塔之沢温泉ガイド|1604年開湯・登録有形文化財3軒が並ぶ早川渓谷の名湯

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箱根十七湯のひとつ、塔之沢温泉(神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤)。
湯本駅から早川を遡って約600m上った渓谷沿い、標高130mの峡谷に
9源泉・湧出量793L/min・pH 8.9のアルカリ性単純温泉が湧き、
慶長9年(1604年)・弾誓上人の開湯から420年余りを経た古湯です。

江戸後期の温泉番付『諸国温泉功能鑑』では東方前頭3段目「相州塔の沢の湯」として登載され、湯本(2段目)・芦之湯(1段目)に次ぐ箱根七湯の第3位格。明治以降は伊藤博文・夏目漱石・福澤諭吉・島崎藤村・川端康成ら文人墨客の定宿として愛されました。

環翠楼(1614年創業)・福住楼(1890年創業)・塔ノ沢一の湯本館(1630年創業)の登録有形文化財3軒を中心に約7軒の宿が早川渓谷沿いに静かに点在する、湯本のような繁華街を持たない老舗静謐型温泉郷です。

がやが諸國温泉鑑(弘化2年改訂版)所有者として一次史料に当たりながら、塔之沢温泉の魅力と歴史を実用ガイド形式で解き明かします。

塔之沢温泉 アイキャッチ 箱根七湯東前頭3段目1604年開湯pH8.9

箱根二十湯イラストマップ(クリックで各温泉のガイドページへ移動)

温泉地名称をクリックすると各温泉の紹介ページへ移動します(現在のページは赤い枠で表示)

執筆:がや

出張と趣味で全国の温泉宿に通算200泊以上。江戸期温泉番付の現物(弘化2年改訂版『諸國温泉鑑』)を所有し、番付に載る温泉地を一つずつ訪ねて歴史的視点で記事にしています。江戸の温泉番付『諸国温泉鑑』を今の温泉名にして地図に表記した記事もあわせてご覧ください。

🔍 この記事で分かること

  • 江戸の温泉番付『諸国温泉功能鑑』に「相州塔の沢の湯」(東-前頭3段目)として登載された歴史と、箱根七湯で湯本に次ぐ二番湯を担った東海道湯治場の役割
  • 1604年(慶長9年)弾誓上人による開湯伝説(1605年説は両論併記)と阿弥陀寺の物語、皇女和宮の塔之沢療養と薨去(明治10年・1877年)
  • 環翠楼・福住楼・塔ノ沢一の湯本館国登録有形文化財3軒の魅力と、夏目漱石・島崎藤村・伊藤博文・孫文ら文人政治家の足跡
  • アルカリ性単純温泉 pH 8.9・9源泉・湧出量793L/min・泉温38〜63℃ の科学データと施設別の湯使い実態
  • 新宿・東京・羽田の3ハブから塔ノ沢駅までのアクセスと、阿弥陀寺・早川橋梁・函嶺洞門・旭橋など周辺観光

塔之沢温泉の基本情報(規模感3要素)

塔之沢温泉は、箱根町観光協会・箱ぴた(箱根温泉旅館ホテル協同組合)に加盟する宿泊施設約7軒(環翠楼・福住楼・塔ノ沢一の湯本館・陽だまり一の湯・金乃竹塔ノ澤・鶴井の宿紫雲荘・山の茶屋)と日帰り温泉施設1軒(箱根湯寮)が、早川渓谷沿い・標高130m・湯坂山と塔ノ峰の峡谷に静かに点在する温泉郷です。

宿の多様性は箱根十七湯の中でも特筆もので、登録有形文化財3軒(環翠楼・福住楼・塔ノ沢一の湯本館)+全室露天付き現代高級宿(金乃竹塔ノ澤)+自家源泉中堅老舗(紫雲荘・山の茶屋)+カジュアル新館(陽だまり一の湯)+日帰り(箱根湯寮)という5カテゴリが一温泉地に共存しています。

そして塔之沢温泉の最大の特徴は、湯本のような繁華街を持たず、老舗旅館が静かに点在する静謐型温泉郷であることです。湯本駅から早川を遡って徒歩圏内でありながら、別世界のような渓谷の静けさが広がります。

基本データ表

項目 数値 出典
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤 公式
標高(温泉街中心) 130m 箱根町観光協会
開湯 慶長9年(1604年)多数派/慶長10年(1605年)説併記 自治体史・寺院縁起など複数資料
発見者 弾誓上人(阿弥陀寺開山) 箱根町観光協会
泉質 アルカリ性単純温泉 日本温泉協会
源泉数 9 箱根町観光協会
湧出量 793 L/min 同上
泉温 38〜63℃ 同上
代表pH 8.9(アルカリ性) 日本温泉協会
登録有形文化財旅館 3軒(環翠楼/福住楼/塔ノ沢一の湯本館) 文化遺産オンライン
宿泊施設数 約7軒+日帰り1軒 観光協会・各公式

アクセス・施設情報(住所・Maps・SVG経路図・4ハブ比較表)

項目 内容
住所 神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤
電話 箱根湯本観光協会 0460-85-7409(塔之沢区も含む)
旅館代表 環翠楼 0460-85-5511/福住楼 0460-85-5301/一の湯本館 0460-85-5331
最寄駅 箱根登山鉄道 塔ノ沢駅 徒歩3〜5分
駐車場 各旅館専用(要事前確認)
送迎 一部旅館で塔ノ沢駅・箱根湯本駅から運行(要事前予約)

アクセス経路図

塔之沢温泉 アクセス経路図(東京・新宿・羽田)塔之沢温泉 アクセス経路図(東京駅・新宿駅・羽田空港の3ハブ)東京駅新宿駅羽田空港🚄 新幹線こだま約35分🚄 ロマンスカー約75分🚆 京急+JR東海道線約100〜120分🚆 登山鉄道約20分🚶 徒歩約5分合計:東京から約53〜60分(新幹線+登山鉄道)/新宿から約100分(ロマンスカー直通も可)羽田から約100〜120分(京急+JR東海道線経由)車利用は東名「厚木IC」から約50分/小田原厚木道路経由

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アクセスが確認できたら、宿の空室・料金もチェック。新宿から約100分、登録有形文化財3軒の老舗が並ぶ早川渓谷の名湯です。

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4ハブ別 所要時間・料金比較表

ハブ 最短ルート 所要時間 片道目安
新宿駅 小田急ロマンスカー「はこね」→ 箱根湯本 → 塔ノ沢駅 約93〜96分 約2,830円
東京駅 新幹線こだま → 小田原 → 箱根湯本 → 塔ノ沢駅 約53〜60分 約4,000円
小田原駅 箱根登山鉄道 → 箱根湯本 → 塔ノ沢駅 約18〜20分 約420円
羽田空港 京急 → 品川 → JR東海道線 → 小田原 → 塔ノ沢駅 約100〜120分 約2,660円

駐車場・送迎情報

項目 内容
駐車場 環翠楼・福住楼・一の湯本館・金乃竹塔ノ澤・紫雲荘・山の茶屋に各旅館専用駐車場あり(要事前確認)
路上駐車 国道1号沿いの観光駐車場(箱根湯本側)の利用が現実的
送迎 一部旅館で塔ノ沢駅・箱根湯本駅から送迎マイクロバス運行(要事前予約)

冬期・交通の注意点

  • 塔之沢温泉中心地は標高130mのため、宮ノ下・強羅と比べて積雪頻度は低めです
  • ただし年に数回は積雪あり。1月下旬〜2月上旬の冷え込み時はチェックを推奨
  • 箱根新道・旧東海道(塔之沢〜宮ノ下区間)は積雪・凍結時にチェーン規制発令あり
  • 国道1号「旭橋」「函嶺洞門」周辺は重要文化財に指定された道路施設(後述)

1泊2日モデル旅程と周辺観光

塔之沢温泉は箱根湯本駅から1駅・標高差30m弱という好立地ながら、徒歩圏内に文化財・古刹・渓谷景観が密集する稀有な温泉地です。

周辺観光6スポット

# スポット 文化財制度 指定年月日 所要
1 阿弥陀寺(弾誓上人開山・あじさい寺・皇女和宮香華院) 寺院 慶長9年(1604年)創建 塔ノ沢駅徒歩15〜20分
2 弾誓上人の岩屋(奥の院) 峰山中腹標高566m・慶長12年五輪塔現存 阿弥陀寺本堂から徒歩15〜20分
3 出山の鉄橋(早川橋梁) 登録有形文化財(建造物) 1999年6月7日登録 塔ノ沢駅徒歩3分
4 函嶺洞門 重要文化財(建造物) 2015年7月8日指定2014年2月7日通行止め 国道1号旧道・徒歩
5 旭橋 重要文化財(建造物) 2015年7月8日指定(現役通行中) 国道1号
6 勝驪山(しょうりざん) 朱舜水の命名と伝わる大岩(来日後・寛文期以降か) 紫雲荘敷地内伝

文化財制度の整理
重要文化財>登録有形文化財(重要文化財のほうが格上)
– 函嶺洞門・旭橋:いずれも「国道一号箱根湯本道路施設」内の重要文化財として2015年7月8日同日指定
– 出山の鉄橋:登録有形文化財・1999年6月7日登録(鉄製ダブルワーレントラス・径間長61.0m・橋面までの高さ約43m・1888年製造の東海道本線天竜川橋梁を1917年に移設)
– 函嶺洞門は2014年通行止めですが、2024年1月の箱根駅伝100回記念で閉鎖以来初めて一般公開された経緯あり

1泊2日モデル旅程表

時刻 行程
1日目 11:00 新宿駅/東京駅から塔ノ沢駅着・荷物を宿に預ける
11:30 阿弥陀寺参拝・弾誓上人の岩屋訪問(奥の院・五輪塔)
13:30 早川渓谷散策・吊り橋からの渓流眺望
14:30 旭橋・函嶺洞門(外観)見学
16:00 旅館チェックイン
16:30 温泉入浴(湯本系混合泉 or 自家源泉を選択)
18:30 夕食
21:00 夜の温泉入浴(湯量の少ない時間帯に静かな湯あみ)
2日目 07:00 朝風呂
08:00 朝食
09:30 出山の鉄橋展望(塔ノ沢駅徒歩3分)
10:30 チェックアウト
11:00 箱根湯本駅へ移動・湯本散策(鈴廣かまぼこ・温泉まんじゅう)
14:00 箱根湯本駅から帰路へ

用途別「行くべき人」リスト

  • 江戸期温泉番付に登載された格式ある温泉地を訪ねたい
  • 環翠楼・福住楼・一の湯本館の登録有形文化財建築に泊まりたい
  • 湯本のような繁華街は避け、静謐な渓谷温泉でゆっくりしたい
  • 阿弥陀寺・弾誓上人の岩屋など仏教史跡を歴史的視点で訪ねたい
  • 重要文化財「旭橋」「函嶺洞門」など近代道路史跡を見たい
  • pH 8.9のアルカリ性単純温泉で肌のすべすべ感を体感したい
  • 皇女和宮ゆかりの地・歴史的人物の足跡を辿りたい

向かない人
– 大型ホテル・温泉街の賑わい・ナイトライフ重視 → 湯本・宮ノ下推奨
– 雪見温泉重視・標高の高いエリア希望 → 強羅・仙石原・芦之湯推奨
– ファミリーで小さなお子様連れ → 客室広めの紫雲荘以外は要確認

四季の楽しみ方

塔之沢温泉は標高130mの早川渓谷沿いに位置し、宮ノ下・強羅より100m以上低標高。冬の積雪は比較的少なく、夏は渓谷の涼風で都心より2〜3℃低い快適な気候を保ちます。

季節 見どころ ベストシーズン
桜(早川沿い)/新緑(湯坂山・塔ノ峰)/阿弥陀寺周辺の山桜 3月末〜5月
早川渓谷の涼風(都心より2〜3℃低い)/吊り橋からの渓流/6月の阿弥陀寺「あじさい」6,000株 6〜8月
紅葉(湯坂山・塔ノ峰)/早川渓流沿いの色づき 11月中旬〜12月初旬
凛とした空気と老舗木造旅館の風情/湯けむり/年に数回の積雪 12〜2月

季節別おすすめ

  • :花見湯治の老舗で桜と温泉を同時に楽しむ
  • 初夏:阿弥陀寺「あじさい寺」と弾誓上人の岩屋を組み合わせ
  • 盛夏:渓谷の涼を求めて福住楼の竹細工意匠を満喫
  • :登山鉄道の紅葉スイッチバックと塔ノ沢駅の銭洗弁天
  • :環翠楼72畳大広間や福住楼数寄屋造りで静謐な木造旅館体験

ベストシーズン決まったら宿予約

あじさい・紅葉・冬の駅伝など、塔之沢温泉は四季それぞれの楽しみ方が違います。お気に入りの季節に合わせて、登録有形文化財3軒の老舗から空室を探しましょう。

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泉質と効能 ── アルカリ性単純温泉 pH 8.9

塔之沢温泉の泉質はアルカリ性単純温泉(一部「単純温泉」併記)が中核です。箱根町塔ノ沢温泉組合の公式統計では9源泉・湧出量793L/min・泉温38〜63℃の規模を持ち、代表pH 8.9(環翠楼・福住楼など複数源泉の公表値で一致)。

泉質の数値スペック

項目 数値 出典
泉質 アルカリ性単純温泉 日本温泉協会/箱根町観光協会
源泉数 9 箱根町観光協会公式
湧出量 793 L/min 同上
泉温 38〜63℃ 同上
代表pH 8.9(アルカリ性) 日本温泉協会/スルガ銀行「井伊部長」
pH幅(施設別) 7.6〜9.5 各旅館公式
成分総計 約500mg/kg 一の湯本館温泉分析書
基盤地質 早川凝灰角礫岩(箱根火山形成前の基盤岩) 神奈川県温泉地学研究所

重要ポイント:環境省「温泉療養のイ・ロ・ハ」によれば、「pH 8.5以上のものをアルカリ性単純温泉という」と定義されています。塔之沢温泉の代表値pH 8.9は明確にアルカリ性の区分にあたり、「弱アルカリ性」表記は誤りです。

施設別の源泉系統と科学データ(2系統併存)

塔之沢温泉郷には湯本系混合泉(環翠楼・福住楼・一の湯本館)と自家源泉(金乃竹・紫雲荘・山の茶屋)の2系統が併存しているのが特徴です。

旅館 源泉系統 源泉名 pH 温度
環翠楼 湯本系混合泉 湯本37・50・110号 8.9 46.8℃
福住楼 湯本系 湯本37号源泉(5浴場共通) 8.9 61℃
一の湯本館 湯本系混合泉 湯本37・50・110号 8.5〜9.1 47.9℃
金乃竹塔ノ澤 自家源泉 金乃竹温泉(湯本127号泉) 9.5 高温泉
紫雲荘 自家源泉 塔ノ沢温泉 7.6 54.2℃
山の茶屋 自家源泉 塔之沢の湯(地下300m) 非公表 非公表

加水・加温・循環・消毒の施設別表記

温泉法施行規則(2005年5月24日改正)により、温泉利用施設には4項目(加水/加温/循環・ろ過/消毒)の浴場掲示が義務化されています。塔之沢6施設の公式表記実態は以下の通り。

旅館 表記実態
環翠楼 「源泉かけ流し」「複数源泉を組み合わせて湯温調整」
福住楼 「源泉かけ流し」「天然の湧き水で調整」「24時間湯船へ」
一の湯本館 「循環・掛け流し併用式」(公式に明記)
紫雲荘 「自家源泉かけ流し」
金乃竹塔ノ澤 「全室自家源泉かけ流し」
山の茶屋 自家源泉「塔之沢の湯」(無色透明・湯量豊富)

⚠ 加水・加温・循環・消毒の詳細は、温泉法施行規則により各旅館の浴場掲示で確認できます。

「美肌の湯」と呼ばれる理由

pH 8.9のアルカリ性は皮膚表面の角質に穏やかに作用するため、入浴後にしっとりとした肌触りが残るとされ、地元では「美肌の湯」「化粧水のような湯」として親しまれています(箱根町観光協会・塔ノ沢温泉組合長コメント)。

効能(適応症)

塔之沢温泉のアルカリ性単純温泉に期待される一般的な適応症(環境省・温泉法に基づく):

  • 筋肉痛・関節痛・五十肩・腰痛・神経痛
  • 末梢循環障害・冷え性
  • 疲労回復・健康増進
  • 自律神経不安定症・不眠症・うつ状態(日本温泉協会 泉質別適応症)

⚠ 温泉の効能は個人差があり、医療を代替するものではありません。持病のある方、妊娠中の方、高齢の方は、入浴前に主治医にご相談ください。

弾誓上人が弟子の眼病治療のため湯を出したという伝説は、現代の泉質的にはアルカリ性単純温泉の粘膜への穏やかな作用に対応しています。ただし眼の疾患への効能は科学的には未検証であり、現代医学では入浴ではなく専門医療が必要です。

江戸期温泉番付『諸国温泉功能鑑』── 東方前頭3段目

塔之沢温泉は江戸後期の温泉番付『諸国温泉功能鑑』(文化9〜14年初版/弘化2年改訂版)で 東方前頭3段目「相州塔の沢の湯」 として登載されています。同じ箱根七湯のなかで 芦之湯(前頭1段目)・湯本(前頭2段目)に次ぐ第3位の格付であり、湯本に次ぐ「東海道の二番湯」として江戸後期に高い評価を受けていました。

📊 詳細な番付ヒエラルキーと版本比較

諸国温泉功能鑑の番付階級(抜粋)

  • 大関:草津(東)・有馬(西)
  • 関脇:那須(東)・城崎(西)
  • 小結:諏訪(東)・道後(西)
  • 行司:熱海(中央)
  • 前頭1段目:芦之湯(東)/湯河原(豆州)
  • 前頭2段目:箱根湯本(東)/岩城湯元
  • 前頭3段目塔之沢/宮ノ下/木賀/姥子(東)
  • 前頭4段目:底倉/堂ヶ島(東)

版本ごとの位置変動(両論併記):同名の番付には複数の版本が存在し、版本によって塔之沢の位置が変動します。

版本 塔之沢の位置 出典
諸国温泉功能鑑(文化期初版・嘉永4年再版・弘化2年改訂版) 東方前頭3段目「相州塔の沢の湯」 早稲田大学/onsen360
箱ぴた天保版(天保11・12年) 西前頭26枚目「ひえしょうによし」 箱根温泉公式

弘化2年改訂版(1845年・鳥瞰図形式・31×49cm)でも東前頭3段目が確認できます。

開湯1604年(慶長9年)弾誓上人と阿弥陀寺

塔之沢温泉の開湯は慶長9年(1604年)多数派。浄土宗の遊行僧・弾誓上人(1551-1613)が塔ノ峰山中の岩屋で6年間の木食修行に入り、その修行のうちに温泉を発見したと伝わります。

開湯年の諸説比較

複数の資料を照合した結果、塔之沢温泉の開湯年には少なくとも以下の説が併存しています。

出典 想定される根拠
慶長9年(1604年)説(多数派) 温泉の歴史ジャパン/Wikipedia「箱根温泉」/Wikipedia「阿弥陀寺」/一次史料『塔沢温泉根元記』元禄13年 弾誓上人が塔ノ峰の岩屋で修行を始めた年と同年
慶長10年(1605年)説 箱根町観光協会公式・箱ぴた・複数の英訳系資料 阿弥陀寺開山(1604年)の翌年に弟子の眼病治療を契機に湯を発見
雲谷和尚 別説 Wikipedia「箱根温泉」 長興山紹太寺の雲谷和尚が早川の流れに湧く温泉を発見した別伝承

複数の資料を照合すると1604年説(慶長9年)が一致して確認できるため、本記事では1604年を主表記とし、1605年説も併記しています。

開湯年表(慶長期)

西暦 和暦 出来事
1604 慶長9年 弾誓上人 塔之沢開湯/阿弥陀寺 創建
1607 慶長12年 塔ノ峰中腹・岩屋に五輪塔造立(現存)
1610 慶長15年 弾誓上人 6年の岩屋修行を完了
1613 慶長18年 弾誓上人 入寂(享年62)
1614 慶長19年 環翠楼(旧屋号「元湯」) 開湯

弾誓上人と阿弥陀寺の詳細

項目 内容
生没 1551年(天文20年)尾張国生まれ・1613年(慶長18年)入寂
修行 9歳で出家、京都・佐渡の檀直山・信濃の唐沢山・箱根の塔之峰などで単独で念仏修行
大久保忠隣との出会い 小田原藩主・大久保忠隣が狩りの最中に山中で弾誓を「不審者」と見誤って犬・矢を放つも当たらず、弾誓は冷静に念仏を唱え続けた逸話から忠隣が帰依、24町歩の土地を寄進
修行内容 塔之峰の岩屋で6年間の木食修行
塔ノ峰の地名由来 山中で「五重の仏舎利塔」を発見したことが地名「塔ノ峰」の由来
岩屋形状 入口幅約7m・高さ約1.85m・奥行約7m(自然洞窟)
石造物 慶長12年(1607年)銘の五輪塔1基、阿弥陀如来四十八願に対応する四十八基の卵塔が現存

阿弥陀寺の基本データ

項目 内容
正式名 浄土宗 阿育王山 放光明律院 阿弥陀寺
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町塔之沢24
電話 0460-85-5193
開山 慶長9年(1604年) 弾誓上人
開基 小田原藩主 大久保忠隣(土地寄進)
別称 あじさい寺(6,000株)
香華院 皇女和宮の位牌を祀る
拝観 9:00〜17:00(要事前確認)
アクセス 塔ノ沢駅徒歩15〜20分/箱根湯本駅徒歩40分(車5分)

塔之沢温泉は箱根七湯の中でもひときわ明確な発祥説話を持つ温泉地として、阿弥陀寺・弾誓上人の岩屋と一体で歴史的価値を語ることができます。

環翠楼1614年・福住楼1890年・一の湯本館1630年の物語

塔之沢温泉の中核を担うのは、登録有形文化財3軒です。創業年と文化財指定年月日の正確データを掲載します(各文化遺産オンラインの直リンクは記事末尾の出典セクションを参照)。

3軒の文化財データ比較表

旅館 創業年 文化財種別 登録年月日
環翠楼 慶長19年(1614 登録有形文化財(建造物) 2001年8月28日
福住楼 明治23年(1890 登録有形文化財(建造物) 2003年3月18日
塔ノ沢一の湯本館 寛永7年(1630 登録有形文化財(建造物) 2009年8月7日

⚠ いずれも「登録有形文化財」であり、「重要文化財」ではありません。登録有形文化財は重要文化財より制度上一段下位の指定区分です。

環翠楼(かんすいろう) ── 慶長19年(1614)創業

項目 内容
創業年 1614年(慶長19年)
旧屋号 元湯(明治期は「元湯鈴木」「元湯 中田暢平旅館」とも)
命名由来 明治23年(1890年)伊藤博文が登楼時、楼主・鈴木善左衛門に贈った漢詩「勝驪山下翠雲隈 環翠楼頭翠色開」中の「環・翠・楼」三文字に由来
現本館(北棟) 大正8年(1919年)建築・木造一部RC造4階建・鉄板葺・建築面積337㎡
大広間 3階に72畳敷の大広間
著名な滞在者 水戸光圀・朱舜水・皇女和宮(1877年薨去)・伊藤博文・夏目漱石・島崎藤村・李鴻章・東郷平八郎・孫文・菊池寛
所在地 箱根町塔之澤88
所有者 株式会社環翠楼

福住楼(ふくずみろう) ── 明治23年(1890)創業

項目 内容
創業年 1890年(明治23年)
前身 玉之湯旅館(福澤諭吉の定宿)
建築年 1887年(明治20年)
構造 木造地上3階地下1階建・建築面積2,133㎡
建築様式 京都風数寄屋造り・竹を多用した独特の意匠(床柱・天井・襖の引き手まで竹細工)
客室数 全17室すべて間取り・造作が異なる
著名な滞在者 福澤諭吉・夏目漱石・島崎藤村(『春』モデル部屋=二号室)・川端康成・吉川英治・大佛次郎・林芙美子・川合玉堂・平福百穂
特記 「日本の20世紀遺産20選」選定
所在地 箱根町塔之澤74

塔ノ沢一の湯本館 ── 寛永7年(1630)創業

項目 内容
創業年 1630年(寛永7年)(一部資料の「1644年(正保年間)」説に対し、公式・文化遺産オンラインは1630年で一致)
創業約 約395年(2026年現在)
構造 木造4層建ての数寄屋造り
客室数 全21室(早川渓流沿いの露天風呂付き客室を中心に展開)
文化財登録 2009年8月7日 国登録有形文化財(建造物)
新館 「陽だまり 一の湯」が併設(リーズナブル価格帯)

⚠ 「萬翠楼福住」(湯本・重要文化財)との混同注意

塔之沢の福住楼と、箱根湯本の萬翠楼福住は別の旅館です。

項目 福住楼(塔之沢) 萬翠楼福住(湯本)
所在地 箱根町塔之澤74 箱根町湯本
創業 1890年(明治23年) 1625年(寛永2年)伝
文化財 登録有形文化財(2003/3/18) 重要文化財(2002年指定・現役旅館初)

老舗3軒で文化財旅館体験

環翠楼(1614年)・福住楼(1890年)・塔ノ沢一の湯本館(1630年)の登録有形文化財3軒。文豪が愛した木造旅館建築を体験できる箱根七湯の名湯です。

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江戸期:東海道の二番湯・将軍家湯治の宿場

塔之沢は箱根七湯のうち、湯本(奈良時代開湯伝承)に次いで開発された二番手の湯として位置づけられます。

箱根町観光協会公式には「100年も経たずに『元湯、一湯、せとの湯…など12〜13もの湯つぼがある』というほどの湯治場に発展」とあり、慶長期開湯後の急速な開発が記録されています。

江戸期の東海道湯治場としての記録

  • 十返舎一九『東海道中膝栗毛』(文化〜文政期)に「湯宿は清く瀟洒にて入浴の者多し」の記載
  • 東海道との連絡:塔之沢は東海道の宿場「箱根宿」「小田原宿」の間道沿いにあり、湯本〜塔之沢間は江戸期から徒歩の湯治路として確立
  • 明治19年(1886年)に湯本〜塔之沢間の車道(現国道1号線の前身)が開通

「献上湯」体系での位置(伝承)

木賀・湯本・塔之沢・宮ノ下が「献上湯」として江戸幕府将軍家・大奥懐妊祈願に用いられたという伝承が、複数の観光協会系資料に共通記述されています。ただし御殿湯記録などの一次史料に直接当たれていないため、本記事では「〜と伝わる」表現に留めます。

江戸期の塔之沢関連古文献年表

文献/出来事 著者・編纂
1604 弾誓上人 開湯
1614 環翠楼(旧「元湯」)開湯
1630 塔ノ沢一の湯本館 創業
江戸前期 朱舜水「勝驪山」命名(来日後・寛文期以降と伝わる) 朱舜水(水戸光圀招聘)
1689 『湯もとの記』(元禄2年) 北村季吟
1700 『塔沢温泉根元記』(元禄13年・漢文体)── 塔之沢発祥の在地一次史料 塔之沢福住十左衛門
1701 『塔沢紀行』(元禄14年) 藤本由己
1751 『温泉名勝志』(寛延4年) 後藤義方
1811 『七湯の枝折』(文化8年)全10巻── 箱根町指定重要文化財(絵画) 文総・弄花
1812-17 『諸国温泉功能鑑』初版(文化9-14年)
1840-41 諸国温泉効能鑑 天保版(箱ぴた所蔵)
1845 諸国温泉鑑 弘化2年改訂版
1851 『諸国温泉功能鑑』再版(嘉永4年)
1861 『箱根七湯志』(文久元年) 間宮永好

⚠ 文化財制度の区別:『七湯の枝折』は「箱根町指定重要文化財(絵画)」であり、国の重要文化財・登録有形文化財とは別制度です。

明治の鉄道整備と塔ノ沢駅1920年開業

塔之沢温泉のアクセスを劇的に改善したのは、明治後期から大正期にかけての鉄道整備でした。

鉄道整備の年表(重要・3段階を明確分離)

出来事 補足
1888年(明治21年)10月1日 小田原馬車鉄道 開業(国府津駅前〜湯本) ⚠ これは馬車鉄道であり、塔ノ沢駅の開業ではない
1900年(明治33年) 湯本までの電化運転開始 小田原電気鉄道
1919年(大正8年)6月1日 箱根登山鉄道 湯本〜強羅間 開業(路線として) 公式社史
1920年(大正9年)10月21日 塔ノ沢駅 開業(駅としての開業日) Wikipedia「塔ノ沢駅」/路線開業の約16ヶ月後に駅追加開業

⚠ 一部の資料に「1888年塔ノ沢駅開業」とありますが、1888年は小田原馬車鉄道の開業年で、塔ノ沢駅の開業は1920年10月21日です。

塔ノ沢駅の特徴

項目 内容
正式名称 塔ノ沢駅(とうのさわ)
駅番号 OH52
路線 小田急箱根 鉄道線(箱根登山電車)
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤46-2
標高 153m(2013年再測量/旧表記165m)
構造 地上駅(相対式ホーム2面2線)
状態 終日無人駅・駅舎内部閉鎖
1日平均乗降人員 93人(2023年度・鉄道線最少)
車両進入限界 駅に通じる道路が狭く、軽自動車も進入不可
ホーム上の特徴 松井房吉寄贈の銭洗弁天祠(金運招福のパワースポット)

塔ノ沢駅は箱根登山鉄道の中でも最も乗降人員が少ない無人駅ですが、ホーム上の銭洗弁天祠は知る人ぞ知るパワースポットとして、塔之沢の老舗旅館を訪れる際に立ち寄る価値があります。

皇女和宮の塔之沢療養と薨去(明治10年)

塔之沢温泉の歴史で最も劇的なエピソードが、皇女和宮(静寛院宮・徳川家茂正室)の塔之沢療養と薨去です。

皇女和宮の塔之沢滞在の経緯

項目 内容
滞在開始 明治10年(1877年)8月
滞在目的 脚気の転地療養(元奥医師・遠田澄庵の勧め)
滞在先 環翠楼(当時の屋号「元湯 中田暢平旅館」または「元湯鈴木」)
薨去年月日 明治10年(1877年)9月2日
享年 31〜32歳(数え32/満31)
死因 脚気衝心
香華院 阿弥陀寺の香華院に位牌が現存

複数源で一致:環翠楼公式「皇女和宮が湯治のため来館、ここで生涯を閉じる」/Wikipedia「和宮親子内親王」/阿弥陀寺香華院/温泉の歴史ジャパンほか多数源で記述が揃っています。

滞在中は地元の子供たちを宿に招き菓子を与えるなど、村人と交流したと伝わります(Wikipedia「和宮親子内親王」)。

環翠楼との接続

環翠楼が現在の「環翠楼」の屋号を持つようになったのは、和宮薨去の13年後(1890年・明治23年)に伊藤博文が登楼した際。それ以前は「元湯」「元湯 中田暢平旅館」「元湯鈴木」という屋号で営業していました。

したがって「皇女和宮が環翠楼で薨去した」という表現は厳密には「現在の環翠楼の前身(元湯)で薨去した」となります。

阿弥陀寺との接続

阿弥陀寺の香華院には和宮の位牌が現在も祀られており、塔之沢を訪れる際は環翠楼(薨去地)と阿弥陀寺(香華院)をセットで訪ねるのが歴史的にも妥当な巡礼コースとなります。

グルメ・周辺ふるさと納税(箱根町)

塔之沢温泉のグルメは、文化財旅館の館内食を中心とした「老舗の懐石料理」体験が主軸です。

旅館別グルメの特徴

旅館 グルメの特徴
環翠楼 72畳大広間での会席料理/皇女和宮ゆかりの「献上湯料理」
福住楼 京都風数寄屋造りに合わせた季節懐石・竹細工意匠を活かした器使い
一の湯本館 木造4階数寄屋造りでの和食・早川渓谷を望む朝食
紫雲荘 手打ち十割そば+創作会席
山の茶屋 月替会席(地元食材中心)
金乃竹塔ノ澤 モダン会席・全室客室食

周辺グルメ(湯本駅周辺)

  • 老舗温泉まんじゅう(菊川商店・ちもと等)
  • 鈴廣かまぼこ(湯本駅徒歩・かまぼこ博物館見学可)
  • 箱根そば(湯本駅構内・気軽な立ち食い)

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宿泊施設一覧(価格帯×カテゴリ マトリクス)

塔之沢温泉の宿選びを「価格帯×カテゴリ」で最短意思決定できるマトリクス表を提示します。

価格帯×カテゴリ マトリクス(1泊2食2名利用・1名換算)

価格帯 文化財旅館 モダン高級 中堅・自家源泉 カジュアル 日帰り
15,000円以下 陽だまり一の湯(一部プラン) 箱根湯寮(平日1,700円〜・土休日2,000円〜 入浴のみ)
15,000〜30,000円 塔ノ沢一の湯本館(標準) 紫雲荘・山の茶屋(標準) 陽だまり一の湯
30,000〜50,000円 福住楼・環翠楼(標準) 紫雲荘・山の茶屋(露天付き)
50,000〜80,000円 環翠楼(特別室)・福住楼(上位) 金乃竹塔ノ澤(標準)
80,000円以上 環翠楼(特別室・繁忙期) 金乃竹塔ノ澤(上位)

各宿の特徴サマリー(1行要約)

旅館 創業 客室数 特徴
環翠楼 1614 非公開 登録有形文化財・伊藤博文命名・皇女和宮薨去地・3階72畳大広間
福住楼 1890 17 登録有形文化財・京都風数寄屋・全室間取り異なる・福澤諭吉/漱石/藤村滞在
塔ノ沢一の湯本館 1630 21 登録有形文化財・木造4階数寄屋・早川渓谷沿い露天
陽だまり一の湯 一の湯本館の姉妹館・カジュアル価格帯
金乃竹塔ノ澤 2013 23 全室自家源泉露天付き・大人専用・モダン高級
紫雲荘 不明 22 4,000坪敷地・自家源泉「塔ノ沢温泉」・三世代対応
山の茶屋 不明 15 全15室・自家源泉「塔之沢の湯」(地下300m)
箱根湯寮 2013 日帰り・小田急リゾーツ運営・貸切個室露天19室

用途別 おすすめ早見表

あなたのタイプ おすすめの宿
歴史好き・文化財好き 環翠楼(皇女和宮)/福住楼(藤村『春』モデル部屋)
カップル・露天付き重視 金乃竹塔ノ澤(大人専用・全室露天付き)
家族・三世代旅行 紫雲荘(広めの客室・4,000坪敷地)
予算重視 陽だまり一の湯/箱根湯寮(日帰り)
自家源泉重視 紫雲荘・山の茶屋・金乃竹塔ノ澤(湯本系混合泉でなく自家源泉)
静謐重視 山の茶屋(竹林に囲まれた一軒宿)

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よくある質問(FAQ・10問)

Q 質問 回答
Q1 塔之沢温泉と箱根湯本温泉の違いは? 湯本は「箱根七湯の筆頭・繁華街型」(江戸番付・東前頭2段目)/塔之沢は「七湯第3位・静謐型」(東前頭3段目)。徒歩圏内ながら世界観が異なります
Q2 日帰り温泉は可能? 箱根湯寮(2013年開業・大人 平日1,700円〜/土休日2,000円〜)が代表的。一部旅館でも日帰り入浴プランあり
Q3 子連れでも泊まれる? 紫雲荘は4,000坪敷地で三世代対応/金乃竹塔ノ澤は大人専用のため子連れ不可
Q4 開湯はいつ? 慶長9年(1604)多数派・慶長10年(1605)説も併記。弾誓上人が塔ノ峰の岩屋で発見
Q5 温泉番付での位置は? 諸国温泉功能鑑=東前頭3段目/箱ぴた天保版=西前頭26枚目(版本によって位置変動あり)
Q6 函嶺洞門は通れる? 2014年2月7日通行止め・通常はフェンス越し見学のみ。2024年箱根駅伝100回記念で閉鎖以来初めて一般公開
Q7 駐車場はある? 各旅館に専用駐車場あり(要事前確認)。路上駐車は国道1号沿いの観光駐車場利用が現実的
Q8 冬期の積雪は? 標高130mのため積雪頻度は低めだが年に数回は積雪あり。1月下旬〜2月上旬は要チェック
Q9 pHは何度? pH 8.9のアルカリ性(環境省定義でpH 8.5以上は「アルカリ性」区分)
Q10 諸國温泉鑑とは? 江戸後期の温泉番付。がやが所蔵するのは弘化2年改訂版(1845)の希少現存版

まとめ・関連記事

塔之沢温泉は、慶長9年(1604年)の弾誓上人開湯から420年余り、箱根七湯の二番湯として江戸の温泉番付に「東前頭3段目」で登載され、明治以降は伊藤博文・夏目漱石・福澤諭吉・島崎藤村・川端康成ら文人墨客の定宿として愛されてきた、登録有形文化財3軒(環翠楼・福住楼・塔ノ沢一の湯本館)を擁する古湯です。

湯本のような繁華街を持たない静謐な早川渓谷沿いに、文化財旅館が静かに点在する温泉郷で、「箱根の喧騒を離れて文豪と歴史を体感する」有力な選択肢となります。

皇女和宮の薨去地・阿弥陀寺の香華院・弾誓上人の岩屋・出山の鉄橋・旭橋(重要文化財)・函嶺洞門(重要文化財)と、徒歩圏内に文化財・古刹・近代道路史跡が密集する歴史散策の温泉地としても他では得がたい価値を持ちます。

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1604年開湯・箱根七湯の二番湯・登録有形文化財3軒の老舗が並ぶ塔之沢温泉。江戸番付「相州塔の沢の湯」の名湯をぜひ体感してください。

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出典

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