泊 7室 休業(11月下旬〜4月下旬) 日本秘湯を守る会・日本温泉協会
湯宿くろゆり 休館中(再開未定) 旅館・宿泊 不明 休業 (休館中)
薬師の湯(共同浴場・露天) 営業中(期間限定) 立ち寄り湯のみ 冬季休業 にしやま旅館管理

湯宿くろゆり 休館の経緯

  • 休館理由:「白山白川郷ホワイトロード斜面崩落の影響により休業中」(うらら白山人
  • 「岩山に囲まれた急峻な地形に立地。昨年から建物周辺で地滑り対策工事。今シーズンは駐車場上・進入路上の対策工事予定。営業再開の目途立たず
  • 2020年・2022年の地滑り発生がくろゆり休館の遠因(Wikipedia)

公式メッセージ引用ボックス

現在、当館は休館中です。宿泊予約、お問合せは受け付けて居りません。
── 湯宿くろゆり公式

中宮温泉以外の関連施設

  • 新中宮温泉センター:白山市営の日帰り温泉施設(中宮温泉とは別源泉系統・うらら白山人)。混同注意
  • 中宮温泉ビジターセンター:白山自然保護センター運営の情報拠点(夏季)
  • 岩間温泉 山崎旅館引湯管崩落により源泉停止中・営業休止
  • 新岩間温泉:一里野からさらに山道・一軒宿

湯宿くろゆり休館・斜面崩落工事の経緯(時系列)

湯宿くろゆりは、ホワイトロード斜面崩落および2020年・2022年の地滑り発生により、進入路と建物周辺の安全性が脅かされた。岩山に囲まれた急峻な地形に立地するため、地滑り対策工事を継続中。駐車場上・進入路上の対策工事も予定されており、営業再開の目途は立っていない。公式サイト(spa-kuroyuri.jp)は「休館中。宿泊予約、お問合せは受け付けて居りません」とアナウンス。中宮温泉を訪問する場合、宿泊は実質的に「にしやま旅館」一択となる。再開時期の最新情報は、にしやま旅館または白山市観光協会への直接問い合わせを推奨。


関連温泉地 ── 岩間温泉・新岩間温泉・一里野温泉と白山温泉郷

中宮温泉は、1961年4月1日に「白山温泉郷」として国民保養温泉地に指定された複数温泉地のひとつです。隣接する岩間温泉・新岩間温泉・一里野温泉の現況とあわせて、白山温泉郷全体を整理します。

白山温泉郷の構成(白山市公式分類「山と雪のエリア」)

温泉地 位置 標高 現況
中宮温泉(本記事) 中ノ川渓谷沿い・白山国立公園内 約700m にしやま旅館営業中
新岩間温泉 中宮の上流・中ノ川支流 約800m 一軒宿・山道アクセス
岩間温泉(山崎旅館) 中宮との分岐から右折 源泉停止中(引湯管崩落)
一里野温泉 より平地側・スキー場併設 通年営業可
白峰温泉 別エリア 通年営業可
白山温泉 別エリア 通年営業可
白山比咩の湯温泉 別エリア 通年営業可
新中宮温泉(白山市営) 中宮温泉とは別源泉系統・日帰り

中宮温泉は「山と雪のエリア」の代表的秘湯。一里野温泉は通年営業可で、冬季の代替訪問先として組み合わせ可能。

隣接温泉の最新状況

  • 岩間温泉 山崎旅館引湯管崩落により源泉停止中・営業休止(うらら白山人)
  • 新岩間温泉:標高800m・中ノ川沿い・一軒宿(日本温泉協会)。山道アクセス
  • 新中宮温泉センター:白山市営の日帰り温泉施設(中宮温泉とは別源泉系統・うらら白山人)

白山温泉郷の3エリア分類(白山市公式)

山と雪のエリア

白山比咩の湯温泉/新中宮温泉/一里野温泉/中宮温泉/岩間温泉/白峰温泉/白山温泉

川と峡谷のエリア

めおと岩温泉/手取温泉/大門温泉/千丈温泉/白山里温泉

海と扇状地のエリア

松任温泉/美川温泉

→ 中宮温泉単体ではアクセスや営業期間に制約があるため、通年営業可能な一里野温泉や、平地側の温泉地と組み合わせることで、白山温泉郷全体を年間を通じて楽しむことができます。

白山温泉郷11温泉地の総合解説(山と雪/川と峡谷/海と扇状地)

白山市公式が分類する白山温泉郷は、白山市全域を3つの地理エリアに分けて構成されている。「山と雪のエリア」は中宮温泉を含む白山中腹の秘湯群で、多くが冬季閉鎖や季節限定営業。「川と峡谷のエリア」は手取川流域の通年営業温泉地。「海と扇状地のエリア」は日本海側の松任・美川温泉で、平地のため通年訪問可。中宮温泉を訪問する際に、季節やアクセス条件に応じて、他エリアの温泉地と組み合わせるのが定石。たとえば冬季は中宮温泉に行けないため、平地の白山比咩の湯温泉や松任温泉、または隣接県の能登温泉郷を代替訪問先として計画する組み立てが有効。詳細はうらら白山人「白山温泉郷の魅力」を参照。


にしやま旅館 ── 稼働宿1軒・日本秘湯を守る会加盟・全7室の湯治宿

中宮温泉の現存唯一の宿泊施設が「にしやま旅館」です。日本秘湯を守る会加盟(providerId 652)・全7室の小規模旅館で、自家源泉の掛け流し湯と「白山の山のもん」郷土料理を提供する湯治宿スタイル。

三段の歴史

出来事
奈良時代(伝) 泰澄大師により中宮温泉発見
1574年(天正2年) 初めて浴室が設けられる
近現代 にしやま旅館として現代まで継承
2017年8月 共同浴場「薬師の湯(露天)」開設(にしやま旅館管理)
2021年 男湯に無料「温泉床」設置(北陸中日新聞)

施設詳細

項目 内容
正式名称 中宮温泉 にしやま旅館
所在地 石川県白山市中宮(〒920-2324)
電話 076-256-7219
客室数 全7室(全室トイレ付・露天風呂付なし)
料金 1泊2食付 17,750円〜19,950円(公式・日本秘湯を守る会)
日帰り入浴 大人700円・子供400円(10:30〜14:30)
営業期間 4月末〜11月下旬(冬季休業)
加盟 日本秘湯を守る会(providerId 652・スタンプ制度対象)・日本温泉協会
浴室 男湯「御前の湯」・女湯「女汝の湯」(木造の浴室・男女別内湯と露天)
食事 「白山の山のもん」郷土料理(山菜・川魚・きのこ等)
送迎 要事前相談で瀬女まで送迎あり
飲泉 可(宿の指示・分析書に従う)
公式URL nishiyamaryokan.jp

訴求軸

  1. 稼働宿1軒・極小秘湯のシンボル:白山中腹の標高700m・全7室の湯治宿
  2. 日本秘湯を守る会加盟=スタンプ制度対象:全国ネットでの集客・10軒で1泊2食招待
  3. 泰澄大師の白鳩発見譚を継承する旅館:1200年の霊泉を現代に伝える唯一の宿

共同浴場「薬師の湯(露天)」

  • 中宮温泉と同源泉系統・にしやま旅館管理
  • 2017年8月開設・大人500円・冬季休業
  • 2021年に男湯に無料「温泉床(温泉蒸気で温まる設備)」設置北陸中日新聞
  • 営業時間:10:30〜14:30
  • 薬師」は薬師如来=病気平癒の仏。湯治信仰と仏教の融合を象徴

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日本秘湯を守る会加盟・全7室の湯治宿・自家源泉の掛け流し・「白山の山のもん」郷土料理。江戸番付西-前頭2段目に登載された1200年の霊泉を体験してください。

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白山国立公園と国民保養温泉地 ── 1961年指定の白山温泉郷

中宮温泉は、公的指定の文脈で「白山国立公園」内・「国民保養温泉地」白山温泉郷という二重の公的位置づけを持ちます。それぞれ別制度ですので、明確に区別して整理します。

文化的・公的位置づけ

制度 該当 指定日/根拠
白山国立公園 1962年(昭和37年)11月12日指定(白山自然保護センター)
国民保養温泉地(白山温泉郷) 1961年(昭和36年)4月1日指定(Wikipedia・環境省)
白山手取川ジオパーク 2023年UNESCOグローバルジオパーク認定(要再確認)
国指定重要文化財 (中宮温泉自体には公的指定なし)

中宮温泉は白山国立公園内に立地し、加賀馬場禅定道沿いの白山修験道の中継地として、修験者・湯治客の重要拠点でした。

国民保養温泉地制度

  • 国民保養温泉地環境省告示による指定(国立公園や文化財保護法とは別の制度
  • 温泉法第14条に基づく
  • 1954年(昭和29年)制度創設・白山温泉郷は1961年4月1日に指定された比較的早い時期の指定地
  • 環境省「白山温泉郷国民保養温泉地計画」(平成30年8月改訂)が現行計画

白山修験道の三馬場

馬場 中心寺社
加賀馬場 白山比咩神社中宮温泉はこの加賀馬場禅定道沿い
越前馬場 平泉寺白山神社(716年泰澄建立)
美濃馬場 長瀧白山神社

→ 中宮温泉は加賀馬場の禅定道沿いの重要拠点として、奈良〜平安期から白山修験者・湯治客が集まる聖地でした。

白山手取川ジオパーク(要再検証)

  • 白山市全域がジオパークエリア
  • 2023年UNESCOグローバルジオパーク認定(情報整理レベル・本記事執筆時点で再検証推奨)
  • 中宮温泉エリアは「霊峰白山」「白山火山」関連ジオサイトとして位置付け可能
  • ジオパーク制度は文化財保護法でも自然公園法でもない第三のフレームワーク。「ジオサイト」と明記して文化財制度と峻別

「秘湯」の根拠 ── 日本秘湯を守る会加盟・標高700m・冬季完全閉鎖

中宮温泉は、温泉ファンの間で「秘湯」と称される温泉地です。その根拠を6要件で整理します。

「秘湯」要件の整理

中宮温泉は以下の点で「典型的な秘湯」要件を満たします:

# 要件 中宮温泉の該当
1 日本秘湯を守る会加盟 ✓ にしやま旅館(providerId 652)
2 標高約700m ✓ 白山中腹・中ノ川渓谷沿い
3 冬季完全閉鎖 ✓ 11月下旬〜4月下旬(アクセス道路自体が閉鎖)
4 稼働宿1軒 ✓ にしやま旅館のみ(湯宿くろゆりは休館中)
5 江戸期番付前頭2段目 ✓ 「加州 白山の杦の湯」(自社p169+onsen360)
6 飲泉可・自然湧出掛け流し ✓ 「胃腸の霊泉」・湯治場の本流

→ 6要件すべて満たす典型的な秘湯です。

日本秘湯を守る会・スタンプ制度

  • 日本秘湯を守る会:1975年(昭和50年)設立
  • 加盟旅館に「日本秘湯を守る会」提灯が掲げられる
  • スタンプ帳制度:10軒のスタンプを集めると1泊2食招待
  • にしやま旅館はProviderID 652で加盟確認済

「秘湯」と「観光温泉地」の違い

観点 中宮温泉(秘湯型) 観光温泉地(草津・別府等)
宿数 1軒 数十〜数百軒
アクセス 冬季閉鎖 通年可
商店街 なし あり
文化 湯治・修験道 観光・娯楽
営業期間 約7ヶ月 通年

「秘湯を探す旅」を志向する読者にこそ刺さる温泉地であり、商店街での湯巡りや夜の歓楽を求める方には不向きです。


中宮温泉ビジターセンター ── 白山自然保護センター運営の情報拠点

中宮温泉訪問時に最初に立ち寄りたい施設が「中宮温泉ビジターセンター」です。石川県白山自然保護センターが運営する情報拠点で、白山国立公園・白山ジオパーク・中宮温泉の自然・歴史情報がまとめて学べます。

中宮温泉ビジターセンターの役割

  • 運営:石川県白山自然保護センター
  • 営業期間夏季(おおむね6月〜10月)
  • 役割:白山国立公園・白山ジオパーク・中宮温泉の自然・歴史情報拠点
  • 中宮温泉訪問時は最初に立ち寄って白山の自然と歴史を把握するのがおすすめ
  • ホワイトロード経由で白川郷へ通り抜ける際の中継地点としても便利

白山自然保護センターの位置づけ

  • 石川県が運営する白山関連の研究・教育拠点
  • 「白山の自然誌」シリーズ(PDF)など研究成果を公開
  • 白山の動植物・地質・気象を専門的に研究・公開
  • 信頼性の高い一次情報源として、本記事も多くの情報を参照

白山修験道との関連

  • 中宮温泉は加賀馬場禅定道沿い
  • 泰澄大師の白鳩発見譚=白山開山伝承と一体化
  • 「霊泉」「胃腸の霊泉」の呼称=宗教的・湯治文化両側面
  • 共同浴場「薬師の湯」=薬師如来=病気平癒の仏。湯治信仰と仏教の融合を象徴
  • 周辺に薬師堂・足湯あり

自然観察・ジオパーク学習ポイント

中宮温泉ビジターセンターでは、以下のような白山中腹特有の自然・地質を学べます:

  • ブナ林・杉林:標高700m前後の植生帯
  • 中ノ川渓谷の地質:白山火山活動と侵食地形
  • 白山の動植物:高山植物・大型哺乳類・両生類
  • 温泉の地質的成因:白山火山地帯の温泉湧出メカニズム

→ 訪問前に立ち寄ることで、にしやま旅館の自家源泉が「霊峰白山の地質」と直結していることを実感できます。


よくある質問(FAQ・10問)

# Q A
1 中宮温泉に宿は何軒あるか? 稼働中の宿泊施設は「にしやま旅館」1軒のみ(湯宿くろゆりは斜面崩落の影響で休館中・再開未定)。共同浴場「薬師の湯」は別途稼働。
2 冬に泊まれる? 泊まれません営業期間は4月末〜11月下旬で、白山白川郷ホワイトロード(石川県側無料区間)は 2025年11月25日〜2026年4月28日 10:00 完全閉鎖。アクセス道路自体が閉鎖されます。
3 諸国温泉功能鑑での中宮温泉の段位は? 西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」(「杦」は「杉」の異体字)。自社既存記事p169+onsen360の2源で一致確認。
4 中宮温泉は「日本秘湯を守る会」加盟? にしやま旅館が加盟(providerId 652・スタンプ制度対象)。
5 泰澄大師の白鳩伝説とは? 白山開山の祖・泰澄大師が、傷ついた白鳩が谷川で羽を癒す光景を目撃し、川底から湯が湧いていることを発見した、という奈良時代の伝承。
6 「724年(神亀元年)」開湯は正しい? 一次史料未確認。複数公式は「奈良時代の末」「1200年以上」と記述し、具体的年号「724年」を明記する一次史料は本記事執筆時点で確認できず。「奈良時代の伝承」と両論併記が安全。
7 湧出量は実際にどれくらい? 資料により30L/分〜130L/分と幅あり(Wikipedia:130L/分自噴/日本秘湯を守る会:30L/分)。情報源の更新時期・対象(旧源泉/新源泉)が不明のため両論併記。最新の正確な数値はにしやま旅館に直接お問い合わせください。
8 飲めるの? 飲泉可胃腸の霊泉)。ただし宿の指示・分析書に従ってください。胃腸病・糖尿病・痛風・肝臓病の適応症が伝統的に挙げられます(薬機法上、医療効果の断定はできません)。
9 金沢駅から何分? 公共交通で約2時間20分(鶴来駅→瀬女→宿の無料送迎)。車(白山IC経由)で約80〜100分冬季はアクセス道路閉鎖のため不可
10 岩間温泉や新岩間温泉は近い? 岩間温泉は引湯管崩落により源泉停止中・営業休止。新岩間温泉は中宮の上流・標高800m・一軒宿で営業中。新中宮温泉センターは別源泉系統の白山市営日帰り施設。混同注意。

まとめ

中宮温泉は、江戸番付『諸国温泉功能鑑』西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」に登載された奈良時代1200年の霊泉でありながら、稼働宿1軒(にしやま旅館)・冬季完全閉鎖の期間限定営業温泉地である稀有な秘湯です。

  • 江戸番付『諸国温泉功能鑑』西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」(自社p169+onsen360の2源クロス)
  • 泰澄大師の白鳩発見譚(奈良時代・伝承)と「胃腸の霊泉」の宗教的呼称
  • 稼働宿1軒(にしやま旅館)・日本秘湯を守る会加盟・全7室の湯治宿
  • 白山白川郷ホワイトロード冬季完全閉鎖(11月下旬〜4月下旬)と営業期間の完全連動
  • ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(飲泉可・湧出時無色透明→酸化で黄褐色)

江戸番付×秘湯×期間限定営業」の三位一体で、中宮温泉の本来の魅力を再発見できる温泉地です。標高約700m・中ノ川渓谷沿いの杉林に旅館がぽつんと建つ「孤峰型」秘湯は、典型的な「秘湯を探す旅」を志向する読者にこそ刺さるはずです。

冬季はアクセス道路自体が閉鎖されるため、訪問計画は5月の連休明け・8月の避暑・10月の紅葉期の3ピークを狙ってください。稼働宿は「にしやま旅館」1軒のみですので、特に紅葉期は予約が早く埋まります。日本秘湯を守る会加盟・全7室・1泊2食付17,750円〜の湯治宿で、奈良時代1200年の「胃腸の霊泉」をぜひ体感してみてください。

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参考資料・出典

一次史料・公式(最優先)

  1. にしやま旅館 公式
  2. にしやま旅館 温泉のいわれ
  3. 湯宿くろゆり 公式
  4. 日本秘湯を守る会 にしやま旅館
  5. 日本温泉協会「中宮(白山温泉郷)」
  6. 日本温泉協会「白山温泉郷」
  7. 白山白川郷ホワイトロード 公式
  8. 白山白川郷ホワイトロード 冬期閉鎖のお知らせ
  9. ほっと石川旅ねっと 中宮温泉 湯宿くろゆり
  10. うらら白山人 にしやま旅館
  11. うらら白山人 湯宿くろゆり
  12. うらら白山人 白山温泉郷の魅力
  13. 北陸鉄道バス「瀬女」時刻表(駅探)
  14. 石川県白山自然保護センター 白山の自然誌44(PDF)
  15. 楽天トラベル 中宮温泉エリア
  16. じゃらん にしやま旅館
  17. 中宮温泉 薬師の湯(ゆる~と)
  18. 北陸中日新聞 温泉床完成記事

二次情報

  1. Wikipedia「中宮温泉」
  2. Wikipedia「泰澄」
  3. Wikipedia「白山信仰」
  4. 自社既存記事 温泉番付(江戸時代)地図 post-169
  5. onsen360 諸国温泉功能鑑
  6. 新岩間温泉 – 日本温泉協会

執筆:がや

温泉番付に登載された全国の名湯を、一次史料と公式情報を突き合わせて紹介する温泉ライター。江戸期『諸国温泉功能鑑』に登載された名湯を中心に、開湯伝説・泉質・宿泊事情を実地と公式情報で検証して執筆中(中宮温泉は白山中腹の極小秘湯として、公式情報・一次史料を多角的に交差検証)。本記事はマザー記事「温泉番付(江戸時代)を今の温泉名にして地図に表記!」から派生した石川県の温泉地紹介記事で、江戸番付西-前頭2段目「加州 白山の杦の湯」の比定地としてまとめました。

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