湯の山温泉(広島・湯来町)完全ガイド|江戸番付『芸州川治の湯』・重要有形民俗文化財の湯治場

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広島県広島市佐伯区湯来町和田。広島駅から JR山陽本線で五日市駅へ約15分、そこから広電バス湯来線で約60分の標高約400m級の山あい、感応山麓・水内川流域に、🔥江戸時代の温泉番付『諸国温泉功能鑑』西-前頭2段目「芸州川治の湯」として登載された温泉地、湯の山温泉(広島県)(ゆのやまおんせん)があります。

三重県三重郡菰野町・御在所岳麓の同名「湯の山温泉」とは完全に別物です。本記事で扱うのは広島県広島市佐伯区湯来町の湯の山温泉。古くは「芸州川治(かわじ/せんじ)の湯」と呼ばれ、大同2年(807年)の湧出伝承を持ち、広島藩主・浅野吉長が寛延3年(1750年)に湯治場を建造し自ら入湯したことで知られます。

明治期以降、隣接する湯来温泉(湯来町多田地区・車で約10分)と合わせて「湯来・湯の山温泉郷」として一体PRされ、1991年7月には環境庁の「国民保健温泉地」に指定。湯の山温泉単体の宿泊施設は森井旅館1軒ですが、共同浴場「湯の山温泉館」(地上4mから落ちる打たせ湯が名物)・複合施設「クアハウス湯の山」、湯来側の「広島市国民宿舎 湯来ロッジ」(広島駅北口⇄湯来ロッジ間の無料送迎バスあり・平日1便要予約)を組み合わせれば、広島市内から半日〜1泊2日で十分に湯巡りが完結します。

特筆すべきは、湯の山温泉郷の中心にある湯ノ山明神旧湯治場(ゆのやまみょうじんきゅうとうじば)が、1974年(昭和49年)2月18日に国の重要有形民俗文化財に指定されている点です(文化遺産オンラインheritages/detail/208110)。岩崖を掘りくぼめた素朴な湯坪・湯屋・湯の山明神社が一括指定され、江戸期の湯治場建築と医療+信仰の様相を現代に伝えています。

がやが一次史料と公式情報を読み解きながら、湯来・湯の山温泉郷全体を視野に、「歴史×文化財×源泉」の三位一体で本来の魅力を再発見します。江戸番付の段位、宝永4年(1707年)湯屋建立から寛延3年(1750年)浅野吉長入湯までの年表、湯ノ山明神旧湯治場の文化財価値、アルカリ性単純弱放射能温泉(ラドン17マッヘ)の冷鉱泉まで、判断に必要な数字とリストで整理してお届けします。

執筆:がや

温泉番付に登載された全国の名湯を、一次史料と公式情報を突き合わせて紹介する温泉ライター。江戸期『諸国温泉功能鑑』に登載された名湯を中心に、開湯伝説・泉質・宿泊事情を実地と公式情報で検証して執筆中(湯の山温泉(広島)は文化遺産オンライン・湯来観光地域づくり公社・くにたまの会・Wikipedia等の一次資料と地元解説を多角的に交差検証)。本記事はマザー記事「温泉番付(江戸時代)を今の温泉名にして地図に表記!」から派生した広島県の温泉地紹介記事で、西-前頭2段目「芸州川治の湯」として登載された中国地方の番付登載湯としてまとめました。


🔍 この記事で分かること(読者ベネフィット一覧)

あなたの目的 読みどころ 結論の要点
三重県の湯の山温泉と区別したい 基本情報・FAQ 広島は湯来町和田・大同2年開湯/三重は菰野町・養老2年開湯
行く価値があるか即判定したい 基本情報 単体宿1軒・湯来側含め6軒300人・国指定文化財あり
最速で行きたい アクセス・施設情報 広島駅→五日市駅15分→広電バス湯来線約60分
1泊2日の旅程を組みたい モデル旅程 森井旅館泊+湯の山温泉館+湯ノ山明神+湯来ロッジ日帰り
いつ行くべきか 四季の楽しみ方 5月鮎漁解禁・10-11月紅葉・冬は雪見と冷鉱泉加温
お湯の質を理解したい 泉質と効能 アルカリ性単純弱放射能温泉23.5℃・ラドン17マッヘ
江戸番付の位置 江戸期温泉番付 西-前頭2段目「芸州川治の湯」・道後の1段下相当
歴史を体系的に知りたい 歴史 大同2年湧出→1707年湯屋→1749年霊泉記→1750年浅野公入湯
文化財の価値 重要有形民俗文化財 1974/2/18指定・湯坪・湯屋・明神社一括
唯一の旅館に泊まりたい 森井旅館 客室5室・1泊2食12,000円〜・浅野公伝承の湯船
湯来温泉との関係 湯来・湯の山温泉郷 車約10分・1991年国民保健温泉地一括指定
細かい疑問 よくある質問 10問即答(三重との混同・送迎バス・川治の読み等)

結論を最短で知りたい方は、本ガイドの最後のまとめから逆引きでも構いません。


湯の山温泉(広島県湯来町)湯ノ山明神旧湯治場の岩崖を掘りくぼめた湯坪と湯屋
湯ノ山明神旧湯治場(1974年国・重要有形民俗文化財)。岩崖を掘りくぼめた素朴な湯坪が江戸期の姿を現代に伝える

湯来町和田の極小温泉地 ── 広島県唯一の番付登載湯、湯の山温泉(広島)の基本情報

湯の山温泉(広島県)は、広島市佐伯区湯来町和田の感応山麓・水内川流域にある温泉地です。江戸番付『諸国温泉功能鑑』西-前頭2段目「芸州川治の湯」として登載された広島県唯一の番付登載湯であり、国の重要有形民俗文化財「湯ノ山明神旧湯治場」(1974/2/18指定)と広島藩主浅野吉長入湯の湯治場跡を持つ、歴史×文化財×冷鉱泉の三位一体を備えた温泉地です。

三重県三重郡菰野町・御在所岳麓の同名「湯の山温泉」とは完全に別物。本記事はすべて広島県広島市佐伯区湯来町の湯の山温泉について扱います。

宿泊施設は湯の山温泉単体では森井旅館1軒のみですが、隣接する湯来温泉(車約10分)と合わせた「湯来・湯の山温泉郷」全体では6軒300人収容(日本温泉協会)の規模を持ち、広島市内から半日〜1泊2日の湯治・湯巡りが成立します。

温泉街と呼べる商店街・歓楽街・土産物通りは存在せず、湯の山温泉は森井旅館・湯の山温泉館・湯ノ山明神社が和田地区に点在する「集落型」温泉地です。徒歩散策で巡る温泉街型ではなく、文化財の旧湯治場と冷鉱泉の打たせ湯をピンポイントで訪ねる「目的地型」滞在が基本になります。

以下、訪問判断のための4要素を整理します。

訪問判断のための4要素

観点 数値・状況 コメント
① 旅館組合加盟数 湯の山温泉単独の旅館組合は公式集計なし/湯来観光協会・NPO法人湯来観光地域づくり公社が組合的機能を担う 「湯来・湯の山温泉郷」全体で6軒・収容300人日本温泉協会
② 地理 広島県広島市佐伯区湯来町和田・感応山麓・水内川流域・標高約400m級 JR広島駅から五日市駅経由・広電バス湯来線で約75〜85分。中国自動車道戸河内IC・山陽自動車道五日市IC各約40分
③ 宿の多様性 湯の山温泉:森井旅館1軒(5室・1泊2食12,000円〜)/湯来温泉:湯来ロッジ・河鿿荘ほか 共同浴場(湯の山温泉館・誠の桧湯)・温泉複合施設(クアハウス湯の山)が混在
④ 温泉街の規模感 温泉街・商店街・湯巡り回廊なし 湯の山温泉館+湯ノ山明神社+森井旅館が和田地区に点在する「集落型」温泉地

規模感 ── 数字で見る湯の山温泉(広島)

指標 数値 出典
旧泉源 温度 23.5℃(冷鉱泉) Wikipedia 湯の山温泉(広島県)
新泉源 温度 23.2℃(冷鉱泉) 同上
旧泉源 湧出量 75 L/分(自然湧水) 同上
新泉源 湧出量 300 L/分(動力揚水) 同上
主泉質 アルカリ性単純弱放射能温泉(ラドン含有) 日本温泉協会・Wikipedia
ラドン濃度 17マッヘ 湯来観光地域づくり公社
開湯伝承 大同2年(807年)和田・感応山麓 慶応蔵院境内より湧出 湯之山神社由緒/くにたまの会
江戸番付登載 西-前頭2段目「芸州川治の湯」 『諸国温泉功能鑑』1851年版(onsen360
浅野吉長入湯 寛延3年(1750年)正月 くにたまの会/Wikipedia
国・重要有形民俗文化財指定 1974年(昭和49年)2月18日「湯ノ山明神旧湯治場」 文化遺産オンライン
国民保健温泉地指定 1991年7月(湯来・湯の山温泉郷一括) 日本温泉協会
湯の山温泉郷 全体規模 6軒・収容300人 同上

🎯 数字で見るポイント:源泉温度23.5℃の冷鉱泉ながら、ラドン17マッヘの放射能泉として効能が評価され、江戸番付では西-前頭2段目「芸州川治の湯」(道後の1段下相当)に登載。1974年に国・重要有形民俗文化財に指定された旧湯治場が現存する、中国地方有数の歴史的温泉地

⚠ 三重県「湯の山温泉」との混同回避

項目 広島県 湯の山温泉(本記事) 三重県 湯の山温泉(別物)
所在 広島市佐伯区湯来町和田 三重郡菰野町湯の山
開湯伝承 大同2年(807年) 養老2年(718年)
別称 芸州川治の湯 鹿の湯
背景の山 感応山麓 御在所岳麓
泉質 アルカリ性単純弱放射能温泉 単純弱放射能泉(ラジウム泉)
最寄駅 JR五日市駅+広電バス湯来線 近鉄湯の山温泉駅
江戸番付 西-前頭2段目「芸州川治の湯」 別途記載

→ 検索流入時の取り違いを避けるため、本記事ではすべて「湯の山温泉(広島)」または「湯来・湯の山温泉郷」と冠して記述します。


アクセス・施設情報(広島・湯の山温泉)

広島駅から JR山陽本線で五日市駅まで約15分広電バス湯来線で湯来温泉まで約55〜70分 → ささき観光「宇佐線」または徒歩で湯の山温泉、というのが公共交通の標準ルートです。マイカーなら中国自動車道 戸河内ICまたは山陽自動車道 五日市ICから各約40分。

項目 内容
住所 広島県広島市佐伯区湯来町大字和田471(湯の山温泉館)/同 和田464(森井旅館)
電話 湯の山温泉館 0829-83-0802/森井旅館(楽天/じゃらん予約推奨)
最寄駅 JR山陽本線 五日市駅(広島駅から約15分)→ 広電バス湯来線「湯来温泉」行 約55〜70分
バス 広電バス湯来線(広島電鉄バス4 湯来・杉並台団地線)/湯来ロッジから湯の山温泉まではささき観光「宇佐線」または徒歩約20分
駐車場 湯の山温泉館:専用5台+専用以外約40台/森井旅館:宿泊者用あり
標高 約400m級(湯来町和田)

🚉 マルチハブアクセス経路図

湯の山温泉 アクセス経路図(東京・大阪・広島駅の3ハブ)湯の山温泉(広島・湯来町) アクセス経路図東京駅大阪駅広島駅🚄 新幹線のぞみ約4時間🚄 新幹線のぞみ約1時間25分🚆 山陽本線約15分🚌 広電バス湯来線約55〜70分🚌 ささき観光宇佐線約10分/車約10分合計:広島駅から約95分(JR山陽本線+広電バス+ささき観光バス)/湯来ロッジ宿泊者は無料送迎(75分・平日1便)車:中国道「戸河内IC」または山陽道「五日市IC」から約40分/広島市中心部から約50分(一般道)※湯来温泉と湯の山温泉は別バス停・別位置(車約10分)/広電バス湯来線は五日市駅南口発(北口ではない)

図:JR広島駅・広島空港・自家用車(戸河内IC/五日市IC)の3ハブから、JR五日市駅南口を中継して広電バス湯来線で湯来温泉まで、ささき観光宇佐線または徒歩で湯の山温泉へ。

🚖 4ハブ別 所要時間・料金比較表

ハブ 推奨ルート 所要時間 料金(片道・大人)
JR広島駅 山陽本線(広島→五日市)約15分+広電バス湯来線(五日市駅南口→湯来温泉)約55〜70分 約75〜90分 約 1,200〜1,400円
JR広島駅(湯来ロッジ宿泊者) 無料予約送迎バス・平日1便のみ 約75分 無料(要予約)
広島空港 リムジンバス(広島駅まで約45〜60分)+JR山陽本線+広電バス湯来線 約145〜180分 約 3,200〜3,500円
戸河内IC/五日市IC 自家用車 各 約40分 高速料金別

重要注記:JR可部線経由は標準ルートではありません(可部線は広島市北部、湯来は南部)。必ずJR山陽本線で五日市駅まで出てから広電バス湯来線へ。また広電バス湯来線は五日市駅南口発着(北口ではない)。

用途別チェックリスト

  • 最速・最安 → JR広島駅 → 山陽本線 → 五日市駅南口 → 広電バス湯来線(約75〜90分・約1,200〜1,400円)
  • 荷物多め・楽したい → 湯来ロッジ宿泊+無料送迎バス(広島駅北口⇄湯来ロッジ・平日1便・要予約)
  • 広島空港から直行したい → 空港リムジンバスで広島駅→上記経路
  • マイカー → 戸河内IC または 五日市IC から各40分

❄ 冬期凍結注意点

標高約400m級の山あい立地のため、12月〜2月の積雪・路面凍結に注意。広電バス湯来線は冬期もダイヤどおり運行されますが、自家用車利用時は冬タイヤ・チェーン必携。湯来町は年に数回まとまった積雪があり、湯の山温泉館の駐車場や森井旅館までの坂道で滑りやすくなります。雪見露天は森井旅館の源泉風呂(加温あり)と湯の山温泉館の打たせ湯(冷源泉・覚悟して入る)で楽しめます。

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アクセスが確認できたら、宿の空室・料金もチェック。湯来・湯の山温泉郷の宿泊施設を比較検討できます。江戸番付西-前頭2段目「芸州川治の湯」と国指定文化財の名湯です。

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1泊2日モデル旅程と湯来・湯の山温泉郷 周辺観光(広島)

湯の山温泉単体では半日〜1日の湯治コースが基本ですが、車で約10分の湯来温泉と組み合わせれば、1泊2日で湯来・湯の山温泉郷を満喫できます。「行ってから何をするか」を時系列で整理します。

モデル旅程:1泊2日 ── 浅野公の湯治場と湯ノ山明神を巡る

時刻 行動 場所 滞在時間
1日目 13:00 JR五日市駅南口着 → 広電バス湯来線 五日市駅
14:15 湯来温泉バス停下車 → 湯来ロッジで日帰り入浴 湯来ロッジ 60分
15:30 ささき観光宇佐線または徒歩で湯の山温泉へ 移動 30分
16:00 森井旅館チェックイン → 浅野公伝承の湯船で源泉そのまま体験 森井旅館 60分
17:30 湯の山温泉館で地上4mの打たせ湯(冷源泉) 共同浴場 60分
19:00 森井旅館で夕食 → 22:00 就寝 旅館
2日目 8:00 朝食 → チェックアウト 旅館 60分
9:30 湯ノ山明神社・旧湯治場見学(国・重要有形民俗文化財) 徒歩圏 60分
11:00 砂谷牧場(湯来町砂谷地区)でランチ・乳製品 車約15分 90分
13:30 湯来温泉バス停 → 広電バス湯来線で五日市駅 帰路
15:00 JR広島駅着

周辺観光詳細

スポット 見学料 所要 備考
湯ノ山明神旧湯治場 無料(湯坪・湯屋見学) 60分 国・重要有形民俗文化財(1974/2/18指定)/文化遺産オンライン
湯ノ山明神社(湯之山神社) 無料・御朱印あり 30分 宝永4年(1707年)寄銀で湯屋建立・寛延3年(1750年)藩事業で再建
湯の山温泉館(打たせ湯) 大人450円〜 60分 地上4mから落ちる冷源泉の打たせ湯が名物
クアハウス湯の山 利用料別 60〜90分 1994年開設の温泉複合施設
湯来ロッジ(日帰り入浴) 大人750円 60分 水内川面の露天・加水なし源泉掛け流し
砂谷牧場(湯来町砂谷) 無料見学 60〜90分 湯来町の乳製品ブランド
誠の桧湯(湯来温泉・共同露天) 利用料別 30分 2019年復活

文化財制度の区別:湯ノ山明神旧湯治場は国の重要有形民俗文化財(民俗文化財/有形)であり、国指定史跡ではありません。文化財保護法における「民俗文化財」と「史跡」は別カテゴリです。湯坪・湯屋・湯の山明神社が諸施設一括で1974/2/18に指定されています。


四季の楽しみ方(広島・湯来町)

標高約400m級の湯来町和田は、四季それぞれに表情を変えます。広島市内中心部より気温が下がるため、夏は涼しく、冬は雪見が成立します。

季節 見どころ 一言
春(4-5月) 水内川の渓流・新緑・湯ノ山明神社例祭 川治(水内川流域)の本来の春景色
夏(6-8月) 鮎漁解禁(水内川)・湯の山温泉館の打たせ湯で涼 標高400mで広島市街より涼しい・冷源泉が真価を発揮する季節
秋(10-11月) 感応山麓の紅葉・湯来町の里山風景 国民保健温泉地らしい静かな紅葉鑑賞
冬(12-2月) 雪見(森井旅館・湯来ロッジ)・冷鉱泉を加温した湯船 標高400mで降雪あり・路面凍結注意

湯ノ山明神社 例祭

宝永4年(1707年)の湯屋建立、寛延元年(1748年)8月の社殿完成、寛延3年(1750年)正月の藩事業再建上棟落成という長い歴史を持つ湯ノ山明神社。年中行事として地元住民に守られており、御朱印もいただけるため、湯治と参拝を兼ねた訪問が可能です。

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水内川の鮎漁・感応山の紅葉・冬の雪見と冷鉱泉加温湯。四季それぞれの湯来・湯の山温泉郷を森井旅館・湯来ロッジで。

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泉質と効能 ── アルカリ性単純弱放射能温泉(ラドン17マッヘ・地上4m打たせ湯)

湯の山温泉(広島)の泉質はアルカリ性単純弱放射能温泉(ラドン含有)。源泉温度23.5℃/23.2℃の冷鉱泉(25℃未満)で、湯の山温泉館では加温して提供する一方、森井旅館では源泉そのままの湯船も併設されています。

源泉一覧(公式)

項目 旧泉源(旧館源泉) 新泉源(新館源泉)
泉質 アルカリ性単純弱放射能温泉 同左
源泉温度 23.5℃(冷鉱泉) 23.2℃(冷鉱泉)
湧出量 75 L/分(自然湧水) 300 L/分(動力揚水)
利用 旅館・湯の山温泉館・湯の山明神社 クアハウス湯の山ほか
ラドン濃度 17マッヘ

出典:Wikipedia 湯の山温泉(広島県)日本温泉協会湯来観光地域づくり公社

湯の山温泉館 ── 地上4mの打たせ湯

項目 内容
住所 〒738-0601 広島県広島市佐伯区湯来町大字和田471
電話 0829-83-0802
営業時間 夏季(6/1〜9/30)9:00〜21:00(最終受付20:30)/冬季(10/1〜5/31)9:00〜20:00(最終受付19:30)
入浴料 1回 大人450円・子供150円/1日 大人800円・子供400円(入湯税含む)
休館日 不定休(メンテナンス休館あり)
駐車場 専用5台+専用以外約40台
名物 地上4mから落ちる冷源泉の打たせ湯(肩こり・神経痛に良いとされる)
源泉 アルカリ性単純弱放射能温泉 23.5℃

適応症(湯の山温泉館公式)

  • 関節リウマチ
  • 冷え性
  • 軽症高血圧
  • 慢性疾患
  • (拡張)神経痛・筋肉痛・関節痛・疲労回復・打ち身・痛風・動脈硬化・胃腸病・胆のう炎・慢性皮ふ病・痔疾・慢性婦人病
  • 肩こり(打たせ湯)

⚠ 「単純温泉」とだけ表記される例もありますが、正確には「アルカリ性単純弱放射能温泉」(ラドン含有)「放射能泉」として効能が評価される泉質です。なお現代の医学的効能を断定するものではなく、温泉施設・温泉協会の公表値としてご紹介しています。

現代の適応症(厚生労働省告示の療養泉適応症・参考)

  • 泉質別適応症(放射能泉):高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎ほか
  • 一般適応症:筋肉・関節の慢性的な痛みやこわばり、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状、病後回復期、疲労回復、健康増進

📢 アルカリ性単純弱放射能温泉を体験できる宿(CTA③)

湯の山温泉(広島)の冷鉱泉ラドン17マッヘを源泉そのまま体験できるのは森井旅館の浅野公伝承の湯船と、湯の山温泉館の地上4m打たせ湯だけ。湯来ロッジの加水なし源泉掛け流しも合わせて湯巡りを。

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江戸期温泉番付『諸国温泉功能鑑』── 西-前頭2段目「芸州川治の湯」

湯の山温泉(広島)は、江戸時代の温泉番付の代表格『諸国温泉功能鑑』に西-前頭2段目「芸州川治の湯」として登載されました。広島県内の温泉地で番付西方上位段位に名を残すのは湯の山温泉のみで、中国地方有数の歴史的温泉地としての裏付けとなります。

番付の概要

『諸国温泉功能鑑』は江戸時代の温泉番付の代表格。嘉永4年(1851年)版が最も流布し、西方では摂州有馬を大関、但馬城崎を関脇、予州道後を小結とする段位構成が確定しています(onsen360 諸国温泉功能鑑1851年版解析)。

1851年版『諸国温泉功能鑑』西方段位

段位 温泉名 現在の温泉地
大関 摂州|有馬の湯 兵庫|有馬温泉
関脇 但馬|城の崎の湯 兵庫|城崎温泉
小結 予州|どふごの湯 愛媛|道後温泉
前頭1段目 加州|山中の湯 石川|山中温泉
前頭1段目 肥後|阿蘇の湯 熊本|阿蘇温泉郷
前頭1段目 豊後|浜脇の湯 大分|浜脇温泉
前頭1段目 肥前|温泉の湯 長崎|雲仙温泉
前頭1段目 薩摩|霧島の湯 鹿児島|霧島温泉
前頭1段目 豊後|別府の湯 大分|別府温泉
前頭1段目 肥後|山家の湯 熊本|山鹿温泉
前頭2段目 芸州|川治の湯 広島|湯の山温泉(本記事)

出典:onsen360Wikipedia 温泉番付東京大学デジタルアーカイブ

道後(小結)の1段下相当のポジション。中国・四国地方の番付登載湯としては、城崎(関脇)・道後(小結)に次ぐ西国温泉地としての評価を受けていました。

「川治の湯」名称の由来と読み方

川治(かわじ/せんじ)」の読みは、Wikipedia・各種温泉解説・地元郷土史で揺れがあり、確定した一次史料での読み下しは確認できません。湯の山温泉が水内川・湯来川流域に位置することから「川(沿いの湯)治(湯治)」の意と推定されますが、本記事では「川治(かわじ/せんじ)」と両論併記でご紹介しています。

栃木県川治温泉とは完全に別物です。「芸州」(芸州=安芸国=広島県西部)の冠で必ず区別してください。


大同2年(807年)開湯伝承から1750年浅野吉長入湯まで ── 湯の山温泉(広島)の歴史

湯の山温泉(広島)の歴史は、大同2年(807年)の感応山麓・慶応蔵院境内からの湧出伝承に始まり、宝永4年(1707年)の地域寄銀での湯屋建立、寛延3年(1750年)の広島藩主浅野吉長による湯治場建造・自ら入湯・庶民開放という、約1200年の長い時間軸を持ちます。

江戸時代 年表(裏取り済)

年号 西暦 出来事 出典
大同2年 807 感応山麓・慶応蔵院境内より湯湧出(伝承) 湯之山神社由緒/くにたまの会
宝永4年 1707 湧出量増加。地域の祠の参銭・散銭・寄銀で湯の山明神・湯屋を建立 くにたまの会/Wikipedia
寛延元年 1748 入湯者増加。8月、湯の山明神社殿完成 くにたまの会/公式
寛延2年 1749 10月、広島藩が湯の山神社・拝殿・湯屋の再建を藩事業として開始/藩主浅野吉長命で藩儒・堀正脩が「霊泉記」作成 Wikipedia/くにたまの会
寛延3年 1750 正月、神社再建上棟落成。広島藩が湯の山明神社と湯治場を建造、藩主浅野吉長入湯。藩が「湯所役人」を置いて庶民に開放 Wikipedia/公式/日本温泉協会
寛政9年 1797 藩絵師・岡岷山入湯(「都志見往来日記・同諸勝図」) Wikipedia

浅野吉長と広島藩の温泉政策

浅野吉長(よしなが/1681-1752)は安芸広島藩42万6千石の第5代藩主(在任1708-1752)。浅野家は外様大名・西国筆頭級で、赤穂浅野家の本家にあたります。寛延3年(1750年)正月、藩事業として湯の山明神社と湯治場を建造させ、自らも入湯「湯所役人」を設置して庶民に開放したという経緯は、近世温泉政策史上でも特筆される庶民開放の事例です。

既存記述の訂正ポイント

  • ✗「1745年湯主館記録」(本記事の元依頼文に記載・出典未確認)
  • ◎「宝永4年(1707年)湯屋建立寛延2年(1749年)「霊泉記」堀正脩作成寛延3年(1750年)湯治場建造・浅野吉長入湯・湯所役人設置」(くにたまの会・公式・日本温泉協会・Wikipediaの3〜4源で一致)
  • 「湯主館」という固有名詞は複数源で確認できず、本記事では採用していません

近現代

出来事
1958年(昭和33年) 広島県史跡指定
1962年(昭和37年) 湯の山温泉が国民保養温泉地に指定(湯来温泉は1955年指定)
1972年(昭和47年) 「湯来・湯の山温泉」として国民保養温泉地(一括)/※日本温泉協会では1962年指定の記述優先
1974年2月18日 湯ノ山明神旧湯治場が国の重要有形民俗文化財に指定
1991年7月 環境庁「国民保健温泉地」に指定
1994年 クアハウス湯の山開設
2005年4月25日 湯来町が広島市に編入(広島市佐伯区湯来町)
「霊泉記」(堀正脩・寛延2年)の概要と藩政温泉政策の意義

「霊泉記」は、寛延2年(1749年)に広島藩主・浅野吉長の命によって藩儒・堀正脩(ほり せいしゅう)が作成した湯の山温泉に関する記録文書とされる。藩主の命による藩儒の執筆という形式は、近世藩政において温泉資源を「藩の公的資産」として位置付ける重要な手続きであり、翌年の寛延3年(1750年)の藩事業による湯治場建造、藩主自らの入湯、湯所役人設置という一連の庶民開放政策の理論的裏付けとなった。「霊泉記」の原本所在および全文の確認は本記事執筆時点(2026-05-16)で未取得のため、今後の地元郷土史研究の進展で詳細が確認される可能性がある。なお江戸期の他藩でも、城崎温泉(豊岡藩)・有馬温泉(幕府直轄)など、藩政・幕政による温泉政策の事例が知られている。


湯ノ山明神旧湯治場 ── 1974年指定の国・重要有形民俗文化財

湯の山温泉(広島)の歴史的価値を象徴するのが、国の重要有形民俗文化財「湯ノ山明神旧湯治場」です。1974年(昭和49年)2月18日指定。湯坪・湯屋・湯の山明神社などの諸施設が一括で指定されています。

文化財詳細(文化遺産オンライン裏取り済)

項目 内容
正式名称 湯ノ山明神旧湯治場(ゆのやまみょうじんきゅうとうじば)
指定区分 重要有形民俗文化財(民俗文化財/有形)
指定年月日 1974年(昭和49年)2月18日
所在地 広島県広島市佐伯区湯来町和田
管理団体 湯ノ山明神社
指定範囲 湯坪・湯屋・湯の山明神社など(諸施設一括)
県史跡指定 1958年(昭和33年)→ その16年後に国指定昇格

出典:文化遺産オンライン heritages/detail/208110

文化遺産オンライン解説文(一次引用)

湯ノ山には古くから鉱泉の湧出があり、霊験の湯として知られてきた。現在は、共同浴場を新設して使用しており、旧来の湯坪は、その上段にある。湯坪は、岩崖を掘りくぼめた素朴なものである。また、湯屋をはじめとした諸施設は当時の姿をよく伝えている。
── 文化遺産オンライン「湯ノ山明神旧湯治場」解説文

特徴

  • 岩崖を掘り窪めた素朴な湯坪(江戸期の姿そのまま)
  • 湯屋の板壁に入湯者の墨書多数(医療と信仰の様相を伝える生活史料)
  • 湯坪・湯屋・湯の山明神社の諸施設一括指定(建築単体ではなく民俗文化財として)

既存記述の重要訂正

  • ✗「国指定史跡」(元依頼文に記載・誤り
  • ◎「国・重要有形民俗文化財」(文化遺産オンライン裏取り済・1974/2/18指定)

⚠ 文化財保護法における「史跡」と「民俗文化財」は別カテゴリです。
史跡:記念物のうち遺跡(古墳・城跡・遺跡など)が対象
重要有形民俗文化財:民俗文化財のうち、生活・生業・信仰に用いられた有形のものが対象

湯ノ山明神旧湯治場は、江戸期の湯治場建築群と医療+信仰の民俗的様相が対象の指定であり、史跡(記念物)ではなく民俗文化財(有形)として国指定を受けています。

「明神社」の表記揺れ

  • 湯ノ山明神社(文化財管理団体名・大カナ)
  • 湯の山明神社(公式記述・小カナ)
  • 湯之山神社(神社単独)
  • 湯之山明神社

公式・文化財表記は「湯ノ山明神社」(管理団体名)。神社単独の社号は「湯之山神社」として御朱印にも記載されています。

文化遺産オンライン「湯ノ山明神旧湯治場」詳細項目と関連情報

文化遺産オンライン(heritages/detail/208110)には、解説文のほか、所在地・指定年月日・指定基準・公開状況・管理団体名(湯ノ山明神社)が掲載されている。重要有形民俗文化財としての指定は1974年2月18日付で、その16年前の1958年(昭和33年)には広島県史跡指定を受けていた。県史跡から国・重要有形民俗文化財への指定昇格は、湯治場建築群と医療+信仰の民俗的価値が、地域文化財の枠を超えて全国的な民俗文化財として評価された結果と読める。なお文化財保護法における「民俗文化財」のカテゴリには、有形民俗文化財(道具・建物・生活用品など)と無形民俗文化財(祭礼・芸能など)があり、湯ノ山明神旧湯治場は前者の「有形」に分類される。

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湯ノ山明神旧湯治場(国・重要有形民俗文化財・1974/2/18指定)の岩崖湯坪と湯屋を見学できるのは湯の山温泉(広島)だけ。森井旅館に泊まれば徒歩圏で文化財見学+浅野公伝承の湯船体験が同時に楽しめます。

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森井旅館 ── 湯の山温泉(広島)唯一の現存旅館・浅野公の湯船を継承

湯の山温泉(広島)の現存唯一の宿泊施設が「湯の山温泉 森井旅館」です。客室5室の小規模旅館ながら、広島藩主浅野公が入浴したと伝わる源泉そのままの湯船を現代に継承する、湯の山温泉の象徴的な宿です。

施設詳細

項目 内容
住所 広島県広島市佐伯区湯来町和田464
客室数 全5室
チェックイン/アウト 16:00/10:00
宿泊料 1泊2食 12,000円〜
日帰り湯治プラン 昼食付 4,800円
風呂 源泉加温の湯船+浅野公が入浴したと伝わる源泉そのままの湯船
湯使い 源泉掛け流し
OTA掲載 楽天トラベル・じゃらんnet・ニフティ温泉・HIS等

出典:森井旅館 楽天トラベル湯来・湯の山温泉郷 公式

訴求軸

  1. 湯の山温泉単体で唯一の現存旅館:江戸期からの湯治場を現代に伝える宿は森井旅館のみ
  2. 浅野公伝承の湯船:寛延3年(1750年)藩主浅野吉長入湯の伝承を持つ湯船を継承
  3. 5室の小規模旅館+源泉掛け流し:静かな湯治環境で本来の温泉地体験ができる

補助施設の組み合わせ

森井旅館1軒のみの湯の山温泉ですが、徒歩圏の湯の山温泉館(450円・地上4m打たせ湯)、車約10分の湯来ロッジ(750円・水内川面露天)と組み合わせれば、1泊2日で3つの異なる湯使い(加温・冷源泉・露天加水なし掛け流し)が体験できます。

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湯来温泉と湯の山温泉 ──「湯来・湯の山温泉郷」一体PRの背景

湯の山温泉(広島)を理解するうえで欠かせないのが、車で約10分の湯来温泉(湯来町多田地区)との関係です。両温泉は同じ湯来町内にあり、1991年7月に「国民保健温泉地」として一括指定を受けるなど、行政・PR上は「湯来・湯の山温泉郷」として一体的に扱われています。

湯来温泉と湯の山温泉の対照表

項目 湯の山温泉(本記事) 湯来温泉(参考)
所在地区 湯来町和田 湯来町多田
開湯伝承 大同2年(807年)・約1200年 白鷺伝説・約1500年(現在の形は1950年開発)
主な施設 森井旅館・湯の山温泉館・湯ノ山明神社・クアハウス湯の山 広島市国民宿舎 湯来ロッジ・河鿿荘・誠の桧湯(共同露天)
代表的な特徴 浅野公湯治場・国指定文化財・冷源泉打たせ湯 水内川面露天・無料送迎バス(広島駅⇄湯来ロッジ)・YMCA研修施設
距離 湯の山温泉から車で約10分

「湯来・湯の山温泉郷」全体規模

  • 6軒・収容力300人日本温泉協会
  • 1991年7月、環境庁「国民保健温泉地」に一括指定
  • 湯来観光協会・NPO法人湯来観光地域づくり公社が組合的機能を担当

湯来ロッジの無料送迎バス

湯来温泉側の広島市国民宿舎 湯来ロッジは、JR広島駅北口⇄湯来ロッジの無料送迎バスを運行しています。

項目 内容
区間 JR広島駅北口(徒歩約3分の指定場所) ⇄ 湯来ロッジ
所要 約75分
運行 平日1日1便のみ・要予約(宿泊半年前〜2日前まで)
運休日 土日祝・GW・お盆・年末年始

→ 湯の山温泉単体には宿泊する場合でも、初日は湯来ロッジに泊まって2日目に湯の山温泉館+森井旅館+湯ノ山明神社を回るという旅程なら、広島駅から手ぶら+無料移動で湯来・湯の山温泉郷を楽しめます。

湯来町成立の沿革(1956年3村合併と2005年広島市編入)

湯来町は1956年(昭和31年)9月30日に、佐伯郡の上水内村・砂谷村・水内村の3村合併で成立した町。町名は「湯来温泉」に由来する。3村の特徴は次のとおり:

  • 上水内村:林業+湯来温泉
  • 水内村:湯の山温泉
  • 砂谷村:農業(砂谷牧場の乳製品が現代も有名)

つまり「湯の山温泉」は合併前の旧・水内村の中核資源であり、「湯来温泉」(上水内村)と合わせて新生・湯来町の核となった経緯がある。2005年4月25日には湯来町が広島市に編入され、広島市佐伯区湯来町となった。「湯来」という地名自体が温泉文化と不可分の歴史を持つことが、現代の「湯来・湯の山温泉郷」一体PRの背景にある。


よくある質問(FAQ・10問)

# Q A
1 三重県の湯の山温泉と同じ? 完全に別物。本記事は広島県広島市佐伯区湯来町和田の湯の山温泉。三重県は三重郡菰野町・御在所岳麓・近鉄湯の山温泉駅の温泉地。
2 湯の山温泉(広島)に宿は何軒? 湯の山温泉単体は森井旅館1軒のみ。隣接する湯来温泉と合わせた「湯来・湯の山温泉郷」全体では6軒・収容300人(日本温泉協会)。
3 江戸番付の段位は? 西-前頭2段目「芸州川治の湯」(『諸国温泉功能鑑』1851年版)。広島県内の番付登載湯としては唯一の存在。
4 「川治」の読みは? 「かわじ」または「せんじ」の両説あり。一次史料での確定読み下しは未確認のため、本記事では両論併記。
5 文化財指定は史跡? 国・重要有形民俗文化財(民俗文化財/有形)。史跡ではない。1974年2月18日指定の「湯ノ山明神旧湯治場」(湯坪・湯屋・湯の山明神社一括)。
6 浅野公が入浴したのは何年? 寛延3年(1750年)正月、広島藩第5代藩主・浅野吉長(よしなが)が藩事業の湯治場建造後に自ら入湯。湯所役人を設置して庶民に開放した。
7 泉質と源泉温度は? アルカリ性単純弱放射能温泉(ラドン17マッヘ)。源泉温度23.5℃/23.2℃の冷鉱泉(25℃未満)。湯の山温泉館では加温して提供、森井旅館では源泉そのままの湯船も併設。
8 広島駅から最速・最安は? JR山陽本線で五日市駅まで約15分→広電バス湯来線(五日市駅南口発)で湯来温泉まで約55〜70分。JR可部線経由は標準ルートではないので注意。
9 無料送迎バスはある? 湯来ロッジ宿泊者限定で広島駅北口⇄湯来ロッジ間の無料送迎バスあり。平日1日1便・要予約・土日祝GW盆年末年始運休。湯の山温泉までは湯来ロッジから乗換または徒歩約20分。
10 1745年湯主館記録というのは本当? 複数源で確認できず、本記事では採用していない。正しくは宝永4年(1707年)湯屋建立寛延3年(1750年)湯治場建造・浅野吉長入湯として年表化している。

まとめ

湯の山温泉(広島)は、広島県唯一の江戸番付登載湯(西-前頭2段目「芸州川治の湯」)でありながら、現存宿泊1軒(森井旅館)の極小温泉地という稀有なポジションを持つ温泉地です。

  • 江戸番付『諸国温泉功能鑑』西-前頭2段目「芸州川治の湯」(道後の1段下相当)
  • 大同2年(807年)の感応山麓湧出伝承から寛延3年(1750年)浅野吉長入湯まで約1200年の歴史
  • 国・重要有形民俗文化財「湯ノ山明神旧湯治場」(1974/2/18指定・湯坪・湯屋・明神社一括)
  • アルカリ性単純弱放射能温泉(ラドン17マッヘ・冷鉱泉23.5℃)と地上4m打たせ湯
  • 湯来・湯の山温泉郷」として1991年国民保健温泉地一括指定・湯来ロッジ無料送迎バス活用可

歴史×文化財×冷源泉」の三位一体で、湯の山温泉(広島)の本来の魅力を再発見できる温泉地です。広島駅から1時間少々という近距離にこれだけの歴史的厚みと国指定文化財が現存していることは、平和記念公園・宮島の影に隠れがちですが、広島湯治の本命として再評価される価値があります。

森井旅館1軒+湯の山温泉館+湯ノ山明神旧湯治場+湯来ロッジ(無料送迎)を組み合わせれば、広島市内から1泊2日で湯巡り・歴史散策・文化財見学が完結します。⚠ 三重県湯の山温泉との混同にご注意のうえ、ぜひ一次史料と現地体験の両方から再発見してみてください。

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参考資料・出典

一次史料・公式(最優先)

  1. 文化遺産オンライン「湯ノ山明神旧湯治場」
  2. 湯来・湯の山温泉郷 公式 湯の山温泉ページ
  3. 湯来・湯の山温泉郷 公式 歴史ページ
  4. 日本温泉協会「湯来・湯の山」
  5. NPO法人湯来観光地域づくり公社
  6. 広島市国民宿舎 湯来ロッジ公式
  7. 湯の山温泉館 公式
  8. 広島電鉄バス 湯来線
  9. 広島電鉄2025年3月改正ダイヤPDF
  10. くにたまの会「湯之山神社」
  11. ひろしま文化大百科「湯ノ山明神旧湯治場」

二次情報

  1. Wikipedia「湯の山温泉(広島県)」
  2. Wikipedia「温泉番付」
  3. onsen360「諸国温泉功能鑑1851年版」
  4. 東京大学デジタルアーカイブ『諸国温泉効能鑑』
  5. 東京都立図書館『諸国温泉鑑』
  6. 楽天トラベル 森井旅館
  7. 楽天トラベル 湯の山温泉エリア
  8. 心を癒す日本温泉ネットワーク「湯の山温泉」
  9. 湯之山神社 御朱印情報

執筆:がや

温泉番付に登載された全国の名湯を、一次史料と公式情報を突き合わせて紹介する温泉ライター。江戸期『諸国温泉功能鑑』に登載された名湯を中心に、開湯伝説・泉質・宿泊事情を実地と公式情報で検証して執筆中(湯の山温泉(広島)は文化遺産オンライン・湯来観光地域づくり公社・くにたまの会・Wikipedia等の一次資料と地元解説を多角的に交差検証)。本記事はマザー記事「温泉番付(江戸時代)を今の温泉名にして地図に表記!」から派生した広島県の温泉地紹介記事で、西-前頭2段目「芸州川治の湯」として登載された中国地方の番付登載湯としてまとめました。

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