温湯温泉(青森県黒石市)|朝5時から入れる鶴の名湯と客舎が残る400年の湯治場

夜明け前の午前5時。青森県黒石市の山あい、浅瀬石川のほとりで、共同浴場「鶴の名湯 温湯温泉共同浴場」の一日が静かに始まります。立ちのぼる湯けむり、湯屋を囲む木造の宿々——温湯温泉(ぬるゆおんせん)は、傷ついた鶴が湯浴びで癒えたという伝説を持つ、津軽の「鶴の名湯」です。

内風呂を持たない「客舎(かくしゃ)」と呼ばれる宿に泊まり、湯は共同浴場へ通う。そんな津軽独特の湯治文化が、ここでは400年以上にわたって受け継がれてきました。共同浴場を中心に、明治後期から大正にかけて建てられた木造の宿が立ち並ぶ町並みは、歩くだけで時代をさかのぼるような趣があります。

アクセスは弘南鉄道黒石駅からバスで約20分。江戸時代の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版・筆者所蔵)に「津軽温湯の泉」として東・前頭に登載された実力は、入浴料大人350円・朝5時から夜10時まで年中無休という現役の共同浴場に、いまも息づいています。

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執筆:がや(温泉ライター)
江戸期の温泉番付『諸國温泉鑑』弘化2年(1845年)改訂版を所蔵。番付に名を連ねる全国の温泉地を、所蔵史料と観光協会・自治体などの公式情報をもとに調査し、紹介しています。本記事も公式・公的資料に基づく調査記事です。江戸の温泉番付『諸国温泉鑑』を今の温泉名にして地図に表記した記事もあわせてご覧ください。

鶴の名湯と客舎文化が残る400年の湯治場 温湯温泉|江戸の温泉番付「津軽温湯の泉」東・前頭3段目・朝5時開場の共同浴場・源泉かけ流しナトリウム塩化物泉

この記事で分かること

  • 共同浴場の営業時間・料金と利用のポイント
  • 黒石駅からのバスアクセスと冬期の注意点
  • 源泉かけ流しの泉質・効能の特徴
  • 江戸期の温泉番付に載った歴史と「客舎」という宿文化
  • 周辺観光・ご当地グルメと1泊2日のモデル旅程

温湯温泉の基本情報|朝5時開場・大人350円の共同浴場を中心にした宿6軒の湯治場

共同浴場「鶴の名湯 温湯温泉共同浴場」の外観(鶴の意匠の白壁と黒屋根)
温泉街の中心に建つ「鶴の名湯」——客舎の湯治客もここへ通う(出典:Wikimedia Commons/パブリックドメイン)

温湯温泉は、青森県黒石市の郊外、浅瀬石川(あせいしがわ)沿いに位置する温泉地です。黒石観光協会の区分では、温湯・落合・板留・青荷の4温泉地からなる「黒石温泉郷」のひとつに数えられ、温湯はその玄関口にあたると紹介されています。宿は、黒石観光協会の温湯温泉ページに旅館・民宿・客舎あわせて6軒が掲載されています(2026年7月時点・同ページ掲載数)。

町の中心にあるのは、共同浴場「鶴の名湯 温湯温泉共同浴場」。その周囲を、明治後期から大正にかけて建てられた木造の宿が囲みます。大型ホテルが建ち並ぶ観光温泉街とは対照的な、コンパクトで静かな湯治場——それが温湯温泉の姿です。

項目 内容
温泉地名 温湯温泉(ぬるゆおんせん)/黒石温泉郷
中心施設 鶴の名湯 温湯温泉共同浴場
所在地 〒036-0411 青森県黒石市大字温湯字鶴泉79(共同浴場)
電話 0172-54-8591(共同浴場)
営業時間 5:00~22:00(入館は21:30まで)・年中無休
入浴料金 大人350円(中学生以上)・子供100円・3歳以下無料
泉質 ナトリウム・塩化物泉(源泉かけ流し)
アクセス 弘南鉄道黒石駅から弘南バスで約20分

読みは「ぬるゆ」。名前から「ぬるい湯」を想像しがちですが、由来はまったく逆で、「温もりが長く保たれる湯」であることから名づけられたと伝わります。源泉は50℃を超える高温泉とされ、名前のイメージとのギャップも、この温泉地の面白さのひとつです。

アクセス|黒石駅から弘南バスで約20分・冬期は豪雪地帯への備えを

黒石駅からのバス|「黒石~温川」線で約20分

公共交通の基点は、弘南鉄道弘南線の黒石駅です。黒石駅から弘南バスの「黒石~温川」線(温湯・板留・落合~虹の湖経由)に乗車し、約20分で温湯温泉に到着します(最寄りバス停は「下温湯」など)。

路線バスの運行本数・始発終発の時刻は季節やダイヤ改正で変わるため、出発前に弘南バス(電話:0172-36-5061)の最新時刻表を必ず確認しておきましょう。

遠方からのアクセス|弘前駅経由が基本ルート

  • 鉄道:八戸駅から特急つがるで青森駅へ。青森駅から奥羽本線で弘前駅、弘前駅から弘南鉄道で黒石駅へ
  • 空路:青森空港からシャトルバス(弘前方面)で弘前駅へ出て、弘南鉄道で黒石駅へ。タクシー利用なら青森空港から黒石市街まで約30分
  • 高速バス:東京方面から「ノクターン号」「青森上野号」「パンダ号」で弘前駅へ。以降は弘南鉄道で黒石駅へ

主要起点からのルート早見表

出発地 経路 目安
黒石駅 弘南バス「黒石~温川」線(下温湯下車) バス約20分
弘前駅 弘南鉄道弘南線で黒石駅へ→上記バス 黒石駅からバス約20分
新青森駅 奥羽本線で弘前駅→弘南鉄道→黒石駅→バス 弘前駅経由
青森駅 奥羽本線で弘前駅→弘南鉄道→黒石駅→バス 弘前駅経由
青森空港 タクシーで黒石市街へ→バス等(または弘前駅経由) タクシー約30分(黒石市街まで)

車で訪れる場合の高速道路からの所要時間は、黒石観光協会の公式アクセス案内に記載がないため、カーナビや道路情報サービスで最新の経路・所要時間を確認してください。

冬期の注意点

黒石市は津軽地方の豪雪地帯です。市街地に雪よけのアーケード「こみせ」が発達したこと自体が、この土地の雪深さを物語ります。冬期に車で訪れる場合は冬タイヤの装着と時間の余裕を確保し、バス利用の場合は積雪による遅延・運休の可能性を踏まえて、最新の運行情報を確認してから出発しましょう。

朝5時の一番湯を目指すなら、宿は温湯で

共同浴場まで歩いてすぐの宿に泊まれば、湯治場の朝をまるごと味わえます。バスの本数が限られる温湯こそ、泊まりでゆっくりがおすすめです。

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共同浴場の所在地・営業情報

名称 鶴の名湯 温湯温泉共同浴場
住所 〒036-0411 青森県黒石市大字温湯字鶴泉79
電話 0172-54-8591
営業 5:00〜22:00(入館21:30まで・年中無休)
料金 大人350円(中学生以上)・子供100円・3歳以下無料

モデル旅程|共同浴場とこみせ通りをめぐる1泊2日の湯治プラン

黒石市・中町こみせ通りの伝統的な町並み
黒石市・中町こみせ通り(出典:Wikimedia Commons/掬茶/CC BY-SA 4.0)

温湯温泉は「共同浴場に通う」滞在そのものが体験の核になる温泉地です。黒石市街の見どころと組み合わせた、公共交通で回れる1泊2日のモデル旅程を紹介します。

時間帯 行程
1日目・午前 弘前駅から弘南鉄道で黒石駅へ
1日目・昼 黒石市街で名物「黒石つゆやきそば」の昼食
1日目・午後 中町こみせ通りを散策し、津軽こけし館にも足を延ばす。夕方までに弘南バスで温湯温泉へ(約20分)
1日目・夕方~夜 宿にチェックインし、共同浴場で入浴(22:00まで・入館は21:30まで)。客舎泊なら自炊で湯治気分を
2日目・早朝 朝5時開場の共同浴場で朝湯。湯上がりに木造の宿が並ぶ温泉街を散歩
2日目・午前 集落内のこけし工房を見学(見学できると紹介されています)
2日目・昼 バスで黒石駅方面へ戻り、帰路へ

紅葉の季節(例年10月中旬~11月上旬)に訪れるなら、黒石市内の中野もみじ山を行程に加えるのがおすすめです。詳しくは次の「四季の楽しみ方」で紹介します。

四季の楽しみ方|中野もみじ山の紅葉から雪のこみせまで

冬の黒石・こみせ(雪囲いされた木造アーケードの内部)
冬のこみせ(出典:Wikimedia Commons/jkyZjdjNjN〈Panoramio〉/CC BY 3.0)

春・夏|浅瀬石川沿いの新緑と虹の湖公園

温湯温泉は浅瀬石川沿いの温泉地。春から夏にかけては、川沿いの緑と静かな湯治場の空気をゆっくり味わう季節です。浅瀬石川の上流にはダム湖「虹の湖」が広がり、湖畔の道の駅・虹の湖公園には、温湯こけしをかたどったジャンボローラーすべり台などの大型遊具があります。家族連れの立ち寄り先にぴったりです。

秋|中野もみじ山の紅葉とライトアップ

秋の主役は、黒石市内の紅葉名所・中野もみじ山です。1802年に弘前藩主・津軽寧親が京都から百余種の楓の苗を移植したのが始まりと伝えられ、「小嵐山」の別名を持ちます。樹齢100年を超えるもみじが約130本あるとされ、見頃は例年10月中旬~11月上旬。近年は見頃に合わせた夜間ライトアップも行われており、2025年は10月18日から11月9日まで16:30~21:00で実施されました。開催日時は年によって変わるため、最新の公式発表を確認してください。

冬|雪の湯治場と黒石のこみせ

冬の黒石は雪深く、温湯の木造の温泉街も雪に包まれます。熱い塩化物泉と雪景色の組み合わせは、冬の湯治場ならではの魅力です。黒石市街では、雪よけのアーケード「こみせ」が本来の役割を果たす季節でもあります。ただし豪雪地帯ゆえ、アクセスの項で触れた冬期の備えは万全にしてください。

紅葉シーズンの宿は早めの確保を

中野もみじ山の見頃は例年10月中旬~11月上旬。紅葉と朝湯を両方楽しむなら、温湯温泉周辺の宿を早めに押さえておきましょう。

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泉質・効能|源泉かけ流しのナトリウム・塩化物泉

温湯温泉の泉質はナトリウム・塩化物泉で、黒石観光協会・松の湯交流館など複数の公式系資料で一致して案内されています。共同浴場の湯づかいは源泉かけ流し。松の湯交流館の案内では「塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)」という表記も紹介されています。

源泉温度は、松の湯交流館が「52~57度」、百科事典系の資料が「60℃」と、資料によって幅があります。いずれにしても50℃を超える高温泉であり、「ぬるゆ」という名前のイメージとは対照的な、しっかり熱い源泉です。

効能について、共同浴場の公式案内では「神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性リウマチ等」とされています。松の湯交流館の案内では「胃腸病・リュウマチ・運動機能障害など」と紹介されており、資料により表記に幅があります。いずれも温泉の一般的な適応症の案内であり、効果を保証するものではありません。

なお、湧出量やpHの実測値、成分総量については、本記事の執筆時点で公式の分析情報を確認できていません。詳しく知りたい方は、現地の温泉分析書の掲示をご確認ください。

温湯温泉のふるさと納税|黒石市を応援

温湯温泉のある黒石市は、楽天ふるさと納税に窓口を開設しています。旅の前後に返礼品のラインナップを眺めながら、400年の湯治文化とこけしの伝統が息づくまちを応援してみてはいかがでしょうか。

歴史|温泉番付・東前頭の古湯と鶴の伝説・客舎文化

鶴の伝説|傷ついた鶴が7日で癒えた「鶴の名湯」

温湯温泉の始まりは、400年以上前にさかのぼると伝えられます。神山右仲(かみやまうちゅう)という人物が、浅瀬石川の川辺に生えている葦原で、傷ついた1羽の鶴を見つけました。鶴は湯浴びを続け、7日後には回復して飛び立った——この出来事から源泉が発見されたと伝えられています。共同浴場の名「鶴の名湯」はこの伝説に由来し、共同浴場の住所の字名にも「鶴泉」の文字が残っています。

「温湯」の名の由来|1624年・京の公家が命名

1624年には、江戸時代に津軽へ配された京都の公家・花山院忠長(かざんいんただなが)が入湯しました。忠長はその効用を絶賛し、湯上がりの温もりが長く保たれる特徴から「温湯」と名づけたと伝えられています。さらに文献の上では、1540年代の『郡中名字』に「熱後湯」、1590年代の書物に「温湯」の表記が見えるとされ、地名としての歴史の古さがうかがえます。

江戸の温泉番付|『諸国温泉鑑』で東・前頭3段目に登載

筆者が所蔵する江戸期の温泉番付『諸国温泉鑑』(弘化2年=1845年改訂版)には、温湯温泉が東 前頭3段目「津軽温湯の泉」として登載されています。相撲の番付に見立てて全国の名湯を格付けしたこの史料で、津軽の一湯治場が東方の前頭に名を連ねているのは、当時から知られた実力の証といえます。松の湯交流館も「1817年に書かれたとされる温泉番付では、温湯温泉は東エリアの前頭にランクイン」と紹介しており、江戸後期を通じて「東の前頭」に位置づけられていたことが複数の系統で整合します(番付の名称・年代は史料により異なります)。

客舎文化|自炊して共同浴場に通う、津軽独特の湯治スタイル

かつての津軽の温泉地では、内風呂のない「客舎(かくしゃ)」と呼ばれる宿に泊まり、食事は自炊、風呂は共同浴場に入りに行くのが一般的でした。温湯温泉はこの客舎文化を色濃く残す湯治場で、共同浴場「鶴の名湯」を中心に、明治後期から大正にかけての木造の客舎が立ち並ぶ町並みがいまも見られます。

現在、名称に「客舎」を含む宿は温湯に2軒(後藤温泉客舎・盛萬客舎)。このうち「風呂が無く自炊のみ」という昔ながらの形を保つ客舎は、青森県内で後藤温泉客舎ただ一軒と紹介されています。400年以上続く湯治場の暮らしを、建物ごと今に伝える貴重な存在です。

明治・大正の木造宿で、湯治場の時間を過ごす

共同浴場に通い、静かな夜を木造の宿で過ごす。江戸の番付に載った古湯ならではの滞在を計画してみませんか。

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宿泊・入浴施設|公式掲載6軒の宿と共同浴場の使い方

黒石観光協会の温湯温泉ページには、次の6軒が掲載されています(2026年7月時点・同協会の温湯温泉個別ページ基準)。

宿名 住所 電話
飯塚旅館 黒石市温湯字鶴泉60 0172-54-8303
三浦屋旅館 黒石市温湯字鶴泉 0172-54-8401
山賊館 黒石市温湯字鶴泉61 0172-54-8421
民宿利兵衛 黒石市温湯字鶴泉43-2 0172-54-8417
後藤温泉客舎 黒石市温湯字鶴泉23 0172-54-8318
盛萬客舎 黒石市温湯字鶴泉41 0172-54-8425

旅館・民宿・客舎と宿の形態はさまざまです。「客舎」を名乗る2軒のうち後藤温泉客舎は、風呂がなく自炊のみという昔ながらの客舎の形を残す宿として紹介されています。客舎に泊まる場合、入浴は共同浴場(大人350円)へ通うスタイルが基本です。食事や設備の詳細は宿ごとに異なるため、予約時に各宿へ直接確認しましょう。

共同浴場「鶴の名湯 温湯温泉共同浴場」は、宿泊者以外も利用できる日帰り入浴施設です。朝5時から夜10時まで(入館は21:30まで)年中無休で開いているので、宿泊とあわせて「朝湯」「寝る前の湯」と一日に何度も楽しめます。

黒石温泉郷のほかの温泉地|板留・落合・青荷とあわせて湯めぐり

黒石温泉郷は温湯のほか、落合・板留・青荷の各温泉地で構成されます。同じ浅瀬石川沿いの板留温泉には旅の宿斉川やホテルあずまし屋などの宿があり、浅瀬石川をはさんで板留と向かい合う落合温泉は「黒石の奥座敷」と呼ばれ、花禅の庄・かねさだ旅館が構えます。さらに山あいには青荷温泉・長寿温泉 松寿荘も。温湯を玄関口に、黒石温泉郷の湯めぐりへ広げるのもおすすめです。

周辺観光|中町こみせ通り・津軽こけし館・虹の湖

中町こみせ通り|雪国のアーケードが連なる藩政時代の町並み

黒石市街の中町こみせ通りは、雪や雨をしのぐアーケード状の通路「こみせ」が連なる、藩政時代からの町並みです。「全国的にも類例がない」とも評され、平成17年(2005年)に重要伝統的建造物群保存地区に選定、昭和62年(1987年)には「日本の道百選」にも選ばれたと紹介されています。最盛期にはこみせの総延長が約4.8kmに及んだとされ、通りには重要文化財の高橋家住宅や造り酒屋、蔵が並びます。温湯温泉へ向かうバスに乗る前後の散策にちょうどよい立地です。

温湯こけしと津軽こけし館|津軽系こけし発祥の地

温湯温泉は、津軽系こけしの発祥地です。大正時代の初めに、津軽系こけしの創始者・盛秀太郎(もりひでたろう)がこの地でこけしを作り始めました。胴に描かれるアイヌ模様、眉を吊り上げてにらみをきかせる顔、すそ広で膨らんだ胸と極端な腰のくびれ、そして津軽藩の家紋から取り入れたといわれる牡丹の花——それが温湯こけしならではの特徴です。オカッパ頭やねぶた絵も特徴として挙げられます。

こけしはもともと、江戸時代末期から東北の湯治場で子どものおもちゃとして作られてきたもの。湯治場・温湯とこけしの結びつきは、その歴史の正統な延長線上にあります。現在は「津軽こけし工人会」が伝統と新しさを見据えたこけし作りを続けており、集落内ではこけし工房を見学できると紹介されています。また黒石市内の津軽こけし館では、各地のこけし約4,000本を展示し、盛秀太郎・佐藤善二の両名工の特設コーナーもあるとされています(展示内容の詳細は同館の公式案内でご確認ください)。

浅瀬石川ダムと虹の湖|こけしのすべり台がある湖畔公園

温湯からさらに浅瀬石川の上流へ進むと、「県内最大規模」「津軽圏域のみずがめ」と紹介される浅瀬石川ダムがあり、ダム資料館も併設されています。ダム湖は「虹の湖」と呼ばれ、湖畔の道の駅・虹の湖公園には温湯こけしのジャンボローラーすべり台などの大型遊具が整備されています。温湯こけしが遊具になって子どもたちを迎える——こけしの里らしい立ち寄りスポットです。

こみせとこけしの町歩きは、温湯を拠点に

黒石市街の観光と湯治場の朝湯を両立するなら、温湯温泉泊が便利です。空室があるうちに予定を押さえましょう。

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グルメ|黒石つゆやきそばと太平麺の黒石やきそば

温湯温泉の旅とセットで味わいたいのが、黒石市のご当地グルメ「黒石やきそば」と「黒石つゆやきそば」です。

黒石やきそばは、太くて平たい「太平麺」に甘辛いソースをからめるのが特徴。戦後、市内の製麺所の中華麺から生まれ、昭和30年頃には子どものおやつとして親しまれたと紹介されています。

その黒石やきそばを器に入れ、そばつゆを注いで揚げ玉とネギをのせたのが「黒石つゆやきそば」。昭和30年代後半に市内の食堂「美満寿」で焼きそばにつゆをかけた「つゆそば」が出されたのが起源とされます。和風だしが基本ですが、ラーメンスープや豚骨、塩つゆなどのバリエーションもあり、市内では黒石やきそば・つゆやきそばを扱う店が70店舗以上にのぼるとされています。黒石駅からバスに乗る前後の昼食にぜひどうぞ。

よくある質問|料金・アクセス・冬の旅の疑問に回答

共同浴場の営業時間と料金は?

朝5時から夜10時まで(入館は21時30分まで)、年中無休です。料金は大人(中学生以上)350円、子供100円、3歳以下は無料です。

車がなくても行けますか?

行けます。弘南鉄道黒石駅から弘南バス「黒石~温川」線で約20分です。ただし路線バスの本数は限られるため、事前に弘南バス(0172-36-5061)の時刻表を確認し、帰りの便まで決めてから出かけるのが安心です。

日帰りでも楽しめますか?

楽しめます。共同浴場「鶴の名湯 温湯温泉共同浴場」は宿泊者以外も利用できる日帰り入浴施設です。黒石市街の中町こみせ通り散策や黒石つゆやきそばと組み合わせれば、日帰りでも充実したコースになります。

泉質と効能は?

源泉かけ流しのナトリウム・塩化物泉です。共同浴場の公式案内では、神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性リウマチ等に良いとされています(効果を保証するものではありません)。

「客舎」とは何ですか?今も泊まれますか?

客舎とは、内風呂を持たず、自炊しながら共同浴場に通う津軽独特の湯治宿です。温湯温泉には「客舎」を名乗る宿が後藤温泉客舎・盛萬客舎の2軒あり、うち後藤温泉客舎は風呂なし・自炊のみの昔ながらの形を残す宿として青森県内でただ一軒と紹介されています。設備や食事の詳細は予約時に各宿へ確認してください。

冬に訪れても大丈夫ですか?

訪れることはできますが、豪雪地帯への備えが必要です。共同浴場は年中無休で、雪見の湯治は冬ならではの魅力。一方で、車なら冬タイヤと時間の余裕を、バスなら積雪による遅延・運休を想定して最新の運行情報を確認してから出発しましょう。

疑問が解けたら、あとは泊まる日を決めるだけ

朝5時の一番湯、客舎の静かな夜、雪見の湯治。温湯温泉の過ごし方が決まったら、宿の空き状況をチェックしましょう。

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まとめ|鶴の伝説と客舎文化が生きる津軽の湯治場へ

温湯温泉は、派手な観光施設で人を呼ぶ温泉地ではありません。朝5時に開く大人350円の共同浴場、それを囲む明治・大正の木造の宿、自炊して湯に通う客舎文化——「湯と暮らしの距離の近さ」こそが、この温泉地の最大の魅力です。

傷ついた鶴を癒したと伝わる源泉は、江戸の温泉番付『諸国温泉鑑』で東・前頭に格付けされ、400年以上のあいだ湯治客を迎え続けてきました。津軽系こけし発祥の地としての顔、中町こみせ通りや黒石つゆやきそばといった黒石市街の楽しみも、旅を厚くしてくれます。

黒石駅からバスで約20分。時刻表を調べて、雪の季節なら備えを整えて。次の旅は、湯けむりの向こうに津軽の湯治文化が息づく温湯温泉で、朝5時の一番湯を浴びてみてはいかがでしょうか。

出典一覧

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