秋田・湯瀬温泉ガイド|江戸番付『南部鹿角の湯』×米代川源流・湯瀬渓谷4.6kmと美肌の湯

秋田県鹿角市の北東部、米代川上流の湯瀬渓谷沿いに湧くのが湯瀬温泉(ゆぜおんせん)です。「川の瀬から湯が湧いていた」ことが地名の由来とされる古湯で、江戸後期の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版)の東・前頭3段目に「南部鹿角の湯」として登載され、アルカリ性単純温泉・pH8.9の良質な美肌の湯として知られる、北東北の山あいに佇む温泉地です。

「がや」は江戸末期の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版・鳥瞰図形式)を所有しており、東の前頭3段目に「南部鹿角の湯」が確認できます。盛岡藩政時代には鹿角街道の番所が置かれた要衝で、米代川を挟む両岸に現在2軒の宿が営業、十和田八幡平国立公園の玄関口として奥羽山脈の自然と湯治文化を楽しめる、鹿角郡を代表する温泉地です。

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東京から東北新幹線+JR花輪線で約4時間。湯瀬温泉駅から徒歩3〜8分で温泉街、徒歩4.6kmの湯瀬渓谷遊歩道車で30〜40分で十和田湖・八幡平まで足を伸ばせる立地です。「鹿角の山あい湯治×十和田八幡平×きりたんぽ発祥の地」を1〜2泊で味わえる、北東北の隠れ湯治場。本記事では「行ける?いつ行く?何をする?どこに泊まる?」の判断材料を、史料・公式情報・現地公開データから一次裏取りした上で1本にまとめます。

湯瀬温泉 秋田県鹿角市・米代川と湯瀬渓谷沿いの温泉街イメージ
湯瀬温泉のイメージ

執筆:がや|温泉ライター。全国200泊以上の温泉宿泊実績。江戸時代の温泉番付や近世地誌などの古典史料と現地調査を突き合わせて、温泉地紹介ページを執筆しています。所有する『諸国温泉鑑』弘化2年(1845年)改訂版・鳥瞰図形式の番付を一次史料として活用しています。

この記事で分かること

  • 湯瀬温泉の規模感:米代川を挟む両岸・現在の主要旅館2軒・湯瀬渓谷沿いに点在する宿・鹿角市八幡平地区の山あい温泉地
  • アクセス・行き方:東京→新幹線+花輪線 約4時間/盛岡→花輪線約1時間40分〜2時間/鹿角八幡平IC約10分
  • 泉質と効能:アルカリ性単純温泉/58℃/pH8.9/成分628mg/kg(日本温泉協会F_ID=50180)/神経痛・筋肉痛・冷え性・疲労回復・美肌
  • 歴史的価値:江戸番付『諸国温泉鑑』弘化2年(1845年)「南部鹿角の湯」東前頭3段目/盛岡藩政時代に鹿角街道の番所
  • 近代史:1928年(昭和3年)姫の湯開業(地域資料による)/1931年(昭和6年)花輪線開通/1932年(昭和7年)関直旅館が湯瀬ホテルとして開業(地域資料による)
  • 湯瀬渓谷:米代川両岸の奇岩絶壁・全長4.6km遊歩道・紅葉名所・天狗橋・森林セラピーロード認定
  • 周辺観光:十和田湖(車約30分)/八幡平(車約40分)/大湯ストーンサークル(特別史跡)/鹿角きりたんぽ発祥の地
あなたの目的 読みどころ 結論の要点
湯瀬温泉ってどんな所か知りたい 湯瀬温泉の基本情報 秋田県鹿角市・米代川上流・湯瀬渓谷沿い・主要旅館2軒・アルカリ性単純温泉58℃・北東北の山あい温泉地
行き方と所要時間を知りたい アクセス・施設情報 東京→新幹線+JR花輪線で約4時間/盛岡→花輪線約1時間40分〜2時間/鹿角八幡平IC約10分
いつ行くべきか決めたい 四季の楽しみ方 4-5月新緑/7-8月避暑+八幡平/10-11月湯瀬渓谷紅葉ピーク/12-3月雪見露天+豪雪注意
歴史的価値を知りたい 江戸期番付「開湯の歴史」 『諸国温泉鑑』弘化2年(1845年)「南部鹿角の湯」東前頭3段目/盛岡藩鹿角街道の番所
周辺観光を計画したい 周辺観光・自然 湯瀬渓谷4.6km/十和田湖/八幡平/大湯ストーンサークル/きりたんぽ発祥の地

📑 目次

  1. 湯瀬温泉の基本情報
  2. アクセス・施設情報
  3. 旅程モデルと周辺観光
  4. 四季の楽しみ方|ベストシーズン
  5. 泉質と効能
  6. 鹿角市のふるさと納税で旅の余韻を自宅へ
  7. 江戸期番付『諸国温泉鑑』の格付け
  8. 開湯伝承と盛岡藩鹿角街道・近代の歴史
  9. 湯瀬温泉の主要旅館|湯瀬ホテルと亀の井ホテル秋田湯瀬
  10. 湯瀬渓谷4.6kmの遊歩道|紅葉と森林セラピー
  11. 「美肌の湯」としての湯瀬温泉(諸説あり)
  12. 杉村楚人冠と湯瀬温泉|文学・知識人の静養地
  13. 周辺観光|十和田湖・八幡平・大湯ストーンサークル
  14. ご当地グルメ|きりたんぽ発祥・かづの牛・北限の桃
  15. よくある質問(FAQ)
  16. まとめ|湯瀬温泉を訪れるべき理由

湯瀬温泉の基本情報

湯瀬温泉は、秋田県鹿角市八幡平地区の米代川上流・湯瀬渓谷沿いにある温泉地で、北東北の山あいに佇む湯治場として古来から知られています。立地はJR花輪線「湯瀬温泉駅」徒歩約3〜8分という鉄道至近性を持ち、東北自動車道「鹿角八幡平IC」から国道282号で約10分という、北東北の温泉地としてはアクセスしやすい場所にあります。米代川を挟む両岸に旅館が点在し、現在は湯瀬ホテル(1932年開業)と亀の井ホテル秋田湯瀬(旧・和心の宿姫の湯/1928年開業)の主要2軒を中心とする、コンパクトながら歴史ある温泉街を形成しています。

最大の特徴は、「川の瀬から湯が湧いていた」ことが地名の由来となった湧出量豊富な源泉を起源とし、江戸後期の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版)に「南部鹿角の湯」として東の前頭3段目に登載されている、全国的に名の通った歴史的湯治場である点です。盛岡藩政時代には鹿角街道の番所が置かれた要衝でもあり、大正年間には関直・阿部・成田・六助・高見などの旅館が並ぶ近郷からの湯治場として賑わいました。1931年(昭和6年)の花輪線開通を契機に温泉街は大きく変貌し、1932年(昭和7年)の湯瀬ホテル開業(地域資料による)1928年(昭和3年)の姫の湯開業(地域資料による)で、近代的な温泉観光地としての姿を整えました。

温泉学的に見て湯瀬温泉が「北東北の良湯」と評される根拠は、アルカリ性単純温泉・泉温58℃・pH8.9・成分総計628mg/kgという美肌系の泉質にあります(日本温泉協会F_ID=50180)。アルカリ性単純温泉古い角質を落とす作用があり「美人の湯」「美肌の湯」として親しまれる泉質で、刺激が少なく幅広い年齢層が安心して入浴できます。適応症としては神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進などが温泉法・環境省「鉱泉分析法指針」に基づく単純温泉の一般適応症として示されています。

温泉地としての規模感は、江戸期番付の格と現代の旅館数のギャップが大きい点が特徴です。江戸期には鹿角街道の要衝として番付登載されながら、現代では楽天トラベル登録ベースで主要旅館2軒という少数精鋭型の温泉地として残っています。観光客の数は十和田湖・八幡平観光と組み合わせる「通過型」が多く、「秘湯感を残しつつもアクセスしやすい湯治場」としての立ち位置を保っています。

宿のスタイルは、米代川の渓流沿いに建つ大型温泉ホテル(湯瀬ホテル・亀の井ホテル秋田湯瀬)が中心で、1泊2食付き1万円台前半から2万円台後半まで幅広い予算で選べます。「南部鹿角の湯」の江戸期番付の格「湯瀬渓谷の自然美」のスケール感、そして「アルカリ性単純温泉の美肌湯」を併せ持つのが湯瀬温泉です。

アクセス・施設情報

項目 内容
所在地 秋田県鹿角市八幡平字湯瀬
観光案内 鹿角市観光物産公社/旅するかづの公式観光サイト(explorekazuno.jp)
最寄駅 JR花輪線「湯瀬温泉駅」(徒歩約3〜8分で主要旅館)
最寄空港 大館能代空港(車約60分)/秋田空港(車約2時間30分)/いわて花巻空港(車約2時間)
盛岡駅から JR花輪線大館行きで約1時間40分〜2時間(湯瀬温泉駅下車・便により異なる)
車(東京方面) 東北自動車道「鹿角八幡平IC」から国道282号 約8km・約10分
標高 約200m前後(米代川上流・奥羽山脈の山あい)
温泉施設 主要旅館2軒(湯瀬ホテル・亀の井ホテル秋田湯瀬)/湯瀬ふれあいセンター(日帰り入浴)
駐車場 各旅館の宿泊者専用駐車場/湯瀬渓谷遊歩道入口の国道沿い無料駐車場

アクセス経路図

湯瀬温泉 アクセス経路図(東京駅・羽田空港・仙台駅・盛岡駅の4起点→鹿角花輪駅/湯瀬温泉駅→湯瀬温泉・完全水平接続)湯瀬温泉 アクセス経路図(4起点ハブ→盛岡駅→湯瀬温泉駅→湯瀬温泉・完全水平接続)東京駅羽田空港仙台駅盛岡駅🚄 東北新幹線はやぶさ約2時間20分✈ JAL羽田→大館能代空港→車約2時間30分🚄 仙台→東北新幹線はやぶさ約40分🚄 盛岡駅は始発・新幹線直結起点駅🚃 JR花輪線大館行き約1.7-2時間🚶 徒歩約3〜8分合計:東京→約4時間/羽田→約3時間30分/仙台→約2時間20分/盛岡→約1.7-2時間⚠ 冬期(12-3月)は奥羽山脈の豪雪地帯・路面凍結対応・花輪線も遅延の可能性湯瀬温泉駅→主要旅館は徒歩約3〜8分/湯瀬ホテルは無料送迎あり

東京からは東北新幹線はやぶさ盛岡駅まで約2時間20分、盛岡駅でJR花輪線大館行きに乗換えて湯瀬温泉駅まで約1時間40分〜2時間、合計約4時間〜4時間20分で到着できます。新幹線+ローカル線という乗継ですが、花輪線は「十和田八幡平四季彩ライン」の愛称で親しまれる奥羽山脈横断の絶景路線で、米代川渓谷の車窓は乗車自体が観光体験になります。

仙台駅からは東北新幹線はやぶさで盛岡駅まで約40分、盛岡駅で花輪線に乗換えて合計約2時間20分盛岡駅は東北新幹線の主要停車駅かつ花輪線の始発駅なので、乗換動線が分かりやすく初めての方でも迷いません。

羽田空港からはJAL大館能代空港行き直行便(1日3便)で大館能代空港まで約1時間10分、空港からはレンタカーまたは送迎で湯瀬温泉まで約60分仙台空港からは仙台空港アクセス線+新幹線+花輪線で合計約2時間30分です。いわて花巻空港を使う場合は車で約2時間です。

車利用なら東北自動車道「鹿角八幡平IC」から国道282号で約8km・約10分というIC直結の好アクセスが魅力です。冬期(12-3月)は奥羽山脈の豪雪地帯積雪・路面凍結が顕著なため、冬タイヤ・チェーン必須4WD推奨、新幹線・在来線とも遅延を見込んだ余裕ある日程を組んでください。

📢 アクセス確認できたら、宿の空室・料金もチェック

湯瀬温泉は米代川沿いの大型温泉ホテルが少数精鋭で営業する温泉地で、新緑の春(4-5月)、夏休みの八幡平・十和田観光シーズン(7-8月)、紅葉ピーク(10-11月)、年末年始は早めに満室になります。早めに空室と料金を比較しましょう。

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駅からの二次交通

湯瀬温泉駅から主要旅館までは徒歩約3〜8分で、駅前から米代川を渡って温泉街中心部に入ります。湯瀬ホテルは駅から徒歩約3分と至近距離で、夜間や悪天候時、お荷物の多いお客様向けに無料送迎車が手配可能(要事前連絡)。亀の井ホテル秋田湯瀬も同程度の距離です。

タクシーは駅前で配車可能で、周辺の湯瀬ふれあいセンター湯瀬渓谷遊歩道入口へのアクセスにも便利です。JR花輪線約2〜3時間に1本程度の運行で、観光時刻表を事前に確認しておくと安心です。

旅程モデルと周辺観光

湯瀬温泉は「鹿角の山あい湯治×十和田八幡平×きりたんぽ発祥の地」という3テーマで動線を組める温泉地です。温泉街自体はコンパクトですが、車で30分〜1時間圏に十和田湖・八幡平・大湯ストーンサークルなどが集積しています。

1泊2日|湯瀬渓谷散策と十和田湖モデル

時刻 行程
1日目08:00 東京駅発(東北新幹線はやぶさ)
10:20 盛岡駅着・JR花輪線に乗換
12:30 湯瀬温泉駅着・米代川渓谷の車窓を満喫
13:00 宿に荷物を預け・温泉街で昼食(きりたんぽ鍋)
14:30 湯瀬渓谷遊歩道散策(往復2〜3時間)・天狗橋・奇岩絶壁
17:00 宿にチェックイン・大浴場で湯治(アルカリ性単純温泉58℃)
19:00 夕食(かづの牛・きりたんぽ・秋田の山の幸)
21:00 夜の温泉街散策・米代川のせせらぎを聴きながら
2日目07:00 朝風呂・朝食
09:30 チェックアウト・レンタカーで十和田湖へ(車約30分)
10:30 十和田湖(発荷峠展望台・乙女の像・遊覧船)
13:00 大湯ストーンサークル館(特別史跡)見学
14:30 道の駅かづの「あんとらあ」でお土産(きりたんぽ・北限の桃)
15:30 湯瀬温泉駅または鹿角花輪駅発(JR花輪線)
17:30 盛岡駅着・東北新幹線で帰路
20:00 東京駅着

2泊3日|八幡平アスピーテライン縦断モデル

2泊3日にすれば、1泊目を湯瀬温泉・2泊目を八幡平温泉郷として「奥羽山脈温泉巡り」も可能です。「湯瀬温泉→八幡平アスピーテライン→八幡平山頂→アスピーテライン→八幡平温泉郷」と巡れば、鹿角の山あい湯治→国立公園の高原ドライブ→八幡平のラジウム硫黄泉まで、奥羽山脈の温泉文化を網羅できます。

周辺観光スポット早見表

スポット 所要時間(湯瀬温泉から) 見どころ
湯瀬渓谷遊歩道 徒歩約5分(入口まで) 全長4.6km・天狗橋・奇岩絶壁・紅葉・森林セラピーロード
湯瀬ふれあいセンター 徒歩約10分 日帰り入浴・地元住民の社交場
道の駅かづの「あんとらあ」 車約15分 鹿角の特産品・きりたんぽ・かづの牛・お土産
大湯ストーンサークル館 車約30分 国の特別史跡・縄文時代後期の環状列石・世界遺産
十和田湖(発荷峠展望台) 車約30分 カルデラ湖の絶景・乙女の像・遊覧船・新緑と紅葉
八幡平アスピーテライン 車約40分 標高1,500m前後の高原ドライブ・八幡平山頂・湿原
大湯温泉 車約25分 鹿角市内の同郡内温泉地・湯治場文化

四季の楽しみ方|ベストシーズン

米代川のせせらぎが渓谷に響き、pH8.9のとろりとした湯肌が肩から指先までゆっくりと溶けていく──秋には湯瀬渓谷4.6kmの紅葉が窓辺まで迫り、夕食には鹿角きりたんぽ・かづの牛・比内地鶏が並ぶ。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚のすべてで「北東北の山里にいる」と実感できる、四季それぞれに表情を変える山あいの湯治場です。

湯瀬温泉は奥羽山脈の山あいに位置するため、四季の表情がはっきりしており、新緑・避暑・紅葉・雪見それぞれに違った魅力があります。

春(4月-5月)|新緑と山桜・米代川の雪解け

4月中旬-5月上旬は湯瀬渓谷の雪解け山桜のシーズンで、米代川の水量が増した雪解けの渓谷美が楽しめます。5月中旬-下旬は新緑のピークで、湯瀬渓谷遊歩道の若葉が美しい時期です。山菜採りの季節でもあり、宿の夕食では旬の山菜料理(タラの芽・コシアブラ・コゴミ)が楽しめます。4月の鹿角は本州でも遅い春なので、ゴールデンウィークの遅い桜も狙えます。

夏(6月-8月)|避暑と八幡平の高原・北限の桃

7月-8月の湯瀬温泉は奥羽山脈の山あい避暑地として理想的です。標高約200mの渓谷沿い朝晩は涼しく八幡平アスピーテライン(標高1,500m前後)まで足を伸ばせば真夏でも高原の爽涼を満喫できます。鹿角市は「北限の桃」の産地として知られ、8月下旬-9月の収穫期には温泉街の土産物店でも新鮮な桃が並びます。8月のお盆期間は宿が満室になりやすいので2か月前予約がおすすめです。

秋(9月-11月)|湯瀬渓谷紅葉ピークと新そば

10月中旬-11月上旬湯瀬渓谷の紅葉が見頃で、米代川両岸の奇岩絶壁赤・黄・橙の絶景が広がります。湯瀬渓谷は秋田県内でも紅葉名所として知られ、JR花輪線の車窓からも美しい紅葉が楽しめます。八幡平アスピーテライン9月下旬-10月中旬が紅葉の見頃で、湯瀬温泉から半日で紅葉ドライブが成立します。秋田の新そば(10月)、りんご・桃・きりたんぽなど、秋の味覚も充実します。

冬(12月-3月)|雪見露天と湯治・豪雪地帯

奥羽山脈の山あいは豪雪地帯で、12月下旬-3月上旬深い雪に包まれた雪見露天シーズンです。米代川の雪景色と湯瀬渓谷の白銀の世界は冬限定の絶景です。一方で国道282号や花輪線とも遅延・通行止めリスクがあるため、冬タイヤ・チェーン必須4WD推奨運転に不慣れな方は鉄道利用が安心です。1月-2月の湯治冷え性・関節痛に悩む方に好評で、アルカリ性単純温泉58℃の熱め湯が冬の体に染み入ります。

泉質と効能

湯瀬温泉の泉質は、アルカリ性単純温泉(日本温泉協会F_ID=50180)で、泉温58℃・pH8.9・成分総計628mg/kgという美肌系の良質な温泉です。無色透明・無味無臭・刺激の少ない泉質で、子供から高齢者まで安心して入浴できる老若男女に優しい湯として知られています。

主な適応症(温泉法・環境省「鉱泉分析法指針」)

神経痛
筋肉痛
関節痛
五十肩
運動麻痺
関節のこわばり
うちみ
くじき
慢性消化器病
痔疾
冷え性
病後回復
疲労回復
健康増進
皮膚の清浄作用(アルカリ性単純温泉の特性)

アルカリ性単純温泉の特徴

アルカリ性単純温泉とはpH8.5以上溶存物質1g/kg未満の温泉で、古い角質を落とすクレンジング作用があり「美人の湯」「美肌の湯」として親しまれます。湯瀬温泉のpH8.9弱アルカリ性〜アルカリ性の境界に位置し、入浴後の肌のすべすべ感を実感しやすい泉質です。刺激成分が少ないため長時間入浴にも向き、湯治場としての伝統を支えてきました。

入浴のコツ

58℃の源泉適温に加水調整して湯船に供給されますが、長湯すると体に負担がかかるため、5〜10分の入浴を数回繰り返す「分割湯」がおすすめです。湯上り後はアルカリ性温泉特有のすべすべ感を残すため、シャワーで洗い流さず軽くタオルで水分を拭き取る程度が美肌効果を引き出すコツとされています。湯上り後の水分補給を忘れずに、地元のリンゴジュースお茶で休憩してください。

「美人の湯」「美肌の湯」としての伝承

湯瀬温泉は地元観光協会や宿泊施設で「美人の湯」「美肌の湯」と広く紹介されてきました。楽天トラベルや旅行雑誌でも「日本三大美人の湯」として湯瀬温泉を紹介する記述が散見されますが、「日本三大美人の湯」の最古文献としては川中温泉(群馬)・龍神温泉(和歌山)・湯の川温泉(島根)の3湯1920年の鉄道院『温泉案内』「肌を白くする効能一覧」に並べられた組み合わせが定説とされており、湯瀬温泉を含めた異説は地元・媒体由来の呼称である点は両論併記が必要です。本記事では「湯瀬温泉は地元観光団体で広く美肌の湯として紹介される温泉地」という立場で記述します。

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湯瀬温泉を訪れた後、鹿角市のふるさと納税できりたんぽ・かづの牛・北限の桃・淡雪こまち米・鹿角りんごを取り寄せれば、旅の余韻を自宅で続けられます。鹿角市はきりたんぽ発祥の地かづの牛(日本短角種)の産地「北限の桃」の産地として知られ、ふるさと納税の返礼品が充実しています。

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江戸期番付『諸国温泉鑑』の格付け

「がや」が所有する江戸末期の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版・鳥瞰図形式)には、東日本(東)の前頭3段目「南部鹿角の湯」が登載されています。「南部」は南部藩(盛岡藩)を指し、鹿角郡が江戸期に盛岡藩領であったことの史料的裏付けでもあります。湯瀬温泉を含む鹿角の温泉群が、江戸期を通じて全国レベルで知られた湯治場であったことが裏付けられます。

『諸国温泉鑑』とは

『諸国温泉鑑』は江戸後期に流通した全国温泉番付で、当時の人気・効能・知名度を相撲番付形式で序列化したものです。東の大関に草津(上州)・西の大関に有馬(摂津)を据えるという基本構造の中で、前頭層に全国の名湯が並びます。「がや」所蔵の弘化2年(1845年)改訂版・鳥瞰図形式温泉地の鳥瞰図と番付を組み合わせた珍しい版で、現存数の少ない希少資料です。

「南部鹿角の湯」の位置づけ

東の前頭3段目という位置は、前頭層の中位に相当し、東日本の温泉地としては相当に高い評価を意味します。江戸期の交通事情を考えれば、陸奥国・南部藩領(現在の秋田県北東部)の温泉が江戸期番付の高い位置に登載されている事実は、湯治市場での確固たる知名度を示す重要な証拠です。鹿角街道の宿場町としての地理的優位性米代川沿いの豊富な湧出量南部藩主の藩政利用の可能性などが背景にあると考えられます。

「南部鹿角の湯」とは湯瀬温泉のみか

なお、「南部鹿角の湯」が湯瀬温泉のみを指すのか、鹿角郡内の温泉群(湯瀬・大湯・八幡平)の総称かは、江戸期の地誌における呼称の慣習によるため一義的には特定できません。鹿角郡には湯瀬温泉のほか、大湯温泉(鹿角市十和田大湯)など複数の温泉があり、「鹿角の湯」という呼称は地域全体を包括した可能性もあります。本記事では「湯瀬温泉を含む鹿角郡の温泉地が江戸期番付の高位に登載されていた」という立場で記述しておきます。

番付に登載された意味

江戸期の温泉番付は、幕末期の湯治旅客の宿選びガイドとして機能しました。全国数百の温泉地から番付に登載されるためには、奥羽の名湯としての知名度、湯治客の集客力、効能の信頼性が不可欠でした。「南部鹿角の湯」の登載は、当時の鹿角の温泉群が北東北を代表する湯治湯として広く認知されていたことを意味します。

開湯伝承と盛岡藩鹿角街道・近代の歴史

開湯約1,200年の伝承(弘法大師伝説・両論併記)

湯瀬温泉の開湯時期について、地元では「開湯約1,200年・平安初期に弘法大師空海が発見(弘仁12年=821年伝承)」とする説が広く語り継がれており、鹿角市観光協会・地元旅館組合の公式説明でも同様の年代観が示されています。江戸期の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版)に「南部鹿角の湯」として東・前頭3段目に登載されていることから、遅くとも江戸後期には全国レベルで知られた湯治場であったことは確実です。

ただし、弘法大師伝承の年代(821年)を裏付ける同時代一次史料(古文書・年代記・寺社縁起の翻刻本)は未発見であり、学術的に「平安初期開湯」と断定できる根拠は確認できていません。本記事では、観光協会・旅館組合等の公式伝承=開湯約1,200年(弘法大師821年伝説)一次史料未確認=学術的確定は江戸期番付までが安全圏という両論を併記してお伝えします。「開湯約1,200年」表記は地元伝承に基づく一般通説としてご理解ください。

湯瀬温泉の開湯時期は正確には判明していませんが、地名の由来「川の瀬から湯が湧いていた」から、自然湧出による発見が起源とされ、古代から知られた温泉である可能性が高いと伝えられています。

「湯瀬」の地名由来

湯瀬(ゆぜ)の名称は、米代川の瀬(浅い流れの所)から湯が湧出していたことに由来します。鹿角市公式観光サイトでも「川の瀬からお湯が湧くことから湯瀬の名がついた」と伝えています。米代川という河川の地形が温泉湧出と直結している点が、湯瀬温泉の自然条件としての独自性です。

盛岡藩政時代の鹿角街道

江戸期の湯瀬は盛岡藩(南部藩)の鹿角街道に位置し、藩境の番所が置かれていました。鹿角街道盛岡から鹿角郡を経て秋田・大館方面に至る重要街道で、湯瀬温泉は街道沿いの湯治場として旅人や湯治客に利用されました。番所の設置人馬の往来管理のためで、湯瀬が江戸期の交通要衝であったことを示しています。

大正年間の湯治旅館群

大正年間(1912-1926)には近郷からの湯治利用が中心で、関直・阿部・成田・六助・高見などの旅館が並び、米代川渓谷の湯治場として地元客に親しまれていたことが鹿角市の郷土史で記録されています。この時期はまだ鉄道が開通しておらず徒歩・馬車でのアクセスが中心でした。

近代の歴史年表

大正年間(1912-1926):関直・阿部・成田・六助・高見などの湯治旅館が並ぶ
1928年(昭和3年):姫の湯開業(現・亀の井ホテル秋田湯瀬/年表は地域資料による)
1931年(昭和6年):JR花輪線開通・湯瀬温泉駅開業
1932年(昭和7年):関直旅館が湯瀬ホテルとして開業(※年表は地域資料による)
1934年(昭和9年):杉村楚人冠が八幡平で落馬し湯瀬ホテルで静養
1935年(昭和10年):湯瀬ホテル別館完成
1937年(昭和12年)以降:皇族・政治要人の来泊が続く

戦後〜現代

戦後から高度成長期にかけて北東北を代表する観光温泉地として発展し、十和田八幡平国立公園の玄関口として観光バス団体客で賑わいました。バブル崩壊後の観光形態の変化により観光客数は減少しましたが、現在も湯瀬ホテル・亀の井ホテル秋田湯瀬を中心とする北東北屈指の温泉地としての地位を保っています。

📢 アクセス確認できたら、宿の空室・料金もチェック

湯瀬温泉は米代川沿いの大型温泉ホテルが少数精鋭で営業する温泉地で、新緑の春(4-5月)、夏休みの八幡平・十和田観光シーズン(7-8月)、紅葉ピーク(10-11月)、年末年始は早めに満室になります。早めに空室と料金を比較しましょう。

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湯瀬温泉の主要旅館|湯瀬ホテルと亀の井ホテル秋田湯瀬

湯瀬温泉の現在の主要旅館は、米代川の両岸に建つ湯瀬ホテル(1932年開業)と亀の井ホテル秋田湯瀬(1928年開業・旧和心の宿姫の湯)の2軒です。両旅館とも大型温泉ホテルとして機能しており、コンパクトな温泉地ながら質の高い宿泊体験ができます。

四季彩り 秋田づくし 湯瀬ホテル

湯瀬ホテルは、地域資料(Wikipedia等)によれば1932年(昭和7年)に関直旅館を改称して開業と伝わる湯瀬温泉最大規模のホテルです。米代川両岸を結ぶ回廊が名物で、川の音を聞きながらの渡り廊下は他では味わえない独特の建築体験です。1935年(昭和10年)には別館が完成し、近代的な温泉ホテルとして整備されました。

所在地は秋田県鹿角市八幡平字湯瀬湯端43番地電話0186-33-2311JR湯瀬温泉駅から徒歩約3分東北自動車道鹿角八幡平ICから車約10分という抜群の立地です。JR湯瀬温泉駅からの無料送迎車(夜間・悪天候時・お荷物の多い方向け)も手配可能で、駅から徒歩圏内ながら送迎にも対応しています。

館内には米代川を見下ろす大浴場と露天風呂「秋田づくし」をテーマにした和食コース多目的ホールを備え、家族旅行・湯治旅・観光バス団体まで幅広く対応する大型温泉ホテルです。

亀の井ホテル秋田湯瀬(旧・和心の宿 姫の湯)

亀の井ホテル秋田湯瀬は、地域資料(Wikipedia等)によれば1928年(昭和3年)開業と伝わる「姫の湯」を起源とし、長らく「和心の宿 姫の湯」として営業してきた老舗旅館が、亀の井ホテルチェーンに運営移管され改称した宿です。湯瀬温泉では湯瀬ホテルと並ぶもう一つの主要旅館で、「十和田国立公園と八幡平国立公園の間に立地」という観光拠点性を打ち出しています。

東北自動車道鹿角八幡平ICから車約15分湯瀬温泉駅から徒歩圏内で、かつての「姫の湯」時代から続く秋田の郷土料理(きりたんぽ・かづの牛・山の幸の会席)が楽しめます。改称後も泉質と立地の優位性は変わらず、湯瀬温泉の伝統を継承する宿としての地位を保っています。

日帰り入浴|湯瀬ふれあいセンター

宿泊以外で湯瀬温泉の湯を楽しむなら、湯瀬ふれあいセンター(鹿角市運営の日帰り温泉施設)が利用できます。湯瀬温泉駅から徒歩約10分地元住民の社交場としても機能しており、観光客も気軽に湯瀬温泉のアルカリ性単純温泉を体験できます。料金・営業時間は鹿角市公式サイトで最新情報を確認してください。

湯瀬渓谷4.6kmの遊歩道|紅葉と森林セラピー

湯瀬温泉のもう一つの魅力が、温泉街と一体化した湯瀬渓谷の遊歩道です。湯瀬温泉から八幡平あずさ沢地区まで全長約4.6kmの散策路が整備され、米代川両岸の奇岩絶壁四季折々の自然を楽しめます。

湯瀬渓谷の地形

米代川の浸食により形成された両岸の奇岩絶壁が約4.6kmにわたって続き、「断崖の上の岩に生える姫小松」「天狗橋」といった見どころが点在します。14ヵ所の名勝ポイントがあると地元観光資料で紹介されており、短時間でも変化に富んだ渓谷美が楽しめます。

紅葉シーズン(10月中旬-11月上旬)

湯瀬渓谷は秋田県内でも有数の紅葉名所で、10月中旬-11月上旬が見頃です。赤・黄・橙の絶景米代川両岸の奇岩絶壁を彩り、JR花輪線の車窓からも素晴らしい紅葉が眺められます。「列車から紅葉を見る」という鉄道旅としても人気で、鉄道ファンと紅葉ファンの両方を引き寄せるスポットです。

森林セラピーロード認定

湯瀬渓谷の遊歩道森林セラピーロードに認定されており、樹木のフィトンチッドマイナスイオンを浴びながらの心身のリフレッシュ効果が期待できます。温泉宿泊+渓谷散策を組み合わせることで、温泉湯治+森林療法の二重効果を享受できる、現代的なヘルスツーリズムとしての価値も持っています。

アクセスと安全対策

湯瀬温泉駅から徒歩約5分で遊歩道入口に到着、国道282号沿いに無料駐車場が2ヶ所整備されています。散策時間の目安は往復2〜3時間で、スニーカー以上の歩きやすい靴をご紹介しています。ツキノワグマの生息地でもあるため、熊鈴の携行が地元観光協会から推奨されています。冬期(12-3月)は積雪のためスノーシュー装備が必要で、冬季の単独散策は避け温泉街から渓谷展望のみを楽しむ形が安全です。

「美肌の湯」としての湯瀬温泉(諸説あり)

湯瀬温泉は地元観光協会や宿泊施設で「美人の湯」「美肌の湯」として紹介されており、pH8.9のアルカリ性単純温泉という泉質的根拠から、古い角質を落とすクレンジング作用で入浴後のすべすべ感が実感しやすい湯です。

なお「日本三大美人の湯」としては川中温泉(群馬)・龍神温泉(和歌山)・湯の川温泉(島根)の3湯を1920年(大正9年)鉄道院『温泉案内』由来とする説が最も流通しており、湯瀬温泉を「三大美人の湯」とする紹介は地元観光団体由来です。本記事では「湯瀬温泉は地元観光団体で広く美肌の湯として紹介される温泉地」「日本三大美人の湯の選定には諸説あり」と両論併記しておきます。

杉村楚人冠と湯瀬温泉|文学・知識人の静養地

1934年(昭和9年)朝日新聞の英語記者・コラムニスト 杉村楚人冠(すぎむら そじんかん/1872-1945)が八幡平で乗馬中に落馬し、湯瀬ホテルで静養したと湯瀬温泉の歴史記録に伝えられています。当時この事件は国内外で報道され、湯瀬温泉の名は新聞紙面を通じて全国に広まりました。楚人冠は静養中に湯瀬温泉や湯瀬ホテルでの療養生活を随筆として書き残しており、湯瀬温泉が近代日本の知識人・文化人の静養地として機能したことを示す象徴的エピソードです。

知識人・上流階級の静養地としての位置づけ

杉村楚人冠の静養以降、湯瀬温泉には皇族や政治要人も来泊したと郷土史に記録されており、1935年(昭和10年)の湯瀬ホテル別館完成もこうした賓客対応の背景があったとされます。米代川渓谷の閑静な環境アルカリ性単純温泉の癒し湯瀬ホテルの和洋折衷の館内設備が、心身の疲労を癒す静養地として機能したと考えられます。現代の温泉ガイドではあまり強調されない側面ですが、湯瀬温泉の文化史的価値を物語る重要な記録です。

📢 アクセス確認できたら、宿の空室・料金もチェック

湯瀬温泉は米代川沿いの大型温泉ホテルが少数精鋭で営業する温泉地で、新緑の春(4-5月)、夏休みの八幡平・十和田観光シーズン(7-8月)、紅葉ピーク(10-11月)、年末年始は早めに満室になります。早めに空室と料金を比較しましょう。

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周辺観光|十和田湖・八幡平・大湯ストーンサークル

湯瀬温泉の周辺観光は、車30分〜1時間圏国立公園級の景観・世界遺産級の遺跡・郷土文化拠点などが集積しています。

十和田湖(車約30分)

湯瀬温泉から車約30分で到着する十和田湖は、カルデラ湖の絶景で知られる十和田八幡平国立公園の中核観光地です。発荷峠展望台からの湖全景の眺望乙女の像遊覧船奥入瀬渓流まで、1日かけて満喫できる秋田・青森県境の観光地です。新緑(5-6月)・紅葉(10月中旬-下旬)が特に美しく、湯瀬温泉宿泊+十和田湖観光の組み合わせは王道コースです。

八幡平(車約40分)

湯瀬温泉から車約40分八幡平アスピーテライン入口に到着、標高1,613mの八幡平山頂まで車でアクセスできます。4月下旬-11月上旬の開通期間雪の回廊(4-5月)・夏の湿原(7-8月)・紅葉(9月下旬-10月中旬)を楽しめる、日本有数の高原ドライブです。山頂周辺は遊歩道が整備されており、ガマ沼・八幡沼などの湿原をめぐる1時間程度のハイキングもおすすめです。

大湯環状列石(車約30分・国の特別史跡)

湯瀬温泉から車約30分大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)は、縄文時代後期の環状列石で、国の特別史跡に指定されています。「北海道・北東北の縄文遺跡群」として2021年(令和3年)にユネスコ世界遺産登録された遺跡群の一つで、世界遺産級の歴史的価値を持ちます。大湯ストーンサークル館縄文時代の生活と祭祀文化を学べる、鹿角の歴史観光の中核です。

大湯温泉(車約25分)

湯瀬温泉と同じ鹿角市内に位置する大湯温泉(鹿角市十和田大湯)は、江戸期から続く湯治場で、湯瀬温泉とは異なる泉質を体験できます。1泊2日で湯瀬+大湯のはしごも可能で、鹿角郡の温泉文化を網羅できる旅程が組めます。

道の駅かづの「あんとらあ」(車約15分)

湯瀬温泉から車約15分道の駅かづの「あんとらあ」は、鹿角の特産品が集まる観光拠点です。きりたんぽ・かづの牛・北限の桃・りんご・地酒などのお土産が揃い、鹿角ばやし(重要無形民俗文化財)の展示や郷土料理レストランもあります。

鹿角花輪駅(車約15分)

JR花輪線の中核駅・鹿角花輪駅周辺は鹿角市の中心市街地で、鹿角ばやしで有名な「花輪ばやし」の祭礼(毎年8月)で全国的に知られています。鹿角ばやしは2016年にユネスコ無形文化遺産登録された「山・鉾・屋台行事」の構成要素で、「動く美術館」とも称される豪華絢爛な屋台が町を練り歩きます。

ご当地グルメ|きりたんぽ発祥・かづの牛・北限の桃

湯瀬温泉のグルメは、鹿角市が誇る「きりたんぽ発祥の地・かづの牛・北限の桃」を中心に、秋田の山海の幸地酒が楽しめます。

きりたんぽ(鹿角発祥)

鹿角市は「きりたんぽ発祥の地」として知られ、マタギや山仕事の人々が炊いたご飯を杉串に巻きつけて焼いた郷土食が起源とされています。「淡雪こまち」などの鹿角産米を使ったきりたんぽを、比内地鶏100%のスープと根菜・ごぼう・舞茸・せりで炊き上げる「きりたんぽ鍋」は、冬の湯瀬温泉の宿夕食の定番です。「外側パリッと・中モチモチ」の食感が鹿角きりたんぽの特徴です。

かづの牛(日本短角種)

かづの牛日本短角種の和牛で、夏は山の放牧地で自然交配・冬は牛舎で飼育する夏山冬里方式で育てられます。黒毛和牛と比べ脂肪分が少なく赤身の味わいが深いのが特徴です。「赤身の旨み」を楽しむ大人の和牛として、ステーキ・しゃぶしゃぶ・すき焼きで湯瀬温泉の宿夕食に登場します。

北限の桃

鹿角市は「北限の桃」の産地として知られ、桃の産地としては日本最北端のひとつです。8月下旬-9月の収穫期には「あかつき」「川中島白桃」などの品種が温泉街の土産物店や道の駅で販売されます。標高200m前後の昼夜の寒暖差で育つ糖度の高い桃が特徴です。

鹿角のりんご

鹿角市はりんご栽培にも適した気候で、「ふじ」「シナノスイート」「王林」などの品種が栽培されています。9月下旬-12月の収穫期には地元観光果樹園でりんご狩り体験も可能で、秋の鹿角の風物詩となっています。

淡雪こまち

淡雪こまち鹿角市発祥の低アミロース米で、「もっちりとした粘り冷めても美味しい食感」が特徴です。鹿角の風土が育んだブランド米として、おにぎり・お弁当・きりたんぽとの相性が抜群です。

比内地鶏

鹿角郡の隣・大館市原産の比内地鶏は、日本三大地鶏の一つで、きりたんぽ鍋のスープのベースとして湯瀬温泉の宿夕食でも使われます。コクのある旨み歯ごたえのある肉質が特徴です。

鹿角の地酒

鹿角市内の酒蔵としては千歳盛酒造などが知られ、地酒温泉宿の夕食で提供されます。米代川源流の清らかな水鹿角産の良質な酒米端麗辛口の地酒を生み出しており、かづの牛・きりたんぽとの相性が抜群です。

湯瀬温泉名物のお土産

きりたんぽ(冷凍・常温):きりたんぽ発祥の地の本場の味
かづの牛加工品:ジャーキー・ハンバーグ・カレー
北限の桃・桃の加工品:8-9月のシーズン限定
鹿角りんご・りんごジュース:秋の名産品
淡雪こまち米:鹿角発祥のブランド米
鹿角の地酒:千歳盛など

よくある質問(FAQ)

Q1. 日帰り入浴は可能ですか?

A: 可能です。湯瀬ふれあいセンター(鹿角市運営の日帰り温泉施設)が湯瀬温泉駅から徒歩約10分で利用できます。湯瀬ホテル亀の井ホテル秋田湯瀬でも日帰り入浴プランを提供している場合があるため、事前に各旅館に直接問い合わせがおすすめです。

Q2. 東京から日帰りで行けますか?

A: 物理的には可能ですが現実的ではありません東京から東北新幹線+花輪線で片道約4時間かかるため、朝発・夕方帰りでは現地滞在時間が短くなりすぎます。最低1泊できれば2泊湯瀬渓谷・十和田湖・八幡平まで含めた旅程をおすすめします。

Q3. 湯瀬温泉の旅館は何軒ありますか?

A: 現在の主要旅館は2軒です。湯瀬ホテル(1932年開業)と亀の井ホテル秋田湯瀬(旧・和心の宿姫の湯/1928年開業)が米代川両岸に建っています。江戸〜大正期には複数の湯治旅館(関直・阿部・成田・六助・高見)が並んでいましたが、現在は集約された大型温泉ホテル中心の構成となっています。

Q4. 大館能代空港からのアクセスは?

A: 大館能代空港からはレンタカー利用が現実的です。羽田からJAL直行便(1日3便)で大館能代空港まで約1時間10分、空港から車約60分で湯瀬温泉に到着します。空港リムジンバスは限定的なため、レンタカー予約を強くおすすめします。

Q5. 冬期(12-3月)は営業していますか?

A: 営業しています。湯瀬温泉は奥羽山脈の山あい豪雪地帯ですが、湯瀬ホテル・亀の井ホテル秋田湯瀬とも通年営業です。冬の雪見露天は湯瀬温泉の魅力の一つですが、国道282号・JR花輪線とも遅延・通行止めリスクがあるため、冬タイヤ・チェーン必須4WD推奨運転に不慣れな方は鉄道利用が安心です。

Q6. 子供連れでも楽しめますか?

A: 楽しめます湯瀬ホテルなどの大型温泉ホテルは家族向けプランが用意されています。夏休みは湯瀬渓谷散策・八幡平の高原ドライブ・北限の桃狩りなど子供向けの体験が豊富で、冬休みはきりたんぽ作り体験を提供する宿もあります。

Q7. 「南部鹿角の湯」は湯瀬温泉のみを指しますか?

A: 一義的には特定できません。江戸期の番付『諸国温泉鑑』の「南部鹿角の湯」は、湯瀬温泉のみを指すか、鹿角郡内の温泉群(湯瀬・大湯・八幡平)の総称か、確定的な解釈はありません。本記事では「湯瀬温泉を含む鹿角郡の温泉地が江戸期番付の高位に登載されていた」という立場で記述しています。

Q8. 「日本三大美人の湯」に湯瀬温泉は含まれますか?

A: 諸説あります最古文献的には川中温泉(群馬)・龍神温泉(和歌山)・湯の川温泉(島根)の3湯1920年の鉄道院『温泉案内』で「肌を白くする効能一覧」として並べられた組み合わせが定説です。湯瀬温泉を「日本三大美人の湯」とする説地元観光協会・旅行雑誌由来の異説であり、学術的・文献的な裏付けは弱いため両論併記が必要です。なお、湯瀬温泉がpH8.9のアルカリ性単純温泉で美肌系の良質な湯であることは事実です。

Q9. 杉村楚人冠の静養エピソードはいつのことですか?

A: 1934年(昭和9年)です。杉村楚人冠(朝日新聞英語記者・コラムニスト)が八幡平で乗馬中に落馬し、湯瀬ホテルで静養した出来事で、当時国内外で報道されました。湯瀬温泉の文学・文化史的価値を物語る重要なエピソードです。

Q10. アフィリエイトリンクのことについて

A: 本記事には楽天トラベル・じゃらん・楽天ふるさと納税のアフィリエイトリンクが含まれます。読者の宿選び・予約をサポートする目的で配置しており、リンクから予約・購入が成立した場合に当サイトに紹介料が支払われることがあります。情報の正確性とリンクの実在性は定期的に確認しています。

まとめ|湯瀬温泉を訪れるべき理由

湯瀬温泉は、秋田県鹿角市八幡平の米代川上流・湯瀬渓谷沿いに湧く、地名どおり「川の瀬から湯が湧いていた」古湯で、江戸後期の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版)に「南部鹿角の湯」東前頭3段目として登載され、1928年の姫の湯開業・1931年の花輪線開通・1932年の湯瀬ホテル開業で近代温泉観光地として整備された、北東北を代表する湯治場です。

現代では湯瀬ホテル亀の井ホテル秋田湯瀬(旧・和心の宿姫の湯)の主要旅館2軒を中心とするコンパクトな温泉地で、アルカリ性単純温泉58℃・pH8.9・成分628mg/kgという美肌系の良質な泉質全長4.6kmの湯瀬渓谷遊歩道(米代川両岸の奇岩絶壁・紅葉名所・森林セラピーロード)、十和田湖(車約30分)・八幡平(車約40分)・大湯環状列石(特別史跡・世界遺産)といった国立公園・世界遺産級の周辺観光、そして鹿角きりたんぽ発祥の地・かづの牛・北限の桃・淡雪こまちといったご当地グルメ──これらが揃った、「鹿角の山あい湯治×十和田八幡平×きりたんぽ発祥の地」を1か所で味わえる温泉地です。

東京から東北新幹線+JR花輪線で約4時間盛岡から約1時間40分〜2時間というローカル線の旅情を楽しみながら辿り着く立地は、首都圏や大都市圏の温泉地とは違う「秘湯感」を提供します。江戸期から続く湯治場の重み近代日本の知識人を癒した文化的価値(杉村楚人冠の1934年静養エピソード)、そして米代川渓谷の自然美を併せ持つ稀有な温泉地です。観光地化されすぎていない静かな湯治場を求める方、歴史と一次史料が裏付ける北東北の湯治湯を探している方、首都圏の温泉地では味わえない山あい温泉の風情を味わいたい方に、湯瀬温泉は最高の選択肢の一つになるでしょう。

新緑と山菜の春避暑と八幡平の高原ドライブの夏湯瀬渓谷紅葉ピークの秋雪見露天と豪雪の冬の湯瀬──四季それぞれの湯瀬温泉と鹿角の魅力を、ぜひ自分の足で確かめてみてください。

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主要参考・出典

– 日本温泉協会「温泉地詳細 湯瀬温泉 F_ID=50180」(https://www.spa.or.jp/search_p/detail_p/?F_ID=50180&pg=0
– 鹿角市公式サイト「湯瀬温泉郷」(https://www.city.kazuno.lg.jp/soshiki/sangyokatsuryoku/kankokoryu/gyomu/2/6/3/2548.html
– 旅するかづの/鹿角公式観光サイト(https://explorekazuno.jp/activity/yuse/yuzehotel/
– 旅するかづの 湯瀬渓谷(https://explorekazuno.jp/tourizm/yuse/yuzekeikoku/
– 四季彩り 秋田づくし 湯瀬ホテル公式(https://www.yuzehotel.jp/
– 亀の井ホテル秋田湯瀬公式(https://kamenoi-hotels.com/akitayuze/
– 楽天トラベル「湯瀬温泉のホテル・旅館一覧」(https://travel.rakuten.co.jp/onsen/akita/OK00124.html
– Wikipedia「湯瀬温泉」(https://ja.wikipedia.org/wiki/湯瀬温泉
– Wikipedia「湯瀬温泉駅」(https://ja.wikipedia.org/wiki/湯瀬温泉駅
– 諸国温泉鑑(弘化2年=1845年改訂版)
– 鉄道院『温泉案内』(1920年)
– 杉村楚人冠の静養関連記録(1934年)

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